長かった関東学生選手権も最終日を迎えた。松本茜女子副将(社4=福岡・九州国際大付)、吾妻咲弥(スポ3=福島・富岡)、吉田瑠実(スポ1=埼玉栄)の3人がベスト4進出を懸けた試合に臨んだ。吾妻との同校対決を制した吉田が勢いそのままに優勝。松…

  長かった関東学生選手権も最終日を迎えた。松本茜女子副将(社4=福岡・九州国際大付)、吾妻咲弥(スポ3=福島・富岡)、吉田瑠実(スポ1=埼玉栄)の3人がベスト4進出を懸けた試合に臨んだ。吾妻との同校対決を制した吉田が勢いそのままに優勝。松本は準決勝で敗れるが、3位入賞で全日本学生選手権(インカレ)の出場権を手にした。

 最後の関東学生選手権で優勝を狙っていた松本。シャトルのコントロールに苦戦する中、準々決勝を突破し、準決勝に挑んだ。「出だしがあまり良くなかった」と松本が振り返った通り、第1ゲーム開始早々5連続失点でリードを許す。連続得点で追い上げを見せるが、相手の強打に押され、このゲームを落とした。2ゲーム目も悪い流れを断ち切れない。正確なコントロールでミスなくラリーをする相手に翻弄される。持ち味のクロスのショットが決まるが、「先手を取られることが多くて、しっかり決められてしまった」(松本)と語ったように、コートを広く使い、緩急のついた相手のショットに対応できない。第2ゲームも相手の重いスマッシュをレシーブできず、徐々に差が開き21-9。松本は3位で今大会を終えた。


準決勝では松本は相手のスマッシュを防げなかった

 吾妻と吉田の準々決勝では、両者譲らない攻防が続いたが、吾妻のミスが増えて吉田が得点を重ね、ゲームを先取。吾妻は勝ちたい気持ちで気が急いたのか、単調なミスが続き巻き返しはならず、吉田がストレートで勝利した。吉田は準決勝でも相手のペースにのまれず自分らしくプレーし、決勝進出を決める。決勝の相手は高校の同級生で、松本を倒した上杉杏(明大)。「相手の雰囲気に飲まれていた」と語った吉田だが、試合序盤から競った展開になる。シーソーゲームが続き、先にゲームポイントを手にするが、相手が粘りを見せジュースに。丁寧にヘアピンを返し、23-21で第1ゲームを奪う。しかし、第2ゲーム16-12の場面で、インだと思われたショットがアウトの判定になり、そこから相手に流れが傾き、逆転される。勝負の行方はファイナルゲームに託された。優勝が懸かった大一番。簡単には得点させてくれない。イレブンを先取し、リードを守る。3試合目の吉田だったが、渾身(こんしん)のスマッシュがサイドラインいっぱいに決まり、マッチポイント。そして得意なフェイントで相手を崩し、ネット前の勝負を制し、21-18。ルーキーが女子シングルスの頂点に輝いた。


吉田は疲労もある中、相手のショットを正確に返球した

 吉田が優勝し、松本は3位入賞を果たした今大会。昨年は誰一人としてベスト4に残ることができなかったが、今年は好成績を残し、女子部は確実にレベルアップしている。今回結果の振るわなかった男子部も、次に期待したい。そして、大会全体を通して、上位進出を果たした1年生が多かった。上級生も気を緩めることなく、勝利に向けてさらにまい進したい。

(記事、写真 山本小晴)


表彰写真

結果

▽Aブロック女子シングルス

▼準々決勝

松本茜○2-0(21-15、21-14)石井奈都(法大)

吉田瑠実○2-0(21-15、21-10)吾妻咲弥

▼準決勝

松本茜●0-2(21-15、21-9)上杉杏(明大)

吉田瑠実○2-0(21-17、21-12)伊藤佑美(法大)

▼決勝

吉田瑠実○2-1(23-21、18-21、21-18)上杉杏(明大)







コメント

松本茜女子副将(社4=福岡・九州国際大付)

――準々決勝は余裕が感じられたのですが、振り返っていかがですか

きょうの目標としてはベスト4に入ってインカレの出場権を決めたいというのが強くて。結構緊張して、ミスも出ちゃって、点数もそこまで離れてなくてちょっと焦ってはいました。でも、そんなに気負いがなかったから、結果的に余裕に見えたのかなと思います。

――準決勝では相手に振り回される展開が多かったですが、原因は何だと思われますか

準々決勝で勝って少し安心してしまった部分もあって、出だしがあまり良くなかったと思っています。よく動いて、すごく良い球を打ってくる相手だったので、自分の気持ちの準備不足もありますし、そういうのが結果的にラリーに出てきてしまったのかなと思います。

――最後の方は足が止まっているように見えました

きょうシャトルがすごく飛んで、コントロールが難しかった中で、うまく入らなくて、相手の方が合わせてきて、先手を取られることが多くて、しっかり決められてしまった印象はあります。

――前回のインタビューで自分のプレーをすることが目標とおっしゃっていましたが、やってみてどうでしたか

2試合を総括すると、悔いはあるんですけど、悪くはなかったかなと思っています。勝ちたいと思った準々決勝に勝てたのは良かったです。準決勝は内容的には良くなかったんですけど、それは別に調子が悪かったからとかではなくて、実力の差という風に捉えて、次に向けて反省材料として生かしていきたいと思います。

――3位という結果に関しては

やるからには優勝したいという気持ちはあったんですけど、まずは目標だったベスト4に入れて良かったと思っています。今の結果に満足せずに、東日本(東日本学生選手権)ですとか、団体戦でシングルスでしっかり1本勝てる選手になりたいと思っているので、この結果を自信にして、これからも10月まで頑張っていきたいと思います。

吉田瑠実(スポ1=埼玉栄)

―― 優勝おめでとうございます。今のお気持ちは

ありがとうございます。この大会は5(回戦)入ってから気楽にできて、1回戦よりは自分のプレーが出せたと思います。

――準々決勝の相手は吾妻さんで先輩との対決となりました

昨日の夜から緊張して全然食べ物が喉を通らなかったです。とりあえず自分が入れてくだけかなと思っていたので、頑張りました。

――準決勝では声が出ていましたが意識的なものですか

はい。相手も多分そこまで感情的になる人じゃないので、自分が声出せばどうにかなるかなって思っていました。

――ミスをした時も声が出していましたね

怒ってます(笑)。はい。基本(感情が)100パーセント出るので。

――決勝の序盤はあまり声がなく、落ち着いていた印象ですが

落ち着いていたっていうよりか、いつも一緒にいる子で、淡々とやる子なので、相手の雰囲気に飲まれていたのかなと思います。

――決勝の相手は以前当たりたくないとおっしゃっていた上杉杏さん(明大)でした

はい。気楽にやろうと思っていたんですけど、相手もすごく強気だったので、自分も頑張ってみようかなぁと思っていました。強かったです。

――1ゲーム目から競った展開が続きましたが、どんなことを考えてプレーされましたか

とりあえずきょうは羽が飛ぶので、どれだけ入れるか。ラリーして、でもラリーだけでは勝てないので、自分がどう頭を使っていくかを考えていました。

――2ゲーム目を取られてから集中が切れたように見えました

はい(笑)。ファイナルの出だしはもういいやーと思って捨てていました。自分がいいやーってなってから気楽にできて、思い詰めていると良いプレーができないので、気楽に、気楽にっていう方向で頑張りました。

――きょうはネット前での勝負が多かったですが、ヘアピンで何か意識したことはありますか

大学生はヘアピンがみんな綺麗で、ロブとかも綺麗に飛ぶので、自分もヘアピンから先手を取れるようにしようと思っていました。

――これから大きな大会が続きますが、意気込みをお願いします

全部勝ちます!