関東の大学が無数に集った今大会。6月末に行われる全国大学選抜大会(全国選抜)の前哨戦とも言える戦いに臨んだ。男子は団体が決勝トーナメントに進出、3回戦で法大に敗れ、敗退となったが確かな手応えを掴んだ。一方女子は惜しくも予選敗退。悔しさの残る戦いとなった。

 大会初日に行われたのは団体予選。男子は24射、女子は12射を引き、それぞれ上位24校が決勝トーナメント進出となる。確実に高的中を出したいところであったが、男女で明暗が分かれる結果となった。男子団体は宮川晃弥(スポ2=茨城・清真学園)や千葉智広(先理2=東京・早大学院)が4射皆中を決めるなどチームをリードし、上位8校に与えられるシード権には及ばなかったものの、16中での予選突破を決めた。一方女子は的中が振るわず6中。同中競射へと望みをつないだものの、プレッシャーに的中が乱れ6射2中と大きく崩れてしまう。その結果この時点で予選敗退が確定。試合後には選手が涙を見せた。

 決勝トーナメントに駒を進めた男子団体は初日の決勝トーナメント1回戦で山梨学院大を下し、2日目は2回戦に臨んだ。24射18中と、15中の千葉大にも危なげなく勝利し、3回戦進出を決めた。続く3回戦、早大は2回戦と同じく24射18中を記録したが、突破はならず。22中の高的中を叩き出した法大の前に敗れた。目標とする優勝には遠く及ばない結果となったが、千葉と宮川が2戦通して皆中するなど安定した活躍を見せ、確かな戦力として存在感を放った。


6人で戦い抜いた男子団体

 2日目のこの日は男女個人戦の決勝も行われた。女子では個人決勝戦に松崎花純(文構4=栃木・佐野日大)がただ一人出場。それまでの不調を乗り切り、堂々とアリーナに立った。試合は1本外せば命取りとなる射詰形式をとり、場内に緊張が走る。「本当の意味で一人になってしまった」と個人戦のプレッシャーを感じつつ挑んだ松崎だったが、心をしっかり落ち着けて弓を構えた。残念ながら初矢で敗退となったが、「射形自体は上出来だったと言ってもらえた」と成果を噛みしめた。

 大会の最後に行われたのは男子個人決勝戦。女子と同じく射詰形式で行われた。早大からは予選を勝ち抜いた牧山千莉(スポ4=千葉)、内田稔己(基理3=福岡大大濠)、村上史哉(法2=熊本)、千葉、宮川、大澤(創理1=東京・早実)の6人が出場した。団体戦から好調ぶりが光っていた千葉と宮川は順調に的中を重ね、迎えた3本目。ここで宮川がこの日初めて矢を外し、惜しくも敗退となった。ここを勝ち進んだ千葉は、的が八寸になっても落ち着いて弓を引いた。勝敗がついたのは八寸5本目であった。神道友樹(法大)との一騎打ちになったこの場面を、「こんなにワクワクできる機会もなかなかない」と千葉は笑顔で語る。昨年度のリーグ戦では一歩及ばなかった相手に、今度は見事打ち勝った。緊迫の瞬間を制した千葉は、晴れて男子個人戦の優勝を飾った。


決勝戦を制し、個人優勝を果たした千葉

 今大会、うまく結果につながることばかりではなかったが、各自が良い感触をつかんだ。千葉の優勝を景気付けに、全国選抜という次なる目標に向けてさらなる躍進を期待したい。

(記事 犬飼朋花、菊元洋佑 写真 犬飼朋花、町田華子)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽男子団体戦


千葉、村上、西原剛志(スポ3=東京・城北)、牧山、阿部悠理(教3=宮城・仙台一)、宮川

予戦



千葉  4中

村上  2中

西原  1中

牧山  2中

阿部  3中

宮川  4中

24射16中

決勝トーナメント1回戦


〇早大17-15山梨学院大


決勝トーナメント2回戦


〇早大18-15千葉大


決勝トーナメント3回戦


●早大18-22法大


▽女子団体戦


武川衣万里(スポ1=山口・宇部フロンティア大香川)、渋谷有希乃(文構2=東京・早実)、武藤香帆(文構4=東京・青山)

予戦



武川  3中

渋谷  1中

武藤  2中

12射6中

▽男子個人戦


牧山


○×


内田


×


村上


×


千葉 優勝


○○○○○○○○


宮川


○○×


大澤


×


▽女子個人戦


松崎


×


コメント

大澤暢(創理1=東京・早実)

――入部して2ヶ月で迎えた試合でしたが振り返っていかがですか

自分的にはまあよくできた方かなと。入って2ヶ月っていうのもありますし、1年生で一人だけだったので、とにかく自分のできることをやろうと思って。まあ結果としては初矢を抜いて敗退という形になってしまったのですが、やれることはやりきった大会だったかなと思います。

――試合の中で意識したことはありますか

周りを気にするのではなく、自分の射にしっかり集中するということはもちろんですが、深く伸びあっていくっていうことはしっかり意識して引いていきました。

――普段の練習はご自分にとっていかがですか

今回千葉さんが優勝したということもありますし、常に自分よりレベルの高い選手に囲まれているというのはとても刺激的で、自分も常に上を見て練習ができるのは意識的にもすごくいい練習になっていると思います。

――今どのような練習に力を入れていますか

立ちっていう試合形式の練習があって、その試合形式の練習はしっかり常に試合、こういう大きな場で引くことを想定して、練習でもイメージをしっかり作って引いていくのはすごく大事かなと思います。

――今後の目標や抱負を教えてください

次の全日本学生弓道大会に向けて自分の中でできる調整をしっかりこなしていって、次は個人だけでなく団体でも早稲田の力になれるように頑張っていきたいと思います。

千葉智広(先理2=東京・早大学院)

――優勝おめでとうございます。今のお気持ちは

最後神道くんと一騎打ちになったのですが、こんなにワクワクできる機会もなかなかないので、しかもそれで当てることができてスッキリした気持ちです。

――ワクワクしたというのは

去年のリーグ戦の新人賞というのがあって、そこで神道くんが1位、僕が3位で少し自分の力が足らなくて悔しい思いをしたので、ここでやり返すことができたので嬉しいです。

――1本も外せない試合形式でしたが緊張はありませんでしたか

そうですね。その前の団体戦は出ていないメンバーも含めてみんなの「当ててほしい」っていう気持ちを背負いながら引かなきゃいけないのですごく緊張していたのですが、逆に個人戦は、確かに抜いてはいけないのですが、本当に自分のためでしかないということでのびのびと引くことができました。

――普段の練習で意識していることはなんですか

いかに本番と同じようにして、本番で緊張したときにどういうふうに引かなきゃいけないか、どういうふうに引いたら当たるのかっていうところを考えながらやっています。

――今後の目標を教えてください

今回個人は優勝することができたのですが、そのあとの納射を2本とも外してしまって。それが恥ずかしかったというのと、あとまだ自分は全部当てるっていうところまでは行けていないので、今度の試合は全部詰め切って、それで団体が勝てるよう目指していきたいと思います。

松崎花純(文構4=栃木・佐野日大)

――今大会の結果を振り返っていかがですか

結果としては残念なものだったのですが、私自身の感情としては2月くらいからずっと不調だった中でアリーナで引くことができて、射形自体は上出来だったという風に言ってもらえたので、あまり後悔はないです。

――女子個人決勝には早大から一人での出場でしたが、とのような思いでしたか

プレッシャーは感じていました。本当の意味で1人になってしまったので。

――個人決勝で意識したことはありますか

射形は基本的にこの人の指導を100%信じようっていう人がいたので、その人に試合前に言われたことを絶対にやり切ろうと思っていました。メンタル面では、アリーナで緊張するだろうけどいつも通りやろうって心がけていたのですが、入ってみたら意外と緊張しなくて、本当にいつも通りやることができました。

――次の目標をお願いします

夏に全日本学生選手権があるので、遠征に行きたいなと思います。遠征自体も選抜があるので、チームだったり個人だったり方法はいろいろありますが、どうにかして遠征には行きたいです。

牧山千莉主将(スポ4=千葉)

――個人戦について振り返っていかがですか

今までやってきて最後の武道館ということで、全力を出そうと思ってやったのですが、結果として中途半端な試合になってしまって悔しいです。

――どのような目標を掲げていましたか

個人としては今までやってきたことを武道館という大きな舞台で表現すること、団体では優勝を目標にやっていました。

――チームの結果を振り返っていかがですか

団体に出ていた後輩たちはよくやってくれていましたが、自分が簡単に抜いてしまう場面が多くあり、その結果負けてしまい目標に達することができなかったという点で非常に不甲斐ないです。

――調子はいかがでしたか

練習の時はそんなに悪くなかったんですけど、本番になってやはり緊張してしまったのかうまくいきませんでした。

――次の目標を教えてください

2週間後に全国大学選抜大会が控えているので、まずはそこで優勝を狙えるように、今回の大会で出た反省点を生かしたいと思います。