終盤まで1点を争う展開となったが、明治大の伊勢大夢(4年・九州学院)が3回から9回2死まで無安打投球で、強打の東京農業大北海道オホーツク(以下、東農大北海道)打線を封じこみ、無失点の好救援を見せた。また、打線は8回に相手のミスや喜多真吾(4年・広陵)の本塁打などで4点を勝ち越し明大が5対1で勝利。決勝進出を決めた。

善波達也監督も「今日は伊勢。最上級生が(決勝へ)繋いでくれました」と称えた

 試合は初回から動いた。今大会初先発の明治大・竹田祐(2年・履正社)から東農大北海道2番の新宅優悟(4年・飛龍)がライトスタンドに飛び込む本塁打を放ち先制に成功した。一方で、明治大も2回裏に相手のミスで同点に追い付くと、3回から伊勢を投入した。

 初戦となった2回戦・福井工業大戦は先発したものの、6回3安打2失点。本来のキレを欠く投球だったが、「足を上げてからワンクッション置くイメージで」と修正した。すると自己最速の151km/hを記録するなど本来のキレを取り戻したストレートに加えて、シンカーなどの変化球も冴えて相手打線を圧倒。「自信を持って投げることができました」と笑顔を見せた。

 決勝戦は連戦となるため「(エースの)森下には投げさせたくなかった」と振り返る伊勢。38年ぶりの優勝をかけて明治大は満をじして決勝戦に向かう。

◎東農大北海道・三垣勝巳監督
「ここまで来られたことで、全部員に“ここで勝つには”という目標ができ、今後に役立つと思います。寒い地域だからというハンデはまったく感じません。寒い時期だからこそできることをやってきました。リーグ戦の開幕2連敗から、ここまで来られたのはチームの力だと思います」

◎東農大北海道・田辺直輝主将(4年・佐久長聖)
「(9回2死から代打で意地の安打)ベンチ・スタンドを含めたみんなが打たせてくれたヒットです。(創部初の選手権準決勝進出に)自分たちだけの力ではここまで来られなかったので、様々な人の支えがありがたかったです。ただ、目標は全国制覇なので、足りなかったことを突き詰めて秋にまた帰ってきたいです」

9回2死から安打を打ち、チームを盛り立てた田辺。三垣監督も「人が嫌がることを率先してできる主将」と献身や統率力に感謝した

■準決勝:明治大vs東京農業大北海道オホーツク
農大北 100000000=1
明治大 01000004X=5
【農】林、●伊藤茉、中村-古間木
【明】竹田、○伊勢-西野
本塁打:東農大北海道・新宅(1回ソロ)、明治大・喜多(8回2ラン)

文=高木遊
写真=中西陽香