7日に決勝レースが行なわれたSUPER GT第5戦富士。GT300クラスはポール発進のARTA BMW M6 GT3、高木真一&小林崇志がアウディR8 LMSの追撃を振り切って優勝、今季初勝利をポール・トゥ・ウインで達成した。GT3…
7日に決勝レースが行なわれたSUPER GT第5戦富士。GT300クラスはポール発進のARTA BMW M6 GT3、高木真一&小林崇志がアウディR8 LMSの追撃を振り切って優勝、今季初勝利をポール・トゥ・ウインで達成した。
GT300クラスの優勝争い、その概ねの流れは予選1~2位の#55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一&小林崇志/ブリヂズトン=BS)と#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(R.ライアン&藤井誠暢/ダンロップ=DL)が僅差の戦いを演じ、それに予選4位の#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/DL)も大きく離れず付いていく、というものであった。
結果だけ見ると#55 ARTA M6がポール・トゥ・ウイン、決勝ファステストラップも記録してのいわゆるハットトリック勝ちで、しかもフリー走行まで含めた土日の全セッション首位。レース中もピットタイミングで首位を譲っただけの実質全周回首位という内容ではあったが、実に緊迫した優勝争いが展開されていたのである。
ARTA陣営は今季初使用のM6というマシンの“中身”を「まだ探っているところ」(高木)。そのなかで「富士が合っていることは分かっていた」だけに、まずは「ここしかない、なんとしても勝つ」(高木)、「是が非でも勝ちたい」(小林)という決意で臨んだ今回のレースだったが、最終的な差が0.106秒という接戦で#21 アウディR8を振り切れた勝因は、「みんながピット作業で6秒のマージンをつくってくれたことと、小林の集中力」と高木は言う。
後半スティントを担当した小林は、#21 アウディR8との接戦を覚悟し、「コンマ1秒もロスしない走りを、と集中して走りました」。高木とのコンビでは昨季までに何度も勝っているが、競り勝ちは初めてということで、「レース人生でも忘れられない1勝になったと思います」と小林は喜んだ。大ベテランの高木も「価値ある勝利だと思います」。
大いなる1勝を得た#55 ARTA M6は、これでドライバーズポイント首位に浮上している。得意の富士での2戦(第2戦の2位+今回の優勝と両レースでのポール獲得)で得た大きいポイントがものを言っている状況だが、「タイ(第7戦)はマシンに合いそう」(高木)とのことで、タイトル戦線への展望も開けてきたようだ。
#21 アウディR8は惜しくも決勝2位。ただ、こちらにとっても先行きが明るくなったレースだったようだ。藤井は「新型R8のポテンシャルを見せられましたし、チーム、アウディジャパンさん、ダンロップさん、みんなの力がひとつになって、ひとついい結果が出せました。今後につながると思います」と語っている。
3位には#61 BRZが入り、2戦連続の表彰台獲得。富士がマシン的に得手とするコースではないことを含めて考えても、こちらも上々の成果だ。ドライバーの井口と山内もゴール後には充実の表情を見せていた。
GT300クラスの決勝4~6位は以下の通り。
4位 #88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学&平峰一貴/ヨコハマ=YH)
5位 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝&片岡龍也/YH)
6位 #3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹&J.マーデンボロー/YH)
今回は決勝6位までがすべて異なる車種だった。4戦を終えて2勝したチームもなければ、2勝したマシンもなく、GT300クラスらしい混戦は今後も続きそうだ。
次戦第6戦は8月27~28日の鈴鹿1000km。真夏の3連戦ラストとなるシリーズ最長距離バトルを制し、GT300クラスタイトルに向けて加速するのはどのマシンだろうか。
優勝の#55 ARTA BMW M6 GT3。撮影:益田和久
#55 ARTA M6がレースをリード、僅差で逃げ切る。撮影:益田和久
GT300クラスの表彰式。撮影:益田和久
決勝2位の#21 アウディR8 LMS。撮影:益田和久
決勝3位の#61 BRZ。撮影:益田和久
夏の富士戦らしい熱暑の戦いとなった。撮影:益田和久
土日計51900人の大観衆にとっても熱暑との戦い。撮影:益田和久
決勝4位の#88 ランボルギーニ・ウラカン。撮影:益田和久
決勝5位の#4 メルセデスAMG。撮影:益田和久
決勝6位の#3 GT-R。撮影:益田和久
#25 VivaC 86 MCは今回無得点。しかし、ポイントランクでは2位につけている。撮影:益田和久
#55 ARTA M6はポール発進からの勝利。撮影:遠藤俊幸
優勝の高木(左)と小林。撮影:遠藤俊幸