今回で83回目の歴史ある早慶定期戦(早慶戦)が早稲田アリーナで行われた。春季関東大学リーグ戦では3-1で慶大相手に白星をつけていた早大。しかしきょうは序盤から両校譲らない「苦しい戦い」(武藤鉄也副将、スポ4=東京・東亜学園)が続く。早大にとって今季大学生相手に初のフルセットにもつれこんだ一戦だったが、激闘を制しセットカウント3-2(25-21、25-27、25-15、22-25、15-13)で早慶戦5連覇を達成した。

 「3年生と一緒にどうやったらいいかなというのを考えながら臨みました」と振り返った北川諒(教2=東京・早実)がきょうは堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)に代わってスタメン出場を果たしたこの試合。慶大の2連続のスパイクで幕が上がる。このままリードされ4-6で早大は中村駿介(スポ3=大阪・大塚)と息ぴったりの村山豪(スポ3=東京・駿台学園)のクイックが功を奏すなど4連続得点を上げ8-6に。しかし両校なかなかペースをつかみきれない。セット終盤、試合が動く。武藤副将のスピード感あるCクイック、村山に代わって出場した上條レイモンド(スポ2=千葉・習志野)のブロックが決まり22-20。そこから1点返されるも3連続得点を上げこのセットは早大が先取した。第2セットも同様に両校譲らない攻撃が続き、15-15とジュースの場面。上條がきょう初得点となるクイックを決めて16-15。その後もブレークを繰り返す。23-19と主導権は早大がつかんだかに思われた。しかしここから慶應の猛攻が開始した。2連続得点、宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)の強烈なスパイクを封じ込めたブロックを含む4連続得点を上げられ24-25。1点を返し振り出しに戻すも慶應の勢いを止めることができなかった早大。25-27で逆転されこのセットを落とす結果となった。


途中出場ながら上條はクイックやブロックでチームに貢献した

 

 立て直しを図りたい3セット目、2-0とリードしている場面で北川に代わり堀江主将がコートに立つ。すると「堀江さんの声や存在は大きい」と大塚が振り返るように2セット目とは打って変わり『勝つ」雰囲気がコート中に浸透していく。10―5の場面では武藤副将が足を使った好レシーブを見せると早大側の応援席は大盛り上がり。その後も上條の速攻、大塚達宣(スポ1=京都・洛南)のパイプが決まり得点を量産していく。最後は大塚に代わって出場した重藤トビアス赳(スポ1=神奈川・荏田)、上條、中村の3枚ブロックが慶大のスパイクをふさぎ25点目。会場の雰囲気、コートの流れをつかみ続けた早大にこのセットの軍配は上がった。このまま早大ペースのまま運ばれるかに思われた4セット目、序盤からリードを許し1-4となる。しかし宮浦のエンドラインギリギリを突くサービスエースなどでの4連続得点を獲得し5-4とした早大。その後は両校なかなか点差を広げることができず一進一退の攻防戦が繰り広げられる。一歩前に出たのは慶大。クイックやクロススパイクで12-16と早大はリードを許す展開となる。大塚のワンタッチを誘うスパイクなどで4連続得点を取り応戦するもむなしく17点目以降一度もブレークを取ることができないままこのセットを落とし、決着は最終セットへ。

勝負の最終セット、両校の気持ちがぶつかり合う。大塚がクロススパイクを決めて1点目を早大が決めるとすかさず慶大も1点を決める。その後も取っては取られを繰り返す。大きく点差が広がることなく12-10の場面で慶大のスパイク、ブロックが相次いで決まり12-12と同点に。早大は慶大の会場中に響く応援や独特のムードに押されて苦戦を強いられる。すかさず松井監督はタイムアウトを要求した。直後に宮浦のスパイクがアウトになり慶大が13点目。2セット目と同様セット終盤に逆転されてしまう。しかしここで終わらないのが早大だ。宮浦のストレートのスパイク、村本涼平(法4=京都・洛南)の技ありフェイントで14-13と追い越してマッチポイント。最後は村本、武藤、中村の3枚ブロックが決まり試合終了。見事激闘を制し、女子部とともに慶大に勝利を飾った。

 


きょうも中村はサービスエースを決めた

 教育実習やユニバーシーアードの合宿が重なり、この早慶戦に万全の状態で挑むことができなかった早大だったが、上條や北川といった春季リーグ戦ではリザーブであった選手が躍動するなど『誰が出ても勝てるチーム』を具現化しつつある。今月末には東日本大学選手権が控えている。この大会では主力の宮浦、村山が欠けた体制で臨むことになるが全員で優勝をもぎ取って貫禄の2連覇を決めてほしい。


集合写真

(記事 萩原怜那、写真 宅森咲子、細井万里男)


※掲載が遅れて申し訳ありません。

セットカウント
早大25-21
25-27
25-15
22-25
15-13
慶大
スタメン
レフト 村本涼平(法4=京都・洛南)
レフト 大塚達宣(スポ1=京都・洛南)
センター 武藤鉄也(スポ4=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ3=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 中村駿介(スポ3=大阪・大塚)
リベロ 北川諒(教2=東京・早実)
コメント

堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)

――今日の試合を振り返ってみていかがですか

苦しい試合でした。2セット目リードしていたのに取れなかったのが痛かったです。

―3セット目からの途中出場でしたがご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

思ったより良いプレーが出来ました。100%は出せないことはわかっていたのですが、それに近いプレーが出来たかなと思います。特にレセプションが今日は良かったです。

――堀江さんが途中出場されてからの3セット目、チームの雰囲気がとても良くなった印象を受けましたが、その点はいかがですか

ありがとうございます。北川(諒、教2=東京・早実)より僕の方が声を出すのでそういう印象なだけだと思います。

――4セット目取られてから最終セットはどのようなところを意識して臨みましたか

特別悪いことがあったわけではないので、いつも通りやることと、あとサーブが効果的でなかったのでそこだけ意識しました。あとは15点なので気持ち的な部分ですね。

――東日本大学選手権(東日本インカレ)の目標を教えてください

もちろん優勝目指して頑張ります!

武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)

――きょうの試合を振り返ってみて

慶應の応援やムードに押されて、僕や堀江(友裕主将、スポ4=和歌山・開智)が教育実習で練習メンバーが揃わない中で苦しい戦いだったと思いますし、あまり練習したことが出せなかったです。しかし唯一ブロックが良かったのではないかと思うのでしっかり練習して東日本(大学選手権大会)に臨みたいと思います。

―2.4セット目取られた後のタイムアウト中に何か声をかけられましたか

雰囲気が盛り上がる感じで落ち着いてプレーしようと呼びかけていました。

――最後に東日本大学選手権大会(東日本インカレ)に向けて修正点などがあれば教えてください。

やはり一本一本のプレーの質や制度がまだまだ低いのでサーブからレセプション、コンビまだ完成ではないと思いますし次の東日本インカレで50%に達するまでには全然足りないと思うのでまた基礎の部分からしっかり練習して僕らも教育実習があと一週間あったりU23の合宿などで揃わないですが個人個人がレベルアップできるように練習に取り組んでいきたいと思います。

中村駿介(スポ3=大阪・大塚)

――きょうの試合を振り返って

勝てたのは嬉しかったですが、内容的には自分のミスから失点してしまった部分がありました。自分が相手をしっかり見ていなくて、そこから切り返されてしまった部分が反省点です。ですが、チーム状況の悪い中で勝ちきれたことはとても良かったです。

――ここ最近は十分な練習ができていなかったということでしょうか

そうですね、言い訳にはなってしまいますが……。

――普段と違い応援もかなり大きな声でした

普段のリーグ戦とは違いましたし、慶大は応援でだんだんすごく強くなる印象が僕の中でありました。油断していたわけではありませんが、想像以上でした。

――最終セットを振り返って

負けたら自分のせいだと思ってやっていました。

――東日本大学選手権(東日本インカレ)に向けて

僕のトスの精度をもっともっと上げることをまずは目標にしたいです。メンバーは揃っていないですが、誰が出ても強い早稲田というのを見せるいい機会だと思って頑張りたいと思っています。

北川諒(教2=東京・早実)

――3-2で慶応に勝利しましたが、今の率直な気持ちはいかがですか

そうですね、嬉しいです。

――久しぶりのスタメン出場となりましたが、どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

教育実習で4年生が2人抜けて、3年生を中心に練習をやってきて。リベロである堀江(友裕、スポ4=和歌山・開智)さんも教育実習でいなくて自分が最初からいることは知っていたので、3年生と一緒にどうやったらいいかなというのを考えながら臨みました。

――きょうの自身のプレーを振り返って、良かった点と反省点をお願いします

良かった点は、サーブレシーブのレセプションが結構良かったかなという印象です。あとは特にフローターサーブですね。悪かった点はディグの位置どりとか、いっぱいありすぎて分からないです。

――東日本大学選手権(東日本インカレ)に向けての修正点と、最後に意気込みをお願いします

まだ2年生なので、2年生らしく雰囲気を盛り上げるというのをもう少しやっていくのと、あとはプレーの精度を上げていけたらなと思います。意気込みは、優勝以外狙っていないので優勝することは目標なんですけど、そこに行くまでの過程をしっかりと大事にしていきたいです。

大塚達宣(スポ1=京都・洛南)

――今日の試合を振り返っていかがですか

この伝統ある早慶戦で慶應はこの試合に凄く懸けてきていると先輩から聞いていたので、タフな試合になるなと思っていたのですが、それでも勝ち切れたというのは良かったです。

―攻撃面で得点を稼いだ一方でブロックに阻まれるシーンが多くありましたが、それについてはいかがでしたか。

ブロックされたときは何も意図もなくブロックされたわけじゃなくて、こうしてみようかなと思ってやった結果止められました。何も考えずにやったわけではなく、自分で考えた結果失敗してしまいました。そういう意味では収穫になったのではないかと思います。

―最後まで競り合うシーンが多くありましたが、どのようなことを意識してプレーされていましたか。

競った時こそ自分にボールを持ってきてほしい、自分にトスを上げてほしいと思っていましたし、点差がどうであれ、むしろしんどい試合であるときほど自分が絶対決めてやるという気持ちで、競った時はプレーしていました。

――苦しい場面がありましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか。

ちょっと噛み合っていないこともあったりしんどいこともあって、それが特に取られたセットの時にはっきりと出ていたと思うので、そういう時に立て直す力が必要だと思いました。今日だったら例えば、前半堀江さん(友裕主将、スポ4=和歌山・開智)がコートに立っていない時に他の4年生も声を出してくれたんですけど、やっぱりキャプテンがいるのといないのとでは違うなと思いました。

――どう違いましたか。

後ろから盛り立ててくれてる感じがすごくありました。もちろん他の4年生たちもやってくれてはいるんですけど、堀江さんの声や存在は大きいなと思いました。

――ではキャプテンの堀江さんはチームの精神的な柱のような存在なんですね。

そうだと思います。

――最後に東日本大学選手権(東日本インカレ)に向けて意気込みをお願いします。

 東日本インカレはメンバーが村山豪さん(スポ3=東京・駿台学園)と宮浦健斗さん(スポ3=熊本・鎮西)がいない中で自分たちがどれだけできるかという、挑戦の大会だと思うのでメンバーがいなくても誰が出ても勝てるように積極的にプレーしていきたいと思います。東日本インカレは全日本インカレの通過点なので、自分がやれるプレーというのをどんどん出せるようにしていきたいと思います。

重藤トビアス赳(スポ1=神奈川・荏田)

――試合を振り返っていかがでしょうか

ギリギリ勝てたのですが、自分はサーブが入っていい感じでできたので良かったと思います。

――春季関東大学リーグ戦でも慶大と対戦されましたが、具体的な対策などはありましたか

僕たちは教職などで全員集まって練習できる時間がなくて、具体的な対策をとることは厳しかったのですが、控えの選手もレギュラーの選手と同じ様なプレーができるように練習を積んできたので、上条レイモンドさん(スポ2=千葉・習志野)のように交代で入っても普通にできたのかなと思います。

――大きな応援もあって独特な雰囲気だったと思いますが、早慶戦はいかがでしたか

一度野球の早慶戦を観戦したので経験していたのですが、バレーは当事者なのでわくわくしました。

――東日本大学選手権(東日本インカレ)に向けて一言お願いします

東日本インカレはもしかしたらレギュラーで出れるもしれないので、そういう気持ちをつくって、技術ももう一回高めてチームに貢献したいなと思います。