15年ぶりに大分県で開催された春の明早戦。大観衆が詰めかけた伝統の一戦は、前半、先制後に1トライを返されるも、ディフェンスで粘り切り12―7。後半は両校鋭いディフェンスにより攻めあぐねる展開が続くも終盤に突き放し、29―14でノーサイド。…

 15年ぶりに大分県で開催された春の明早戦。大観衆が詰めかけた伝統の一戦は、前半、先制後に1トライを返されるも、ディフェンスで粘り切り12―7。後半は両校鋭いディフェンスにより攻めあぐねる展開が続くも終盤に突き放し、29―14でノーサイド。令和初の明早戦は明治に軍配が上がった。

◆6・9 招待試合(大分市営陸上競技場)

▼対早稲田戦

 ○明治29{12―7、17―7}14早稲田

序盤の流れを継続できなかった。前半2分、試合開始のキックオフボールからテンポ良くパスを回し、スタンドオフ花村海斗(法3=名古屋)からラストパスを受けた左ロック片倉康瑛(法3=明大中野)がノーホイッスルトライ。先制に成功した明治は、13分にも右ウイング山村知也(営4=報徳学園)が「感覚で押し切った」というランで相手ディフェンス2人をかわし追加点を挙げた。しかし、「ブレイクダウンの圧にやられた」(右ロック箸本龍雅・商3=東福岡)。その後は、早稲田の得意とする出足の早いディフェンスに苦戦。攻めあぐねる展開が試合終盤まで続くも、19―14で迎えた後半30分からフルバック雲山弘貴(政経2=報徳学園)が2トライを奪取。早稲田を突き放し、最終スコア29―14でノーサイドとなった。

 チャンスを活かしきることができなかった。「基本的な技術が疎かになっていた」(箸本)。前半途中からアタック時のミスが散見。好機でのノックオンやスローフォワードが連発した。後半25分には敵陣深くで連続攻撃を仕掛けていたが、パスをインターセプトされてしまい、相手ウイングに一時5点差まで迫られる独走トライを献上した。「シンプルなミスを続けていたら対抗戦、大学選手権では勝てない」(フッカー武井日向主将・商4=国学院栃木)。主将の齊藤、トライゲッターの河瀬ら多くの主力が不在だった早稲田。大勝を期待されていた一戦だったが、相手に力の差を十分に見せつけることはかなわず。「テーマは達成できなかった」(左ウイング山﨑洋之・法4=筑紫)。前節の帝京大戦の内容を受け〝ハイクオリティ〟を掲げて臨んだ明早戦は課題の残る内容となった。

12月1日の対抗戦で再び相まみえる両雄。「早稲田以上にレベルアップして秋を迎えたい」(武井)。令和へと受け継がれた伝統の一戦は互いの意地と意地がぶつかり合い、今年も白熱の様相を呈している。  

[上松凜助]

試合後のコメント

武井

――試合を振り返っていかがでしたか。 

 「ミスが目立ってしまいました。断ち切れたのは良かったのですが、いろいろと課題が残る試合でした。アタック時にボールキャッチでノックオンしてしまったり、シンプルなミスが目立ちました。こういうミスを続けていたら、対抗戦、大学選手権で絶対勝てないので、しっかりと修正していきます」

  

――今後の意気込みをお願いします。 

 「絶対にまた早稲田とは戦います。相手も必ずレベルアップしてくるので、明治が相手以上にレベルアップできるようにこれからも頑張りたいです」 

山村

――試合を振り返っていかがでしたか。

 「トライシーンに関しては良い形でボールをもらえたので、取りきれて良かったです。イメージというか、気持ち、感覚で押し切りました。早稲田の速く上げてくるディフェンスに対して良いアタックが展開できなかったです」

  

山﨑

――試合を振り返っていかがでしたか。

 「〝ハイクオリティ〟というテーマを掲げて臨んだんですけど、達成することはできなかったというのが正直な感想です。帝京大戦では細部が悪かったので、そこを突き詰めようとして挑んだのですが、甘かったです」

  

――次戦に向けて一言お願いします。 

 「自分たちのラグビーをどのような相手の時でもできるチームが一番強いと思います。帝京大や他の強豪にも外国人はいるので来週の日大相手に自分たちのラグビーを貫いて勝ちたいです」

箸本

――アタックでのミスが目立ちました。

 「相手のブレイクダウンの圧にやられました。一人一人の基本的な技術が疎かになってしまったと思います。きついところでも一人一人の意識をチームとして統一できるように修正します」

  

――今後に向けて意気込みをお願いします。

  「当然ミスは出るんですけど、一試合一試合成長できているという実感はあるので、もっと成長してやるという一人一人の意識を絶対になくさないようにやってきたことを続けたいです」