春季フレッシュリーグ 対慶大 2019年6月6日(木) 神宮球場  迎えたフレッシュリーグ最終戦。前日の試合は緊迫した投手戦となったが、今日は法大先発・益川和馬(法2)が初回から崩れ、いきなり3失点を喫する。打線は2回に岡田悠希(人2)の…

春季フレッシュリーグ 対慶大
2019年6月6日(木)
神宮球場

 迎えたフレッシュリーグ最終戦。前日の試合は緊迫した投手戦となったが、今日は法大先発・益川和馬(法2)が初回から崩れ、いきなり3失点を喫する。打線は2回に岡田悠希(人2)の遊ゴロの間に1点を返すも、慶大の投手リレーを前に最後まで崩し切ることができず、1ー7で完敗。これでフレッシュリーグ全日程が終了し、法大の春が終わった。

2安打を放った野尻

戦評

 前日で接戦を勝ち切り、良い雰囲気の中で迎えた今日のフレッシュリーグ最終戦。しかし、今日の試合は前日から一転、初回から動きだす。

 今日の先発は今季神宮初登板となる益川和馬(法2)。初回、先頭打者を味方の失策で出塁させると、ここから一気にリズムが狂い始めてしまう。2番・橋本典之から5番・山本晃大まで4者連続四球を与えてしまい、2つの押し出しで2点を献上。1アウトも取れないまま無念の降板となってしまった。ここでマウンドに上がったのは東大戦で5回無失点の好投を見せた扇谷莉(営1)。急遽マウンドに上がったにも関わらず、落ち着いていた扇谷は6番・朝日晴人に犠飛を許したものの、追加点を1点のみに止め、この回を最少失点で切り抜けた。

 打線は2回、先頭の野尻幸輝(営1)が内野安打で出塁すると、暴投により一気に三塁まで到達する。続く後藤克基(法2)が四球を選び一、三塁となり、打席には東大戦で特大の本塁打を放った岡田悠希(人2)。快音は響かれなかったものの、遊ゴロの間に野尻が生還し、1点を返した。

 しかし、これ以降はリーグ戦でも登板実績のある慶大先発・森田晃介を前になかなか好機を作り出すことができない。対する慶大は2回、5回と1点ずつ得点し、5回終了時点で1ー5と4点のビハインドを背負う。 法大は5回途中から小山泰生(文1)が登板。早大戦に続き、今日は3回無失点の好投を見せ、味方の援護を待つも、攻撃陣が奮起できない。

小山は早大戦に続き快投を見せた

すると、8回から登板した杉下裕哉(営2)が最終回に2点を失い、これで差が6点に。裏の攻撃で最後の意地を見せたいところだったが、法大は最後まで反撃を見せることができず、慶大に完敗を喫した。

 これでフレッシュリーグの全日程が終了。法大は2勝3敗で立大との同率4位という結果に終わった。リーグ戦に続き負け越しとなり、結果としては悔しい春になった法大だが、指揮を執った中村駿学生コーチ(キャ4)は「今回のフレッシュリーグは選手たちがよくやってくれた」と前を向く。結果を残した選手たち、ふがいない結果に終わった選手たちとそれぞれだが、どちらにせよ、秋に向けての課題は山積みだ。個人として、また、チームとしての進化が必要な今の法大。明るい秋に向けた勝負の夏はすでに始まっている。

(山﨑有馬)

 

クローズアップ:野尻幸輝

  「チームに貢献できる選手になりたい」 野尻幸輝(営1)が目指す理想だ。高校時代には2年次から夏の甲子園にスタメン出場。投手と打者の二刀流で高校野球を沸かせた野尻はプロ野球という選択肢もあったが法大に入学。1年生ながら春季リーグ戦出場を果たすなど期待通りの活躍を見せている。

 ただ、フレッシュリーグは思うように行かなかった。昨日も無安打となかなか期待通りの結果が出せずにいた。それを見かねた中村駿(キャ4)学生コーチは昨晩に2時間弱バッティングを指導。野尻は「良い感覚で試合に臨むことができました」とその練習の成果を口にし、すべて単打ながら2安打の活躍を見せた。

 しかし、バッティングこそ復調したものの、今日は2失策と守備面での課題が露呈。今後はこの守備強化が大きな課題となってくるだろう。 野尻はフレッシュリーグを通して「自分が引っ張っていかなければならないという意識があったが、まだ実力不足だった」と悔しさを見せながらも「今回を踏まえて秋までに調整して行きたい」とさらなる成長に向けて意気込む。

 秋はリーグ戦に出場、そして自身の打撃でチームの王座奪還への貢献を目指す。これから、理想を現実にするための試練の夏が始まる。

(須藤大樹)

監督インタビュー

中村 駿 学生コーチ

—フレッシュリーグ全体の総括をお願いします
全体的に良い試合も悪い試合もありました。まず打者陣は、齊藤(大)を筆頭に、打線としては良いつなぎができたと思います。投手に関しても、今日の試合は先発が崩れてしまったんですけど、要所要所でしっかり粘ってくれましたし、任せられるピッチャーも多くなったので、そこの部分に関しては、今回のフレッシュリーグは選手たちがよくやってくれたかなと思います。

—東大戦ではメンバー大きく入れ替えた中で敗戦を喫してしまいました
あの試合に関しては、本当に僕の采配ミスかなという感じです。選手たちはしっかりと戦ってくれましたし、普段試合に出ない選手たちだったので、緊張をしていたんですけど、やっぱり、そこで(選手の力を)出し切れなかった自分のミスかなと感じています。

—采配面で意識したことは
基本的には強気、強気という感じですね。序盤から。ランナー一塁で送りバントではなくてエンドランであったりとか、ヒッティングをさせたりというところで、超攻撃的にいこうかなと。そして、相手よりも先に点を取るということを意識しました。

—積極的な選手交代が見られた中、齊藤大選手や野尻選手などは打順を固定して起用し続けました
そうですね。期待をしていて、今後絶対に、秋のリーグ戦でのメンバーに絡んでこないといけない選手たちなので、(その選手たちを)使い続けるというのはずっと意識はしていました。

—野尻選手とはマンツーマンでの指導をしたと伺いました
今日2安打が出て、その(指導の)成果が出たとあいつ自身が思ってくれたら一番うれしいですね。自分にできることは何かと考えたときに、やっぱりあいつの指導をすることだと感じたので。結果を出したあいつをほめてあげたいですね。

—昨日は古屋敷選手が圧巻の投球を見せました
あれに関しては、まず東大戦で敗戦投手となった後に、何が悪かったのかという部分を自分としっかり話をして修正をしました。明治戦は先発でいくという話は(以前から)していて、それにしっかり照準を合わせてくれたので、あれはナイスピッチングだったと思います。

—今回のフレッシュリーグで出た課題は
まず、ピッチャー陣で言えば、この3日で連戦になった時に、体力的なところでばてるところがあったので、投手陣としては基礎体力ですね。打者陣としては、試合の流れのなかでバントが決め切れない場面がありましたし、今日みたいな、リーグ戦で出ているようなピッチャーと対戦した時に結果が出ないというところがあったので、スイングスピードであったりとか、基本的な守備の練習とか、基本的なところが課題かなと思いました。

—最後に秋に向けての意気込みをお願いします
こういった結果になってしまって、負け試合は僕の責任です。(秋は)チャレンジャーの気持ちで、一戦一戦を大事に戦っていこうと思います。

選手インタビュー

小山 泰生 投手

—今日の試合を振り返って
立ち上がりから追いかける展開で、厳しい試合だったと思います。

—自身は5回途中無死一、二塁のピンチで登板しました
自分の出せる力を全部出そうと思って、ミットをめがけて全力で投げました。

—中飛と併殺でピンチを切り抜けた後、7回まで無失点に抑えました
今日はちょっと力みがあって、コースも甘かったですし、(相手打者が)打ち損じてくれたというのが多かったので、この前(2日前の早大戦)よりはできとしてはあまり良くなかったです。

—フレッシュリーグでは計9イニングを投げ、自責点は0と秋に向けて大きなアピールになったと思います
そうですね、自分の持ち味は最大限に出すことができて、良いアピールができたと思います。

—今回のフレッシュリーグでの結果は自信につながると思います
自分でもこんなに0で抑えられるというのは予想していなかったので、ある意味では良いことなのかなと思います。

—これからの課題は
今日、体力面でちょっと落ちてしまっていたところが感じられたので、この夏は体力づくりをしっかりして、あとはフォームも、しっかりもっと固めて、さらにレベルアップしていきたいと思います。

—最後に秋に向けての意気込みをお願いします
秋も新人戦があるので、それに向けてしっかりアピールしていきたいと思います。

野尻 幸輝 内野手

—今日の試合を振り返って
自分のエラーから点数に絡んで自分で悪い流れ作ってしまったんですけど、それをバッティングで返そうと努力しました。やっぱりもうすこし違う形でチームに貢献できたらもっと良いゲームができたと思います。

—守備の面では2失策でした
流れを作るときにここぞという場面でエラーをしてしまったのは自分の弱みかなと思います。そこは秋までにしっかりとして気持ちを作って行きたいと思います。

—一方打撃面では2安打でした
今日はしっかりとチームバッティングに徹してつなぐバッティングをしようと思っていたので、その面に関しては単打ですけど転がしてチームバッティングできた面は良かったと思います。

—昨日は無安打でしたが昨日からの調整は
学生コーチの中村駿(キャ4)さんが気にかけてくれて、自分と室内で2時間弱バッティング練習していただいてそれで自分も良い感覚で試合に臨むことができました。

—フレッシュリーグを振り返って
自分はリーグ戦にもベンチ入りしてたんですけど、その中でしっかりと「自分がフレッシュを引っ張っていかないといけない」という意識がありました。でも自分の実力不足で引っ張っていくことができなかったので今回のフレッシュリーグの自分の失敗を認めて、しっかりと秋までに調整してもう一度成長できるように頑張って行きたいと思います。

—フレッシュリーグを通して見つかった課題は
自分は守備面ですこし弱い部分があって、バッティングでももう少しチームに貢献できたと思うので、そういう力を秋までにつけたいと思います。

—秋に向けて意気込みをお願いします
秋はしっかりとリーグ戦のメンバーを狙って、チームに貢献できる選手になっていきたいと思います。

 

 

フォトギャラリー

先発した益川
2番手で登板した扇谷
齊藤大は今日も安打を放ち、出場全試合で安打を記録した
右前打を放った海﨑
4番手で登板した杉下
5番手で登板した石田
最後の打者となった後藤