6日、SUPER GT第5戦の公式予選が富士スピードウェイにて実施され、GT500クラスは今季ここまで全勝の日産GT-R勢が1-2-3を独占した。ポールポジションは安田裕信&J-P.デ.オリベイラ組。GT300クラスのポールは高木真…

6日、SUPER GT第5戦の公式予選が富士スピードウェイにて実施され、GT500クラスは今季ここまで全勝の日産GT-R勢が1-2-3を独占した。ポールポジションは安田裕信&J-P.デ.オリベイラ組。GT300クラスのポールは高木真一&小林崇志のARTA BMW M6 GT3が獲得している。

ゴールデンウイーク以来今季2度目の富士戦。全国各地で夏の暑さが本格化している今週末だが、予選日の富士も炎天下となった。午後2時25分、気温33度、路温は50度前後という状況のなかで、決勝スタート位置を決める2段階ノックアウト予選が開始された。エントリーはGT500クラス15台、GT300クラス29台の総計44台。

今季シリーズは今回が実質4戦目(地震による九州大会中止~代替開催の影響による)。そろそろ、獲得ドライバーズポイントに連動して増えるウエイトハンデ(6戦目までは点×2kg)の差がマシンパフォーマンスへの影響力を強めてくる頃合いといえるが、それは「過去3戦で速いながらも不運に見舞われるなどしてハンデが嵩んでいない陣営が本命視される状況」を意味することにもなる。

今回のGT500クラスで下馬評が高いのは、開幕3連勝中で近年は富士を得意中の得意としている日産GT-R勢のなかで“軽め”な2台、ハンデ14kgの#12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ.オリベイラ/ブリヂストン=BS)と同30kgの#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲&千代勝正/ミシュラン=MI)だった。予想通り、ポールポジション争いは両車を軸に展開される。そして、今季まだ勝っていないのが不思議なくらいに“速いけど不運続き”だった#12 GT-Rが、第2戦富士以来のポール獲得を果たした。

#12 GT-Rの安田は「今朝、走り出してみると意外に感触が良くなかった」と振り返る。しかし予選ではQ1を走った安田の「高速コーナーでオーバーステア気味」というフィードバックを活かし、オリベイラはエンジニアと「リヤのダウンフォースを増す方向で改善を図った」。そしてQ2、「完璧とまではいえないが、バランスはOK、満足できるレベル」のマシンでオリベイラが1分28秒458をマーク、富士戦連続ポールを決めた。

第2戦富士では最終盤のタイヤトラブルで勝機を逃し、前戦SUGOでは「すべてがアゲインストだった」(オリベイラ)という流れで、ここ2戦続けてチェッカーを受けられていない#12 GT-R。それゆえの軽さという利点も活かし、安田とオリベイラは明日の決勝で今季初優勝を狙う。

GT500クラス予選2位は#46 GT-R。こちらも狙うは今季初優勝だ。そして3位にはトップハンデの84kgを背負うポイントリーダー、#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/MI)がつけた。Q2を走ったクインタレッリが「重いからギリギリだったけど、すごくいい1周だった」と振り返る1分28秒997のアタックラップは、他陣営からも「ロニー(クインタレッリ)が素晴らしかった」という賞賛の声があがるほどのものだった。

今季全勝のGT-R強し、そして#1の3位には#12の安田も「ビックリしました」というところでもあったわけだが、日産1-2-3の構図はBS-MI-MIというタイヤ戦争の縮図でもある。明日も暑いであろう状況下、どんな戦い模様となっていくか。

予選4位はホンダ勢最上位の#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大&小暮卓史/BS)。5位もNSXで、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀&O.ターベイ/BS)が続いた。前戦優勝でハンデが4kgから44kgに急増した#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹&柳田真孝/ヨコハマ=YH)が6位に健闘している。

レクサス勢は苦戦。YH装着の#19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛&国本雄資)が唯一Q2に進んで8位となったが、BS装着の5台はQ1で全滅、#36 au TOM'S RC F(伊藤大輔&N.キャシディ)の10位が最高だった。2014年の現行規定車導入以降、ホームコース富士で勝っていないレクサス勢、決勝で巻き返しなるだろうか。

GT300クラスのポールポジションは#55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一&小林崇志/BS)が獲得。#55 BMW M6もGT500の#12 GT-R同様、第2戦に続く富士戦連続ポールとなった。

そして#55 BMW M6も前戦SUGOは「思い出したくないレース」と小林が語るくらいに流れがわるかった。それだけに「クルマがコースに合っていることは分かっている」(高木)という富士に戻り、「ここで勝たないとどこで勝つんだ、くらいの気持ちで入ってきています」(小林)。前回の富士戦では“ポール・トゥ・2位”ながらも一定の満足感を得られたところだったが、今回は「最低でも優勝」(高木)という時節柄(過去の五輪で)聞いたような決意を胸に決勝へと臨む。

GT300クラスの予選2~6位は以下の通り。

2位 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(R.ライアン&藤井誠暢/ダンロップ=DL)
3位 #51 JMS LMcorsa 488 GT3(都筑晶裕&新田守男/YH)
4位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/DL)
5位 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝&片岡龍也/YH)
6位 #31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀&中山雄一/BS)

予選1-2-3はFIA-GT3規定マシンが占めた。一方のJAF-GT規定勢には今大会前の参加条件(いわゆる性能調整等)の変更が厳しく作用するとも見られていたところだったが、そのなかで#61 BRZが4位に食い込む力走を見せている。

明日(7日)の決勝は66周、300kmの戦い。熱闘が予想される決勝のスタートに向けたパレードラップは、午後2時35分開始予定だ。

ポール獲得を喜ぶ#12 GT-Rの星野一義監督(中央)とオリベイラ(左)、安田(右)。《撮影 益田和久》

ポール獲得を喜ぶ#12 GT-Rの星野一義監督(中央)とオリベイラ(左)、安田(右)。《撮影 益田和久》

GT500クラス予選2位の#46 GT-R。《撮影 益田和久》

GT500クラス予選2位の#46 GT-R。《撮影 益田和久》

GT500クラス予選3位の#1 GT-R。《撮影 益田和久》

GT500クラス予選3位の#1 GT-R。《撮影 益田和久》

GT300クラス予選1位の#55 BMW M6。《撮影 益田和久》

GT300クラス予選1位の#55 BMW M6。《撮影 益田和久》

GT300のポールを獲得した高木(左)と小林(右)。中央はARTAの土屋圭市エグゼクティブアドバイザー。《撮影 益田和久》

GT300のポールを獲得した高木(左)と小林(右)。中央はARTAの土屋圭市エグゼクティブアドバイザー。《撮影 益田和久》

GT500クラス予選4位の#17 NSX。《撮影 益田和久》

GT500クラス予選4位の#17 NSX。《撮影 益田和久》

GT500クラス予選5位の#15 NSX。《撮影 益田和久》

GT500クラス予選5位の#15 NSX。《撮影 益田和久》

GT500クラス予選8位の#19 RC F。《撮影 益田和久》

GT500クラス予選8位の#19 RC F。《撮影 益田和久》

GT500クラス予選10位の#36 RC F。《撮影 益田和久》

GT500クラス予選10位の#36 RC F。《撮影 益田和久》

GT300クラス予選2位の#21 アウディR8 LMS。《撮影 益田和久》

GT300クラス予選2位の#21 アウディR8 LMS。《撮影 益田和久》

GT300クラス予選3位の#51 フェラーリ488。《撮影 益田和久》

GT300クラス予選3位の#51 フェラーリ488。《撮影 益田和久》

GT300クラス予選4位の#61 BRZ。《撮影 益田和久》

GT300クラス予選4位の#61 BRZ。《撮影 益田和久》

GT300クラス予選5位の#4 メルセデスAMG。《撮影 益田和久》

GT300クラス予選5位の#4 メルセデスAMG。《撮影 益田和久》

GT300クラス予選6位の#31 プリウス。《撮影 益田和久》

GT300クラス予選6位の#31 プリウス。《撮影 益田和久》

ピットウォークは今回も多くのファンで賑わっている。《撮影 益田和久》

ピットウォークは今回も多くのファンで賑わっている。《撮影 益田和久》