春季フレッシュリーグ 対早大 2019年6月4日(月) 神宮球場 東大戦の敗戦から2日を間に挟んで行われた早大とのフレッシュリーグ。法大は先発の杉下裕哉(営2)が2回に4失点を喫するも、打線が着実に援護し、早大に食らいつく。2番手で登板し…

春季フレッシュリーグ 対早大
2019年6月4日(月)
神宮球場

東大戦の敗戦から2日を間に挟んで行われた早大とのフレッシュリーグ。法大は先発の杉下裕哉(営2)が2回に4失点を喫するも、打線が着実に援護し、早大に食らいつく。2番手で登板した小山泰生(文1)も好投を見せると、8回にその好投に打線が応え、同点に追いつく。しかし、直後の9回に再び勝ち越しを許してしまうと、その裏に反撃を見せることができず敗戦。好ゲームを見せたものの、これで2敗目を喫する結果となってしまった。

戦評

前回の東大戦でまさかの敗戦を喫した法大。今回はリーグ戦で出場した中原輝也(人2)、野尻光輝(営1)らもベンチ入りし、全員で勝利を目指した。

法大は初回、立大戦で猛打賞を記録した齊藤大輝(人1)が初球を中前へはじき返し出塁すると、その後連続の進塁打で2死三塁に。すると、4番・野尻の打席で相手投手がボークを犯し、三塁走者の齊藤大が生還。幸先よく先制に成功する。

法大の先発は立大戦で6回1失点の好投を見せた杉下裕哉(営2)。初回はテンポよく三者凡退で抑えるも、2回に早大打線につかまってしまう。1死一、三塁から7番・澤田健太朗の詰まった当たりが遊撃手の後ろへポトリと落ち、中前安打で先制を許すと、その後2死一、二塁としてから9番・橘内俊治に左越え3ランを放たれ計4失点。逆転を許し、主導権を早大に握られることとなる。

しかし、法大打線も淡泊に攻撃を終えることなく、早大に詰め寄る。2回に2死から好機を作ると、1番・齊藤大の押し出し四球で1点を返す。3回には5番・松田憲之朗の左翼線適時二塁打が飛び出し、これで1点差。早大に引き離されることなく、何とか食らいついていく。

左翼線適時二塁打を放った松田

点差を縮められた中、再び引き離しにかかろうとした早大打線を黙らせたのが、今日が神宮初登板となった小山泰生(文1)だ。3回から登板した小山は、「初登板で緊張した」という言葉とは裏腹に堂々とした投球を見せる。直球、変化球共に切れ味は抜群。さらに、厳しいコースにリズムよく投げ込んでいく。結果的に8回まで投げ抜き、許した安打はわずかに1本。二塁ベースを踏ませない完璧な投球で早大を圧倒する結果となった。

この投球に応えたい打線は8回、同じく好投を見せていた早大3番手・田中星流をついに捉える。先頭の後藤克基(法2)が中堅手の頭を越える強烈な打球を放ち、これが三塁打に。この好機で打席に入ったのはけがで1カ月前に復帰したばかりの小池智也(営2)だ。「あとはしっかり自分が(三塁走者を)返すだけ」という強い気持ちで打席に入ると、強烈な左前適時打を放ち、ついに同点に追いついた。

けがから復帰して間もない小池の左前適時打で同点に追いついた

しかし、9回に早大が意地を見せる。この回からマウンドに上がった石田旭昇(文1)が2死二塁からリーグ戦でも出場を果たした6番・蛭間拓哉に左越え適時二塁打を許し、早大が土壇場で勝ち越し。再び追いかける展開となってしまう。法大はその裏、先頭の代打・大柿廉太郎(法1)が四球で出塁するも、最後は松田が併殺に倒れ、試合終了。1点差で惜しくも敗戦となってしまった。

悔しい敗戦となったが、終始良い雰囲気を維持し、チームはまとまっている今季のフレッシュリーグ。優勝が厳しい現状ではあるが、明日からを連勝で飾り、法大の春を締めくくってほしい。 (山﨑有馬)

クローズアップ:小山泰生

「中学生の頃から六大学野球にあこがれていた」。小山泰生(文1)はそのあこがれの六大学のマウンドで躍動した。

3回表、2点ビハインドの場面で登板した小山は丸山壮史に中前安打を許したものの、そこからは無安打5奪三振と早大打線を圧倒。「初登板で緊張した」と試合後ダッグアウトで話した左腕は堂々たる投球を披露した。

福島・磐城高校出身の小山は同校出身の遠藤勇志(社2)らの影響もあり法大への進学を決意。現在、法大のリーグ戦メンバーは鈴木昭汰(キャ3)、新井勇太朗(営4)などの左腕はいるものの駒不足なのは否めない。今日のようなチェンジアップと真っ直ぐのコンビネーションで、相手打者を翻弄(ほんろう)するクレバーな投球を続けていけばリーグ戦に登板できる可能性も出てくるだろう。

「チームの優勝に貢献できたらなと思います」。そう冷静に語る小山。このルーキー左腕の活躍が法大に優勝旗をもたらす日は来るだろうか。(加瀬航大)

選手インタビュー

小山 泰生 投手
—今日の試合を振り返って

今日は初登板で緊張したんですけれど、自分の仕事をしっかりしようと思って全力で相手にぶつかっていこうと思って投げました。

—2点ビハインドでの登板、ベンチからの指示は
特になく、思い切って投げてこいと言われました。

—6回を投げて1安打でした
変化球も真っ直ぐもコースをつけて野手の皆さんや後藤さんに助けられながら自分のできることを精一杯やれたことが良かったかなと思います。

—法大に入った経緯
中学校の頃から六大学にあこがれていて、先輩も法大に行って活躍されているという情報が入ってきたので、自分も法大で(野球を)やって、先輩達と活躍したいという思いがあったので入学しました。

—先発、救援どちらでやっていきたい
自分的にはこだわりはないですね。中継ぎでも先発でも自分の仕事ができたらなと思います。

—リーグ戦メンバーは左腕が少ない状況です
先輩方に比べて、力不足なところがたくさんあるのでこれからチームに貢献できるように、しっかり練習を積んで、レベルアップしていきたいと思います。

—目標の選手は
DeNAの今永(昇太、横浜DeNAベイスターズ)投手とか、ソフトバンクの和田(毅、福岡ソフトバンクホークス)投手のようなキレで相手を押していく投球を目指しています。

—今後の目標
今後はリーグ戦で投げるというのが一番の目標で、そこで活躍してチームの優勝に貢献できたらなと思います。

—明日、明後日にもフレッシュリーグを控えます
今日は負けてしまったんですけれど、残り2試合しっかり粘り強く戦って、法大らしい勝ち方ができればなと思います。


後藤 克基 捕手
—今日の試合を振り返って

序盤、ああいう形で展開的にも厳しい展開になってしまったんですけれど、2番手の小山が初登板の中で、緊張の中でよく投げてくれたなというのはあります。それに応えたいという思いがあったんですけれど、1点取られて勝ちきれなかったというのは日ごろの練習のつめが甘かったのかなと思います。

—小山選手をリードしていて
チェンジアップとスライダーが相手打者が全然合っていない感じだったので、それをうまいこと使って真っ直ぐも生きるような配球ができたかなとは思うので、しっかり腕を振って投げてくれたなと思います。

—三塁打含む2安打を放ちました
1打席目はああいう形(投手への内野安打)での安打だったんですけれど、2打席目から捉えてはいるけれど力が伝わらないという打球が多くて、ちょっと体が開き気味かなというふうには思ったので、それを修正しながら最後打席に入りました。いいところに飛んでくれたというか、ボールに力が伝わったのかなとは思います。

—リーグ戦は出場できず、悔しい思いもあると思います
悔しさもあるんですけれど、自分の持っているものを出すにはこういう機会というのが一番かなと思うので、悔しさをフレッシュリーグでどれだけ出せるかというのはかぎになってくるんじゃないかなと思います。

—今後の目標は
リーグ戦で活躍するのが一番にはあるんですけれど、その中の過程というのを大切にしていきながらやっていきたいです。

—明日、明後日に向けて
自分の打撃というのを神宮球場で発揮できたらいいなと思います。


松田 憲之朗 内野手
—今日の試合を振り返って

(3回の打席で)タイムリーを打てたんですけど、その前にもチャンスで回ってきていて、フォアボールで出られて良かったとは思うんですけど、クリーンナップを打たせてもらっているので、自分がそこで打てたら、チームも流れに乗って勝てたのかなと思います。明日からの試合はチャンスをものにするように自分の中で意識してやろうと思います。

—3回の打席を振り返って
ランナーが一塁の状況だったので、ランナーを返すというよりはつなぐという気持ちで打席に入りました。一打席目にチェンジアップで三振していたんですが、(この打席では)そのボールが来た時に自分で反応して、レフト戦に落とせたので良かったと思います。

—一塁走者の野尻選手はスタートを切っていました
エンドランではないんですけど、ランナーの野尻が単独でスチールをして、結果的にタイムリーになりました。

—その後の2打席は粘って四球となりましたが、やはり仕留めたかった
そうですね。ファールが何球もあって、厳しいボールをファールにするのは良いんですけど、甘いボールをファールにしてしまうということが1、2球あって、ヒットにしたかったなという思いがあります。

—守備面では、立大戦で失策を記録した中で今日は好守を見せました
もともと(高校時代は)ショートとサードをやっていて、今回のフレッシュリーグからファーストになりました。なかなか経験のない守備位置ですが、それを言い訳にしたくはなかったので、自分で練習の中から、基本に忠実になってやろうと意識してやりました。

—最終回の打席を振り返って
変化球に張っていたので、初球の真っすぐは見逃したんですけど、旧目の変化球のボール球を振ってしまって、そこからセンターに返そうという意識に切り替えました。結果的にセンター方向に打球は飛んだんですけど、ゲッツーになってしまったので、今日、帰ってからはスイングのイメージを作りながらやり直したいなと思います。

—明日、明後日に向けて
フレッシュリーグを優勝することは厳しくなったんですけど、やっぱり、チームのやるべきことをしっかりやりたいです。プラス、自分が置かれている立場とやらなければいけないことをきっちり意識した上で勝ちに行きたいなと思います。


小池 智也 外野手
—今日の試合を振り返って

今年の3月に手の手術をして、復帰したので先月だった状況の中で使ってもらえたので、何とかして結果を残そうという思いで試合に臨みました。

—けがによってどのくらいのブランクがあったか
1カ月と少しはバットが握れない状態が続きました。その中で腐らないでやってきた結果が今日出たので良かったです。

—その結果が8回の同点適時打という形で出ました
前の後藤がスリーベースを打って、打ちやすい状況にしてくれたので、あとは自分がしっかり還すだけだと思って打席に入りました。

—その後は走塁ミスがありました
あそこに関しては、自分自身の練習不足の面を感じました。

—途中出場となりましたが、どのような準備をしていたか
途中から出場することはわかっていたので、しっかりと気持ちを作ってベンチで(試合を)見ていました。

—現在のチームの雰囲気は
2年生と1年生がすごく仲が良くて、良い意味で明るくできていると思います。

—明日、明後日に向けて
今日は負けてしまったのですが、とりあえず、明日の明治戦で勝てるように全員で頑張っていきたいと思います。

フォトギャラリー

先発した杉下
右前打を放った中村泰
3回から登板し、圧巻の投球を見せた小山
攻守交代時に明るく選手を迎え入れるベンチの面々
左中間二塁打を放った大本
今季ここまで打率.714と絶好調の齊藤大
8回の先頭で中越え三塁打を放ち、ガッツポーズを見せる後藤
蛭間に左越え適時二塁打を許し、険しい表情を見せる石田