PROFILE 髙田真希(たかだ・まき)1989年8月23日生まれ、愛知県出身。強靭な体を生かしたリバウンドの要であり、柔らかいシュートタッチと力強いドライブで得点を重ねるパワーフォワード。今シーズンは得点力がアップしており、渡嘉敷、間宮、…

PROFILE 髙田真希(たかだ・まき)1989年8月23日生まれ、愛知県出身。強靭な体を生かしたリバウンドの要であり、柔らかいシュートタッチと力強いドライブで得点を重ねるパワーフォワード。今シーズンは得点力がアップしており、渡嘉敷、間宮、王とのインサイドのコンビネーションプレーが期待される。Wリーグでは得点王を4回受賞。愛称はリツ。

今年27歳、まだまだ成長を続けるパワーフォワード

この夏、27歳を迎える髙田真希は、第二次成長期を迎えている。今年になって代表チームのポイントゲッターになっており、これまで以上に積極的で『巧さ』のあるプレーでチームを牽引している。

5月のオーストラリアとの国際強化試合の時から、その得点力は光っていた。この時は合宿開始から間もないということで、多くの選手が「試合勘のなさ」を口にして動きが鈍かった。そんな中で髙田だけがFIBAランキング2位の強豪を相手にしても、ドライブやミドルシュートを決めて3試合連続2ケタ得点を挙げていた。5月下旬からのヨーロッパ遠征でもその得点力は光り、内海知秀ヘッドコーチは「髙田の存在は本当に頼もしい」と言うまでになっていた。

もちろん、昨シーズンのWリーグにおいて、2年ぶり4回目の得点王を獲っていることからも、髙田がポイントゲッターであることに驚きはないのだが、得点の取り方の巧妙さに、一回りバージョンアップした成長を感じさせるのだ。もともと駆け引きが上手な選手だったが、判断がさらに良くなったことで、スペースの使い方の巧さが目を引く。

バージョンアップの理由として考えられるのは、昨シーズン、所属クラブのデンソーにて、184cmのルーキー赤穂さくらとインサイドでコンビを組んだことによる影響だ。4番(パワーフォワード)を中心に、時には5番(センター)のどちらでも攻め、なおかつルーキーでスタメンを務める後輩の面倒を見る気配りをすることで、自身のプレーの幅を広げていた。そして最大の要因は、細かい技術を習得したことだろう。

髙田に話を聞くと、昨シーズンまでデンソーで指導していた竹田謙コーチ(新シーズンよりBリーグの横浜ビー・コルセアーズで選手として復帰)に個人練習の際につきっきりで指導を受けたことが実になっているという。

「体の当て方やディフェンスの見方、プレーの緩急の付け方、ステップのしかたなど、すごく細かい部分までチェックしてもらって練習しました。その成果が出てきたのか、周りが見えるようになって、ディフェンスを見て『この技で攻めてみよう』とか、考えられる余裕が少しできたように思います」

髙田は中学までバスケと並行して空手をしていたおかげで、人一倍、当たりの強靭な体を持っている。そんな髙田が強い体をベースにして細かいスキルアップに取り組むことにより、27歳を迎える今でも技量が伸びていることは、Wリーグの選手たちにとっても見本となるのではないだろうか。

ここに来て身に着けた細やかな技術が元々の強靭なフィジカルと合わさったことで、髙田はより完成度の高いプレーヤーとなりコート上で結果を出している。

やっぱり4番(パワーフォワード)がしっくりくる

いつの間にか、代表歴が吉田亜沙美の次に長くなった髙田だが、43年ぶりの優勝をした2013年のアジア選手権はケガのために出場していない。2012年の8月、シーズン前の練習で右足の甲を骨折したためだ。

復帰時期を早まったこと、手術後のリハビリが長引いたことで、丸1シーズンプレーできない状態が続いた。その間、チームはプレーオフ進出を逃したため、当の本人はさぞや落ち込んでいるのかと思いきや、自身の状況をしっかりと受け止めていた。

「ケガをするまで毎年のように代表活動をしていたので、正直なところ体がキツかったんです。思えば、オフの間にしっかりと身体作りをしたことがなかったんですよね。今はケガをしたことを悔やまず、身体作りの時間にしたい」と語り、じっくりとトレーニングに時間を費やしてきた。

その後、2014年の世界選手権で日本代表に復帰した髙田は、間宮佑圭や渡嘉敷来夢とともに最強のフロントラインを形成するが、ここで髙田は人生で初となる3番(スモールフォワード)にコンバートされる。プレーの幅を広げる意味では3番を経験したことは良かったが、実際には、シュートレンジがそれほど長くないインサイドの3人が同時にコートに立つことはバランスが悪く、チーム作りもしっくりこなかった。髙田はミドルレンジからのシュートやドライブ、リバウンドの強さを武器とした選手であり、やはり4番でこそ輝く。その答えに行きついた今こそ、ここ数年間積み上げてきた体作りとスキルアップを発揮する時なのだ。

試行錯誤した時期もあったが、そのすべてを糧として成長を続け、リオ五輪へとたどり着いた。

渡嘉敷の合流後、インサイドでタイムシェアができる強み

4月からの4カ月間、髙田は間宮とインサイドのスタメンを組み、得点を重ねてきた。だが、WNBAでプレーしていた渡嘉敷が合流すると、髙田はその座を同じポジションで193cmある渡嘉敷に譲らなくてはならない。しかし本人は、そのことは意に介していない。

「タク(渡嘉敷)がいない時に自分が4番のフォーメーションをできなければ、チームとしての動きが作れないわけだから、自分の動きが大事になると思って頑張ってきました。それに、タクだって40分間出るのはキツイ。私は4番も5番も練習しているので、タイムシェアすることになればプレータイムは今までとそんなに変わらないと思う。出ている時間に自分の役割をしっかりやることが大事です」

今シーズン、一番好調である髙田がベンチから出てくるシックスマンとなれば、日本にとってこんなに心強いことはない。ディフェンスではフィジカルコンタクトの面で頼りになり、オフェンスではタフショットを打たされてもファウルを誘うことのできる技量がある。スタメンでもベンチスタートでも、4番でも5番でも、インサイドでマルチな働きをする髙田のプレーは、この夏、日本がリオで輝くためのカギとなる。

4番でも5番でも、インサイドでマルチな働きのできる髙田がシックスマンを務めることは、日本代表の大きな武器となる。

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