文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

「また険しい道を一歩一歩進む旅がはじまります」

千葉ジェッツは今日、大野篤史ヘッドコーチの続投を発表した。

大野は現役引退後、パナソニックトライアンズと広島ドラゴンフライズでアシスタントコーチを務め、Bリーグ初年度の2016年に千葉ジェッツのヘッドコーチに就任。NBLでは中堅クラブでしかなかった千葉に、ハードなディフェンスと攻守の切り替えを重視したオフェンスを植え付けて、一気に強豪クラブへと引き上げた。

最初の2年間は戦う意識、チームとしてどうあるべきかの『幹』作りに注力しつつ、天皇杯連覇を達成。3年目の今シーズンはディティールにこだわり、チームとしての完成を目指した。結果としては天皇杯では3連覇を果たしたものの、Bリーグでは2年連続でファイナルで敗退。悲願のBリーグ初優勝は果たせなかった。

それでも「1年を通して積み重ねてきたことはファイナルの1試合で否定されるものではない」というのが大野の考え方。ファイナルで敗れた後も、敗戦を悔しがると同時に、自分たちがやってきたバスケットに対しては胸を張った。

実際、契約延長に際してクラブを通して「天皇杯の3連覇、東地区の2年連続優勝、レギュラーシーズンにおけるリーグ最高勝率の達成等、実りの多いシーズンを過ごせた」とのコメントを寄せている。

この3年間はすべて成功のシーズンと言えるだけの成果を残してはいるが、まだヘッドコーチとしては3年目を終えたところ。チームとともに成長していくのが大野のスタイルだ。「2019-20シーズンは、そんな彼らにふさわしいヘッドコーチとして、私もさらに成長していかなければいけないシーズンになると思っています。また険しい道を一歩一歩進む旅がはじまりますが、『皆さんと最後に笑って終わる』ためにも、一から始めるつもりで精進して参ります」

何人か主力選手の退団が決まっている千葉だが、エースの富樫勇樹と指揮官である大野の残留は新シーズンの成功に向けた一つの保証となる。