文=鈴木栄一 写真=野口岳彦

「練習したことをしっかりコートの上で出せました」

バスケットボール女子日本代表は、2019年初の対外試合となった5月31日と6月2日に行われたベルギー戦で連勝を収めた。今回の日本代表では新顔の奮闘が目立ち、センターの梅沢カディシャ樹奈もポシティブな印象を与えてくれた。

今回ベルギー代表は193cmのエマ・メッセマンが、WNBAワシントン・ミスティクスでプレー中のために帯同していなかった。昨夏のワールドカップで1試合平均18.5得点、10.7リバウンドを記録した彼女が不在だったことで、ゴール下の迫力を欠いたのは否めない。ただ、そうは言ってもサイズのある選手は揃っており、その中でもフル代表デビューとなった梅沢が相手にインサイドで主導権を与えることなく渡り合えたのは大きな収穫だった。

梅沢は、代表デビュー戦でのパフォーマンスをこのように振り返る。

「練習したことをしっかりコートの上で出せました。ディフェンスで、『こう守らないといけない』と指示されていたことをできましたし、リバウンドもちゃんと取れたと思います。ただ、ボールをもらった時に焦ってしまい、すぐにドリブルをして周りをしっかり見られてない時がありました。そこはもうちょっと落ち着いてプレーできれば良かったです」

高卒2年目でJX-ENEOSの先発、そして日本代表へ

189cmの彼女は昨シーズン、高卒2年目にて女王JX−ENEOSサンフワラーズで先発に抜擢され、前人未到のWリーグ11連覇に貢献。193cmの渡嘉敷来夢と一緒にプレーしていることもあって、マッチアップではサイズで有利に立てていた。だからこそ、「いつもできない相手とやれて良い経験になった。すごくプラスになりました」と、自分と遜色ない高さのベルギーとプレーできたことは収穫だった。

「大きい相手に対し、外からのシュートやスピードのあるドライブがもっと上手くできれば通用すると思うので、これからもっと楽しみです」と、世界の高さを体感できた手応えを語る。

「楽しみです」というポジティブな感想を得られたのは、代表デビューとなっても「トムさんに言われた通りにやれば大丈夫と信じていたので、思ったより緊張はしなかったです」という自信があったからだ。

そして、この自信はJX-ENEOSで1シーズン主力としてプレーできたことで得られた部分が大きい。「Wリーグで、スタートとして出させてもらいました。この経験をできたことで今、上手くなれてきている。そこは本当に繋がっています」

もっとも、東京オリンピックへ向けた過酷なサバイバルレースは始まったばかり。上々のスタートを切ったとはいえ、梅沢はさらなるステップアップへ貪欲な姿勢を示す。特に意識しているのは、「ずっとパワーを生かしてプレーしようと言われています。自分の強さを生かしつつ、もっとシュートレンジを広げて決めていきたいです」と、トム・ホーバスの下ではすべてのポジションの選手に求められる外角シュート力を磨くこと。

サイズと運動能力というポテンシャルは十分。経験を積んで冷静にプレーできるようになること、アウトサイドでのシュートを身に着けること。この2つをクリアすれば、日本代表のインサイドにおいて不可欠なプレーヤーになれるはずだ。