南半球のクラブ王者を決めるスーパーラグビーの決勝が、8月6日にウェリントン(ニュージーランド)のウエストパック・スタジアムでおこなわれ、レギュラーシーズンを1位通過したハリケーンズが南アフリカのライオンズを20-3で下し、初優勝を遂げた。…

 南半球のクラブ王者を決めるスーパーラグビーの決勝が、8月6日にウェリントン(ニュージーランド)のウエストパック・スタジアムでおこなわれ、レギュラーシーズンを1位通過したハリケーンズが南アフリカのライオンズを20-3で下し、初優勝を遂げた。昨年もホームで決勝を戦いながら栄冠を逃したハリケーンズだったが、2年連続3回目のファイナル挑戦でついに悲願のタイトル獲得となった。

 ハリケーンズは今季、コンラッド・スミス、マア・ノヌー、ベン・フランクスという、ワールドカップ連覇を果たしたニュージーランド代表のビッグネームが欧州クラブへ移籍し、戦力ダウンが懸念された。さらに、昨年のワールドラグビー年間最優秀新人賞を受賞したWTBネヘ・ミルナースカッダーはシーズン前半に左肩を脱臼し、戦列に戻ってくることはなかった。しかし、クリス・ボイド ヘッドコーチのもと、若い選手だけでなくシニア層もバランスよく力を伸ばしてチームは充実。特に、鉄壁のディフェンスは決勝でも威力を発揮した。
 準々決勝はシャークスに41-0、準決勝はチーフスに25-9と快勝しており、プレーオフ3試合すべてノートライに抑えるという堅い守りだった。

 決勝は前半3分、初のファイナル進出となったライオンズがPGで先制チャンスだったが、SOエルトン・ヤンチースが失敗し、勢いに乗れなかった。
 逆にハリケーンズが11分、SOボーデン・バレットのショット成功で先行する。その5分前のハリケーンズの鮮やかなアタックは、一連の流れのなかでノックオンがありトライは認められなかったが、先に得点してムードをよくした。

 時折強い雨も降った難しいコンディション。ライオンズはハイパントキックも多用して敵陣を脅かしたが、ハリケーンズは前に出るディフェンスでプレッシャーをかけ、崩れなかった。

 守りで流れをよくしたハリケーンズは21分、敵陣深くで、相手CTBライオネル・マプーのキックをWTBコーリー・ジェーンが近距離でダイレクトキャッチし、そのままゴールに持ち込み10-0とする。

 早めに点差を詰めたいライオンズは、25分にPGで得点し、34分には敵陣深くで得意のスクラムという好機を迎えたものの、逆にハリケーンズのFWが押し返し、ターンオーバーで場内が沸いた。

 10-3で迎えた51分(後半11分)、ハリケーンズはPGで加点し、10点差。
 ライオンズは63分、PGで得点チャンスだったが、ヤンチースがほぼ正面のショットを外し、反撃開始とはならなかった。

 すると68分、ハリケーンズが勝利を大きく引き寄せるトライを決める。敵陣深くでのラインアウトをスチールされたものの、ルーズボールを途中出場HOリッキー・リキテリが足にかけてインゴールに転がし、SOバレットが先に押さえてトライが認められた。

 最後まで堅守を続けたハリケーンズ。レギュラーシーズンだけでなくノックアウトステージでも強さを発揮し、堂々のスーパーラグビーチャンピオンとなった。