今年の東京六大学春季リーグ戦。早大は7勝6敗、勝ち点3の3位でシーズンを終えた。課題が多く残る春であったが、その中で大きな収穫もあった。特筆すべきは、、、、の4選手がベストナインに選出されたことだ。9枠中、4枠を早大勢が埋め、チーム最多の選出となった。本コラムでは、選出された4人の今季を振り返る。

☆加藤雅樹:外野手


 実に4季ぶりの栄誉だ。加藤が、2017(平29)年春以来となる、自身2度目のベストナインを受賞した。今季の最終成績は、打率3割9分6厘、3本塁打、12打点。満票での選出は、森下暢仁(明大4年)と加藤の二人だけだった。惜しくも4厘差で、2度目の首位打者こそ逃したが、打率はキャリアハイを更新。「前の自分を超えられた」と手応えを口にした。
 しかし一方で、悔しさも残った。本塁打と打点は、ともに自身のキャリアハイにあと『1』届かず。特にこだわりを見せていた打点は、開幕から4カード連続で記録していたが、早慶戦では記録できなかった。また、早大から4人のベストナインが選出されたことについても、「よく頑張ったと思うと同時に、4人もいて3位か、という気持ちがある」と吐露。収穫と課題が明確となったシーズンだった。

(記事 望月優樹)

コメント

 「2年春に受賞できて、そこから獲れないシーズンが続いていたので、そこに関しては良いことだと思っているんですけれども。2季連続でベストナインを獲ることに意味があると思うので、通年で活躍して、また秋に獲れるようにやっていきます。(受賞理由については)分からないですけど、満票というかたちだったので。すごくありがたいという気持ちです。(早大から四選手が選出され)すごく喜ばしいことだと思います。9分の4(受賞選手9人中、4人が早大の選手)ですから。みんなよく頑張ったと思うと同時に、「4人もいて3位か」という気持ちもあります。なぜ勝てなかったのか、もう一度詰めていきたいと思います」

☆小藤翼:捕手


 「緊張感がすごかった」。春を終え、小藤はそう話した。1年秋ぶりに正捕手として過ごした今季。プレッシャーを感じながらも懸命に投手陣を引っ張ってきた。チーム防御率2.33(リーグ2位)いう結果には、小藤の活躍も大きく絡んでいる。一方課題の打撃でも、打率3割8厘を記録。目標としていた打率4割には届かなかったが、捕手としての働きも加味すれば、十分といえる結果だろう。
 しかし、ここまで決して平たんな道のりだったわけではない。過去4季は攻守ともに精彩を欠き、思うような結果を残せずにいた。苦しんだその時間、支えになったのは道端俊輔(平28スポ卒=現明治安田生命)の言葉。「勉強になるいい機会だと思うから、プラスに考えてやっていった方がいい」。出場できない間もこの言葉を胸に真摯(しんし)に野球と向き合ってきた。その積み重ねが、今季の好成績、そして自身初のベストナイン受賞につながったのだ。しかし、ここで終わる選手ではない。秋こそは目標の4割、10打点、3本塁打、そしてなによりリーグ優勝達成へ――。『小藤革命』はまだ始まったばかりだ。

(記事 金澤麻由)

コメント

 「自分の中でベストナインを獲ることを1つの目標としていたので、獲得できたことはすごくうれしいです」

☆檜村篤史:遊撃手


 今季の目標を『初のベストナイン獲得』と定めていた檜村。勝負強い打撃に加え、失策は1つのみという抜群の安定感を誇る守備力を武器に念願の初受賞となった。
 3月の沖縄キャンプ中から、徳武定祐コーチ(昭36商卒=東京・早実)の「上からバットを出す」というアドバイスに従い、打撃フォームを工夫してきた。そのひたむきな努力が実を結び、開幕戦から2ラン本塁打を含む3安打を記録し、上々の滑り出しをみせる。その後も安定した打撃で安打を重ねた結果、早慶戦を前に打率は3割9分4厘と、大台の4割に迫った。
 しかしその早慶戦では、盤石な慶大投手陣を打ち崩すことができず、3試合でわずかに1安打。今季の最終打率は3割1分8厘と、同じ遊撃手の福田光輝(法大4年)のそれを下回った。「優勝、打率、全て一番になって受賞できるようにしたい」。現状に満足せず、秋のさらなる躍進を誓った。

(記事 村上萌々子)

コメント

 「(東京六大学春季)リーグ戦が始まる前からベストナインを獲りたいと思っていたので、ベストナインを始めて獲ることができて良かったです。やはり早慶戦を終えてみたら、打率は3割1分8厘と法政の福田光輝選手(4年)の方が打っているので、秋は打率でも優勝という部分でも、自分が六大学野球の中で一番になってベストナインを受賞できるようにしていきたいです」

☆瀧澤虎太朗:外野手


 今春の早慶戦を語る上で欠かせない男がいる。今や不動のリードオフマンとなった瀧澤だ。1回戦では相手先発・髙橋佑樹(4年)が汗を拭う隙に本盗。また同点に追い付かれた後には、決勝の中越え本塁打を放ってみせた。まさに、瀧澤がいなければつかめなかった勝利だろう。そして2回戦では8回、相手投手の暴投の間、二塁から一気に生還。それまで零封されていた早大は、一矢報いるかたちとなった。
 好走塁を瀧澤が見せたのは、早慶戦が初めてではない。立大2回戦でも、同じく暴投の間に本塁への生還を果たした。常に相手のミスを狙う集中力、走力、判断力、全てがそろっていないとできないことだ。そして出塁することができなければ、それらの力は生かされない。今季の瀧澤は開幕戦から慶大2回戦までの間、12試合連続で安打を記録し、安定して出塁を重ねてきた。その打撃センスは小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)も認めるところである。
 そんな瀧澤は、今季初めてベストナインを獲得。瀧澤以外に選出された8人は全員4年生だ。「うれしい」と口にする一方、首位打者を逃したことに関しては「非常に悔しい」と喜び切れない様子。今春の開幕前に掲げた目標は打率4割、出塁率5割。ハイレベルな数字であったが、春の活躍ぶりを見れば、秋での達成は決して不可能ではないだろう。さらなる高みを目指す瀧澤の成長は、まだまだ止まらない。

(記事 今山和々子)

コメント

 「シーズン始まる前はまさか自分が獲れるとは思っていなかったのでうれしいです。あとは首位打者を狙える位置にあったので、そこを獲り切れなかったことは非常に悔しいです」

 

ベストナイン

▽選出された選手一覧(※は受賞回数)

投 手:森下 暢仁(明大4年)※初

捕 手:小藤  翼(早大4年)※初

一塁手:喜多 真吾(明大4年)※初

二塁手:添田 真海(明大4年)※初

三塁手:安本 竜二(法大4年)※初

遊撃手:檜村 篤史(早大4年)※初

外野手:加藤 雅樹(早大4年)※②

外野手:瀧澤虎太朗(早大3年)※初

外野手:宇草 孔基(法大4年)※初