8月6日に始まるリオ五輪のテニス競技はドロー抽選が行われ、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が2009年全米オープン優勝者のフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)と対戦することが決まった。これは2012年ロンドン五輪の銅メダルを…
8月6日に始まるリオ五輪のテニス競技はドロー抽選が行われ、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が2009年全米オープン優勝者のフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)と対戦することが決まった。これは2012年ロンドン五輪の銅メダルを巡る対戦と同じ顔合わせだ。
デル ポトロの世界ランキングは、左手首の故障で3度の手術を強いられたあと145位にまで下がった。しかし復帰後、2年半ぶりのグランドスラム大会となった先月のウィンブルドンで、彼は第4シードのスタン・ワウリンカ(スイス)を倒して実力的に健在なところを見せている。
デル ポトロは4年前のロンドン五輪でジョコビッチを倒し、銅メダルを獲得していた。
12度にわたりグランドスラム大会で優勝している世界1位のジョコビッチは、初のオリンピック金メダル獲得を目指している。無事に1回戦を突破して勝ち上がっていったと仮定した場合、ジョコビッチは準決勝で第3シードのラファエル・ナダル(スペイン)と対戦する。そのナダルは2008年の北京五輪の金メダリストだが、彼は左手首の故障のため5月の全仏オープン3回戦を棄権して以来一度も大会でプレーしていない。
2012年ロンドン五輪の金メダリストであるアンディ・マレー(イギリス)は順当に勝ち上がれば、準決勝で第4シードの錦織圭(日本/日清食品)と対戦する可能性がある。ウィンブルドンで優勝したばかりのマレーの1回戦の相手は、35位のビクトル・トロイツキ(セルビア)だ。
「トロイツキはシードされていない選手の中で、かなり強いほうだ」とマレー。「彼はハードコートが好きでファイターでもあり、動きもいい。間違いなく初戦としては非常に厳しいものだよ」。
女子のドローでは、第1シードでロンドン五輪の金メダリストでもあるセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が準決勝で姉ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)と対戦する可能性がある。また、ドローのセレナの側には、全仏オープンの決勝で彼女を破ったガルビネ・ムグルッサ(スペイン)もいる。セレナが準々決勝で対戦し得るのはロベルタ・ビンチ(イタリア)だ。この対戦は昨年の全米オープン準決勝と同じで、セレナはビンチに敗れて年間グランドスラム達成の夢を断たれた。
ウィンブルドンの女子ダブルスで優勝したばかりのウイリアムズ姉妹はリオ五輪で第1シードとなり、4度目の金メダルを狙っている。
大会は土曜日に始まるが、開会式でイギリスの旗手を務めるマレーは日曜日まで試合がない。マレーはまた、シングルスだけでなく兄ジェイミーと組んだ男子ダブルスでも第2シードとなっている。ジェイミーは、いつものダブルスパートナーであるブルーノ・ソアレス(ブラジル)とペアを組んで、今年の全豪オープンで優勝している。
アンディは「五輪のシングルスとダブルスは、同等の重要性があると考えている」と話す。
マレー兄弟は男子ダブルスの1回戦で、トーマス・ベルッチとアンドレ・サのブラジル人ペアと対戦する。
「地元選手だから、観客はかなり活発だろうね」とジェイミー。「これはタフな相手だよ。それに言うまでもなく彼らは母国での五輪に鼓舞され、士気を高めていることだろう。彼らがとりわけいいプレーをしてくることを予想している」。
ワウリンカとロジャー・フェデラー(スイス)は国を代表してダブルスをプレーすることになっていたが、この双方が故障のためリオ五輪出場を取りやめ、大会は上位4人のうちのふたりを失うことになってしまった。ジョコビッチ、マレー、ナダルらのスターたちが参加しているとはいえ、全体的に見てトップ20の半数が様々な理由からリオ五輪に出場しないことになった。
マレーはもしフェデラーとワウリンカの故障がなかったら、ここ10年のグランドスラム大会覇者の全員がリオに来ていただろう、と主張した。
「残念なことだ。ロンドン五輪は本当に強豪が揃っていたから…」とマレー。「いくつかの故障と起こり得る健康の問題への懸念(ジカウイルス)のせいで、今回は強豪の出場率が少し落ちてしまった。各々考え方は違う。僕にとってのオリンピックはダントツで最大のスポーツイベントであり、僕は自分の国を代表することをすごく誇りに思っている」。(C)AP