早慶戦を週末に控えた水曜日の昼休み。夏が感じられる快晴の下、早稲田キャンパス3号館前にて、慶応大学応援指導部との早慶戦前合同デモンストレーションステージ(デモスト)が開催された。伝統の一戦に向けて、4年生リーダーは早慶戦限定の白地にエンジの横縞が入ったセーターと「打倒慶應」のハチマキ姿で現れ、4年生チアリーダーズは4年生のみ着用できる衣装・『ユニフォームセット』に身を包んでいた。他大学との合同デモストよりも多くの観客が年齢や性別に関係なく集まり、早慶戦への注目度の高さがうかがえる。デモストでは、早慶戦ならではの楽曲やパフォーマンスが多く披露され、観客を楽しませた。

  第一応援歌・『紺碧の空』からデモンストレーションは開始。小野興連盟常任委員(政経4=東京・世田谷)がセンターリーダーを務めた。続くのはもちろん慶応の第一応援歌・『若き血』である。そして、チアリーダーズの演技は野球応援でも披露される『サクラ咲け』である。この楽曲でのチアリーダーズの動員人数は、普段のデモストよりも多く、スタンツの組数も増えた。「人数が多い早稲田って言われるんですけど、それを逆に強みとして活かしたデモンストレーションにできたかなと思います」と松本莉加子チアリーダーズ広報責任者(政経4=Nicholson Catholic College)が話すように、大規模なスタンツや新しい技なども披露。観客席からは大きなどよめきが上がり、早くもデモンストレーションの目玉であるかのような盛り上がりを見せた。『Blue Sky WASEDA/KEIO』は清水泰貴副将(文構4=東京・海城)と慶大のリーダーがセンターリーダーを務め、観客の拍手の中、二人が向かい合う部分では、目線と声、テクで互いの気迫を伝え合った。


早慶戦限定のセーターを着用し『紺碧の空』のテクを振る小野

  続いて慶応と早稲田がそれぞれの学注や応援曲を披露。『ダッシュケイオー』に始まる慶大のメドレーでは、早稲田の4年生リーダーがステージ上座から敬意を持ってライバルのパフォーマンスを盛り上げた。4年生リーダーの人数の多さや有り余る熱気に、谷下豪(政経3=東京・早大学院)「(慶応を)一蹴いたします!」と宣言する。続く今瀬憲新人監督(政経4=県立岐阜)の学注にも沸き、早稲田の応援曲メドレーでは、2週間前の早法合同デモストで使用された『雷轟』も使用された。自然で迫力満点の演奏は、吹奏楽団がステージの後列でも存在感を示す理由であろう。リーダー4年生7人による『コンバットマーチ』は、人数の多いこの学年ならではの勢いがあり、観客に向けて放たれる突きは鋭い。


チアリーダーズの『サクラ咲け』

 
 メドレーの後は、早慶戦に向けての『早慶賛歌ー花の早慶戦ー』である。小宮佑一朗・応援企画責任者(法4=東京・早稲田)が慶応のリーダーと共にセンターリーダーを務める。両校のテクが異なり、観客も互いに肩を組んで歌を口ずさみながら楽しむことが出来る伝統の応援曲だ。『Blue Sky WASEDA/KEIO』と同様、センターリーダーが向かい合ってのパートでは、相手の気合をしっかりと受け止めた。早慶両校が肩を組んで互いの健闘を称え合うと、リーダーに促された観客も肩を組んで歌のアーチを完成させた。早慶戦でも行われる『早慶賛歌ー花の早慶戦』は、応援文化の継承を感じさせる。最後は下田博代表委員主将(政経4=東京・早稲田)が学ラン姿になって『早稲田大学校歌』を振り、早慶戦への期待を高めた。主将としての覚悟が伝わる、堂々たるテクである。


学ラン姿でデモストのトリ『早稲田大学校歌』のテクを振る下田

 「早稲田は慶應に勝つというのが至上命題」と小野が語るように、応援部の各パートは早慶戦に向けて特訓を重ね、心身共に削るようにして早稲田の勝利に向かって前進してきた。早慶戦応援には、他の野球応援とは違った緊張感がある。応援部の慶大に対する勝利への執念やこれまでに流した数々の汗や涙が、伝統の早慶戦を他のゲームから一線を画す存在にしている。残念ながら令和元年春季リーグの早慶戦は優勝決定戦ではない。だが、応援部にとって、早稲田が慶応に勝利することは非常に大きな意味を持つ。「最後の春季早慶戦」に臨む、下田率いる応援部4年生。『早稲田の栄光』でこの春を終えたい。 

(記事 馬塲貴子、写真 西杉山亮、町田華子)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

コメント

春山尚輝副将・吹奏楽団責任者(創理3=茨城・江戸川)

――今回のデモストはいかがでしたか

慶応の吹奏楽団のメンバーも4年生を中心に混ざってくれて、同期ですし交流もあるので、楽しくやることが出来たと思います。

――野球部に直接の応援はされましたか

先日、3パートでの総合練習を東伏見でやったんですけど、そこに野球部の方々に来ていただいて、「応援頑張るので、早慶戦ぜひ優勝してください」という風にお伝えしました。

――早慶戦限定での演奏のために練習をしている曲目などがあれば教えてください

早慶戦の試合中は基本的にいつもと同じなんですが、試合前の企画などでチアリーダーズが披露するために特別に練習している曲などがあります。内野と外野に部員が分かれて応援をするので、同じ曲を同時に演奏して一体感のある応援を届けられるよう練習を積んでいます。

――内野と外野で分かれての演奏では、どのように連携を取られますか

内野と外野にそれぞれ一人ずつ指揮者がいるのですが、その間に中継指揮を置いて、中継指揮が両方の指揮を統括するという形で演奏をします。

――早慶戦に向けて意気込みをお願いします

早稲田の野球部は、結構打ちはするんですがそれが、得点につながらないという苦しい状況なんですね。このような場面で選手を後押しして、(チャンスの時に演奏される)『コンバットマーチ』をたくさん流して(得点時に演奏される)『紺碧の空』につなげるのは私たち応援部の力もあると思います。なので、吹奏楽団は音で直接、野球部にエールを届けられるように頑張ります。また、自分にとって春の早慶戦は最後なので、早稲田が優勝できるよう後押ししたいです。

小野興連盟常任委員(政経4=東京・世田谷)

――『早慶賛歌ー花の早慶戦ー』を最高学年として聴かれた感想はいかがでしたか

4年生として、最高学年として、また早慶戦の応援の全ての責任を取る立場として聴くと、早稲田と慶応の伝統を感じましたし、両校の生徒が(伝統への思いを)共有してくれたらいいなと感じました。

――本日4年生が着られていたセーターについて教えてください

早慶戦のみ着用しています。早稲田と慶応がそれぞれ『W』と「K」とあしらったセーターを着用して応援しています。やはり特別な試合なのでそのような装いにしています。

――早慶戦に向けて、リーダーで特別な練習などはなさいましたか

残念ながら自分はあまり参加できていないのですが、先週末は『地獄めぐり』という練習と三田まで走る『三田マラソン』というもの、そして場内拍手の練習を行いまして、(デモストが行われた週の)月曜日は3パートでの総合練習を行わさせていただきました。

――早慶戦に向けて意気込みをお願いいたします

やはり、最後の早慶戦、しかも多くの学生さんが集まる春季の早慶戦ですので、優勝がかかっているかかっていないに関わらず、早稲田は慶應に勝つというのが至上命題です。最後の応援部の早慶戦を大いに盛り上げて、早稲田の勝利に貢献できるよう努力したいです。

松本莉加子チアリーダーズ広報責任者(政経4=Nicholson Catholic College)

――今回のパフォーマンスで工夫した点はありますか

いつもだと人数が20名以下なんですけど、本日は30名以上に人員を増やして、チアリーダーズ演技を作りました。人数が多い早稲田って言われるんですけど、それを逆に強みとして生かしたデモンストレーションにできたかなと思います。

――「サクラ咲け」はスペシャルバージョンでしたが、いかがでしたか

人数が多かったのでいつもは3つくらいのところを今日は5つくらいスタンツが作れました。お客さんにもいつもと違ったってわかってもらえたなら嬉しいです。

――野球部に直接の応援はされましたか

今週(デモストが行われた週)の月曜に総合練習といって、早慶戦前に東伏見に応援部全員で出向いて早慶戦でと加藤雅樹主行う演技全部の練習をするというものを行いました。その練習に野球部の方々も見学にいらして下さったので、気持ちは届いているかなと思います。小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)将(社4=東京・早実)も応援部に「ありがとうございます」とか「私たちも頑張るので応援よろしくお願いします」というふうにコメントを下さったので、意思疎通ができたのかなと思います。

――今回の衣装『ユニフォームセット』の着用シーンについて教えてください

この衣装は4年生だけが着られるものになっていて、通常リーグ戦の例えば法大戦とか立大戦でも着ています。早慶戦でも6月2日の日曜日に4年生がこれを着ます。

――早慶戦への意気込みをお願いします

2年間くらいずっと第3戦まで進んで月曜球場なので、今年は絶対土日で早稲田が2連勝して有終の美を飾りたいなと思っています。あと、初めて新人がいて、4学年で応援できるので、みんなで力を合わせて練習した成果を発揮して、打倒慶應を果たしたいと思います。