近年、バスケットボール女子日本代表の活躍がめざましい。2大会連続5度目の五輪出場も決めており、今後もさらなる躍進が期待される。2018年アジア競技大会メンバーには2名の現役大学生選手が含まれているが、その1人こそ永田萌絵選手(東京医療保健大…

近年、バスケットボール女子日本代表の活躍がめざましい。2大会連続5度目の五輪出場も決めており、今後もさらなる躍進が期待される。2018年アジア競技大会メンバーには2名の現役大学生選手が含まれているが、その1人こそ永田萌絵選手(東京医療保健大学)だ。大学女子バスケ界を牽引する存在となった永田。しかし、高校時代はインターハイ、ウインターカップともに出場経験はない。転機となったのは、女子日本代表アシスタントコーチも務める恩塚亨監督との出会い。レベルの高い関東の大学でプレーしたいという思いはあった。初めて会った時に「君はすごい選手になる。自分の可能性を信じてほしい」と、恩塚監督から熱烈なオファーを受けた。自分の成長を心から願ってくれる監督の思いに応え、東京医療保健大学を進学先に選んだ。

「身体能力の高さ、素直さやハングリーさが彼女にはある。きっと素晴らしい選手になる」という監督の予見は当たった。永田は大学入学後に頭角を現し、3年時に初めて日本代表に招集されると、その年の12月には大学でインカレ連覇を果たし、大会MVPにも選出。強い気持ちでゴールに向かっていける強さ、速さや躍動感を武器に、一気に頂上へと駆け上がっていった。

※実戦形式の練習に臨む永田選手(写真中央)。練習の合間に選手同士で話し合う時間が設けられており、それぞれが連携を確認する

ポジションはPF(パワーフォワード)。リバウンドやディフェンスでのフィジカル勝負など、直接得点に絡むことが多い。恵まれた体格を活かしたインサイドプレーヤーとして体を張り、流れの中でスコアを狙う。彼女の強さはそのままチームの強さに直結しているといっても過言ではない。

現在は主将として、試合だけでなく部全体の司令塔となることが求められる。日本代表合宿で身についた一つ一つのプレーや決まりごとを疎かにしない姿勢で、自分に厳しく接するだけでなく部全体に影響を与えるよう意識し、チームを牽引してきた。日本女子バスケ界に萌え出た、永田という“芽”。彼女は今、代表チームを支える大きな樹へと成長を遂げようとしている。

※大学アスリート1日密着動画「THE STARS」にて、永田選手を特集しています。
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永田萌絵(ながた・もえ)
長崎県出身。1997年6月20日生まれ。172センチ、65キロ。長崎商業高校を経て、現在東京医療保健大学医療保健学部4年。高校では主要な大会への出場経験はなかったが、大学入学後に才能を開花させた。現在は日本代表の次世代エースとして、東京五輪を見据えた活躍を見せている。