米有名紙「ウォールストリート・ジャーナル」電子版では、経済紙にふさわしく数字を使って背番号51を検証。記念すべき3000本目の安打は「ほぼ確実にシングルヒットである」と大胆予想をしている。■3000安打達成者の中で単打率は圧倒トップの81.…

米有名紙「ウォールストリート・ジャーナル」電子版では、経済紙にふさわしく数字を使って背番号51を検証。記念すべき3000本目の安打は「ほぼ確実にシングルヒットである」と大胆予想をしている。

■3000安打達成者の中で単打率は圧倒トップの81.5パーセント

 メジャー通算3000安打まで残り2本となってから、やや足踏みをしているマーリンズのイチロー外野手だが、その偉大なる功績に日米メディアが注目し、さまざまな特集記事を展開している。米有名紙「ウォールストリート・ジャーナル」電子版では、経済紙にふさわしく数字を使って背番号51を検証。記念すべき3000本目の安打は「ほぼ確実にシングルヒットである」と大胆予想をしている。

 快足を生かした内野安打が多いことで知られるイチローだが、記事によれば、現在の2998安打のうち「内野外に飛んだ安打は2320本」だとしている。つまり、678安打は内野安打ということになる。さらに、2998安打のうち、実に2443安打がシングルヒットで、割合にして81.5パーセント。これまで3000安打を達成した29人と比べても、断トツに単打率が高いそうだ。言い換えれば、イチローがヒットを打った場合、その打球が単打になる可能性が81.5パーセントということで、3000安打目もシングルヒットになる可能性が圧倒的に高い、という試算になるようだ。

 内野安打に特化して見ると、スタッツLLCがデータを収集し始めた1987年以降、イチローの内野安打数は圧倒的に多く、2位以下の打者に148本差をつけているという。これもまた、イチローという打者を特徴付ける興味深いデータと言えそうだ。

■Aロッドの単打率は59.1パーセント、そして3000安打目はライトへのソロ弾

 また、イチローは3000安打達成者の誰よりも打点が少なく(750打点)、113本塁打という数字も圧倒的に少ないという。記事によれば、背番号51よりも本塁打数が少ない選手は数人いるが、例えば、キャリアで47本塁打しか記録しなかったエディ・コリンズの場合、ボールが飛ばない“デッドボール時代”にあたる1906~1930年に現役生活を送ったため、当時は12本で本塁打王になれるなど、今とは少し状況が違っていたという。

 今季のイチローを見ても、シングルヒットが多いという傾向は変わっていないようだ。控え選手であるが、今季はまだホームランは打っておらず、90打席以上立った打者の中で、二塁打がイチローより少ない選手(9本)はわずが4人との数字も紹介されており、ここでもやはり長打より単打を期待するべきことが、データにより裏打ちされている。

 ちなみに、イチローの他に現役で唯一3000安打に達しているアレックス・ロドリゲス(ヤンキース)はシングルヒットの割合がわずか59.1パーセントで、3000安打達成者の中で最も低い数字だとか。昨年6月19日に金字塔に達したAロッドは、その記念すべき打席はライトへのソロ本塁打で飾っている。やはり、積み上げられたデータには信憑性がありそうだ。