「全仏オープン」(フランス・パリ/5月26日~男子6月9日・女子8日/クレーコート)大会3日目。女子シングルス1回戦で第1シードの大坂なおみ(日本/日清食品)が0-6、7-6(4)、6-1の大…

「全仏オープン」(フランス・パリ/5月26日~男子6月9日・女子8日/クレーコート)大会3日目。女子シングルス1回戦で第1シードの大坂なおみ(日本/日清食品)が0-6、7-6(4)、6-1の大逆転で世界90位のアンナ カロリーナ・シュミドローバ(スロバキア)を下し、2回戦へ進出した。その大坂の試合を、WOWOWの解説であり日本テニス協会公認S級エリートコーチの坂本正秀さんが振り返った。

坂本さんは「非常にタフな試合だったと思います。特にグランドスラム2回優勝しているチャンピオンでも初戦は緊張するんだなという立ち上がりでした。冷静じゃなく力んで打ちにいってエースを狙いにいって自滅していたので」と1ゲームも奪えなかった第1セットを振り返る。

「どこから戻すのかなと思っていたのですが、苦しいなかでもサーブが武器となり、そこから冷静さを取り戻しました。第2セット苦しかったですがしっかり取って、第3セットは力みのないリラックスした本来の自分のプレーができ、修正できる力がすごいなと思いました」

大坂は第1セットはトータル33ポイントのなかで13本ものアンフォーストエラーを記録。しかし冷静さを取り戻した第3セットではトータル38ポイントのなかで、4本にまでアンフォーストエラーを減らした。

第2セットで相手にサービング・フォー・ザ・マッチを2度握られるなど、崖っぷちに立たされた初戦だったが、一方で緊張し劣勢になった試合を先に経験したのは良かったと坂本さんは語る。

「こういう試合を1回戦でやると、これから力みのない状態でできるので大会の流れを考えると良い1回戦だと言えると思います」

その大坂は2回戦で世界43位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)と対戦する。アザレンカは2012年に世界1位に輝いており、「全豪オープン」で2度の優勝、「全仏オープン」でもベスト4に進出した経験を持つ強豪だ。

2回戦での注目ポイントについて坂本さんは「アザレンカは強いですけれども、自分のプレースタイルはこれだというのが1回戦で見えたと思うので、それが意識してできるかどうか」「今日は相手のプレーより自分のプレーが問われたので、緊張があるなかで自分のプレーを通せるかどうかがポイントだと思います」と、大坂自身のプレーが重要であることを強調した。

次戦では上手くリラックスし、序盤から大坂らしいプレーを期待したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」での大坂なおみ

(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)