東京六大学野球春季リーグ戦 対明大 3回戦
2019年5月27日(月)
神宮球場

またも勝ち切ることができなかった。最後まで、『あと一本』が出なかった。明大の優勝を目の前で許した前日から一夜明けた今日、勝ち点奪取に向け、まず1勝を手にしたいところだったが、4回に先発・三浦銀二(キャ2)が明大打線につかまり3点を失う。法大は7回に宇草孔基(営4)の2ランで1点差に迫り、8回にも好機をつくるも、あと一本が出ず、敗戦。最終カードの『血の法明戦』でも勝ち点を奪取することはできず、今季を5位で終える結果となった。

戦評

今年も競った展開が続く『血の法明戦』は第3ラウンドを迎えた。勝ち点奪取へ後がなくなった法大は、三浦銀二(キャ2)を先発マウンドへ送り込んだ。

三浦は初回から連打を浴びるが、後続を空振り三振と併殺打で封じ、ピンチを切り抜ける。その後3回までは二塁手・佐藤勇基(法3)の好プレーもあり、無失点で抑えた。法大打線も序盤から安打が生まれ盗塁や犠打で得点圏へ走者を進めるもあと一本が出ず、なかなか得点できない。 試合が動いたのは4回裏。三浦がこの回先頭の内山竣を四球で出塁させると、4番・北本一樹が犠打を決め、1死二塁の場面に。すると5番・喜多真吾、6番・松下且興に連続で適時二塁打を浴び、2失点。その後、捕逸と死球で1死三塁とし、8番・西野真也がピッチャー前に意表を突くスクイズを決めてさらに1点を追加され、この回3点の先制を許した。

喜多に先制の適時打を許した三浦

先発の竹田祐、6回からマウンドに上がった伊勢大夢を相手に思うような攻撃ができなかった法大打線は、7回から反撃ののろしを上げる。1死から代打・野尻幸輝(営1)が中前打でリーグ戦初安打をマーク。続く代打・中村迅(営3)は投ゴロに倒れたが、進塁打となりなおも2死二塁。この場面で打席に向かったのは1番・宇草孔基(営4)。1ストライクからインコース高めの直球を振り抜くと、やや詰まったように見えたが、打球は伸びて右翼席へ。1点差に迫る2ランを放った。そして8回には同点の好機が巡ってくる。3番・福田光輝(人4)が右前打を放つと、空振り三振を挟んで四球で1死一、二塁に。打者は手のけがから復帰した6番・佐藤勇。2ストライクに追い込まれるも、4球目が捕手のミットからこぼれる。ボールを見失っている間に、二塁走者の福田が「勝手に反応した」と、一気に三塁へ向かいセーフに。しかし、佐藤勇が打った5球目は勢いを失い遊撃へ。ヘッドスライディングを試みたものの、一塁走者と共に併殺でアウトとなり、無得点に終わった。

7回から登板していた柏野智也(営3)の好リリーフに打線が応えられず、9回表、2アウトから代打・清水俊作(文4)の遊飛でゲームセット。またも1点差での敗北となった。4カード連続で勝ち点を逃した法大と、昨日からの連勝で勝ち点をつかみ、完全優勝を達成した明大。まさに陰と陽の対比だった。

最終回、2死から代打で出場した清水が遊飛に倒れ、今季の戦いが終わった

秋春連覇、昨年かなわなかった日本一を目指して今季に臨んだチーム福田。しかし、リーグ5位という、目標にはほど遠い結果で戦いの幕は閉じた。「秋に向けて、課題を一つ一つ潰していきなさい」と、社会人対抗戦から急きょチームを率いた金光興二監督代行は選手たちに語った。この悔しさを糧にこの夏、どれだけ本気で野球に、自分に向き合えるかがV奪還への大きな鍵を握る。彼らはもっとできるはずだ。9月には強くなった法大ナインで神宮に帰ってくると、誰もが信じている。 (渡辺詩織)

クローズアップ:柏野智也

今回注目したい選手は幾度となくピンチを切り抜け、影ながら法大投手陣を支えてきた男、その名も柏野智也(営3)だ。

今季の柏野は6試合に登板して自責点0。シーズンを通して安定したピッチングを見せた。柏野は今季の活躍の要因を「冬場のトレーニングの成果で(昨年よりも)ストレートの強さがでていて、ストレートで勝負することができているから」と語る。冬場に下半身を重心的に鍛え、投球フォームを大幅に変えるなど多くの努力を積み重ねた。この努力が実を結び今の自身を持った最高のストレートを投げ込む。この最高のストレートを持ち前の強気の姿勢で投げ込んだ柏野。今季の活躍も納得がいくだろう。

今季は接戦をものにすることができない試合が目立ち、来季に向けて投手陣に若干の不安を抱える法大。そんな法大にとって柏野はいなくてはならない存在であり、優勝に向けて絶対に必要なパーツだ。来季こそは柏野の好投が実を結び、法大の勝利につながるシーンを見たいものだ。 (髙橋尚輝)

監督インタビュー

金光 興二 監督代行
—『血の法明戦』の総括をお願いします

振り返ってみたら引き分け、1点差負け、1点差負けで結局接戦に勝ち切れなかったという、そこに原因があると思います。ミーティングでも話したのですが、このリーグ戦で課題がはっきりして、そこは選手が分かったと思うので、秋に向けて、その課題を一つ一つ潰していきなさいということを言いました。

—初戦は中村迅選手の本塁打で終盤に追いつきました
ゲーム自体は負けゲームでしたけど、展開として逆転できたので、勝ち切りたかったですね。最後に同点ホームランを打たれてしまって、ああいうところで勝ち切れないというところに今年の春の試合が集約しているような気がします。

 —2回戦では7点差をひっくり返されての敗戦となりました
そうですね。これは明治戦に限らず、春全体を通して、投手陣が全体的にやっぱり、良くなかったなという印象があります。それは本人たちが一番よくわかっていると思いますし、戦っていく中で相手をきっちりと抑えていく術を身に付けていくしかないので、それは、川崎のグラウンドでそれに向けた力をつけていくということに尽きると思います。

—失点の要因としては投手だけではなく、守備の失策、また、記録には残らない細かなミスも目立ちました
そうですね。やっぱり、チームそのものが、投手陣も含めて、ディフェンスの面が非常に粗いですよね。それに関しては攻撃にも同じことが言えるのですが、チーム全体が粗い感じがどうしてもあります。それがやっぱり、一番大きな課題でしょうね。

— 打線に関しては「ホームランでしか点が取れていない」ということをシーズン中に多く仰っていました
そうですね。ホームランでは点が取れるのですが、タイムリーヒットの少なさはリーグ戦全体を通して目立ちましたね。やっぱり、勝負強さというのは、練習の積み重ねで身につくものだと思います。打撃に限ったことではなくて、守りの面、ピッチャーの面といった全てにおいて、うまくいかなかったというのは感じました。

—明大に感じた『強さ』は
攻撃を見ても、怖いなという感じはないんですけれど、やっぱり、いやらしさというか、粘っこさというか、それが明治大学さんの特徴でもあるんですけれど、今年に関しては特にそのようなことを感じましたね。簡単にアウトにならないというか、そういう粘り強さですね。それとやっぱり、大黒柱のピッチャーが一人いるという。それが(明大の)強さだったと思います。

—監督代行として采配を行いましたが、意識したことは
選手が自分たちの持っているものを出し切るようにするにはどうしたらよいのかということだけを考えて戦いました。いろいろなミスが出ましたし、そういう意味では、結果がともなわなかったことは非常に残念でしたが、こういう状況の中でも、(選手たちは)懸命に、全力を尽くしてやってくれたのではないかなと思います。ただ、これを何とか秋に生かしてもらいたいと思います。

 —5位という結果に終わりましたが、良かった点としては
そうですね、良い面としては途中から出ていた選手でも、「この選手は粘り強くて良いな」ということを感じました。チーム全体としての、「チームで戦う」という雰囲気も、負けこんでしまったのですが、チーム全体のそういう面は、一つ一つ身についてきましたし、選手も何か秋に向けて感じたちょっとした手応えというものもあったのではないかと私は思います。

—最後に秋季リーグ戦に向けて一言お願いします
先ほど、キャプテンが皆に話していたのですが、秋に向けて何が足りないかというのはわかってきたはずですから、明日からもう、それを皆で潰していかなければならないです。そういう気持ちで、何はともあれ、川崎のグラウンドでそういう力をつけなければこの神宮の舞台で結果は出ないわけですから、それに尽きると思います。

選手インタビュー

福田 光輝 主将
—今日の試合を振り返って

こういう負け方が続いていて、今日の試合だけじゃなくてこういう結果になってしまったので、秋までの3ヶ月で立て直すしかないと思っています。

—試合前のアップ、シートノックの雰囲気は
いつもと変わらない感じでできていたと思います。

 —8回に安打を放ちましたが、意識していたことは
先頭バッターだったのでとにかく塁に出ることと、それまでの打席で思い切っていけてなかったので、初球から思い切っていこうという気持ちで打席に入りました。

—今季は守備の乱れが目立ったシーズンでしたが
やっぱり守備でも走塁でもちょっとしたミスで隙をつかれてしまうので、ミスを完全になくすというのは難しいかもしれないですけど、ちょっとでもミスを少なく減るように練習するだけなので、いろいろ確認していきながら1からやっていきたいなと思っています。

—個人ではキャリアハイの成績を残しました
もうちょっと打ちたかったとは思いますね。

—秋に向けてどんなチーム作りをしていく
1日1日を無駄にせず、本当に自分がガンガン引っ張ってやるだけだと思います。

—ファンの皆さまへ
こういう結果になったのでいろいろ思われることもあるかと思いますが、自分らが一生懸命やった結果ではあるので、自分らは自分らで受け入れていますし、秋に向けて絶対立て直そうという気持ちでいます。この春も一戦一戦(気を)抜いたわけではないので、もう1回ほんまに立て直してこの神宮で勝てるように自分が引っ張っていきたいなと思っています。


宇草 孔基 副将
—今日の試合を振り返って

勝ちたかったですね。

—昨日の負けを踏まえて
(明大の)優勝が決まりましたし、チームとしてはこういう状況ですけれど、試合に出させてもらっている以上、責任を持って全力で戦うことが使命だと思っているので、全力で戦っていこうという話はしました。自分の中でもそれを強く意識していました。

—3点差で迎えた第4打席でした
その前の打席も内容としては悪くなかったので、欲を消してしっかり自分のスイングをしていこうというふうに思っていました。

—2ランを打った感触は
詰まっていたので、行くとは思わなかったです。

—副将として今季の総括をお願いします
言いたいことはいっぱいあるんですけれど、本当にチームとして、特に4年生の主力メンバーがもっと『結束』して本気になってやっていかないとだめだなと思います。自分も厳しくやらなきゃいけないことも考えていますし、色々ありますけれど、まず自分が本気になって優勝に向かってみんなを変えられるように。そして自分がより背中で引っ張っていけるように頑張っていきたいです。

—特に印象に残った試合は
全部。全部ですけれど、こういう所がだめだなとか、所々に弱さが出ていたので、これといった試合は特にないですね。

—リーグ戦終えての課題
チームとしては、弱さが出ている現状なので、一人一人が意識を持ってやらなければいけないですね。そのためにはまず、4年生が強い責任感を持って、野球にも自分にもしっかり向き合って取り組んでいかなければいけないと思います。自分としてはまだまだ走攻守全てにおいて足りない所だらけなので、向き合って必死に練習していきたいと思います。

—夏に取り組みたいこと
リーグ戦は精神的にも身体的にもきつくて。それはみんな同じだと思うんですけれど、リーグ戦後半になるにつれてバテてきている現状があるので、この夏しっかり、体が資本だと思うので、体を作り直して、シーズン戦い抜ける体を作っていきたいと思います。

—来季に向けて
チームがどんな状況であれ、応援してくれるファンの方々もいますし、4年生のメンバー外の人達が必死こいてサポートしてくれた中でこういう結果になってしまったのは本当に自分としても情けないですし、そういう部分を絶対に変えていきたいという強い気持ちがあります。「この春、こういう結果になって悔しい思いをしてよかったな」と言えるようなシーズンに秋はしたいと思いますけど、それをできるかできないかは本当に自分達次第だと思うので、まずは自分がチームを引っ張ってやっていけるように、頑張りたいと思います。


清水 俊作 副将
—今日の試合を振り返って
3点は取られてしまったんですが、ピッチャーは何とか粘っていたので、追いついて、逆転したいと思っていたのですが、打線が援護できませんでした。

—9回2死から代打で出場しました
絶対に(塁に)出てやろうと思っていたんですけど、駄目でした。悔しいです。

—今季の最終戦となりましたが、今季を振り返って
課題しか残らないシーズンだったと思います。

—その中で得たこともあると思います
そうですね。例えば、ホームランは17本も出ていて、バッティングは良かった面があったと思います。でも、逆にホームランでしか点が取れない試合が多かったので、もっと緻密な野球というか、ヒット0本でも1点を取れるような野球ができれば良いと思います。

—今季を通してベンチの中で感じたことは
1つの課題に入ると思うのですが、打たれてしまったとき、スタンドが静まり返ってしまったときといった、良くない時に、うまく盛り上げられなかったと思います。(秋季リーグは)4年生が、出ている人、出ていない人関係なく盛り上げられるようにしていきたいと思いました。

—秋季リーグ戦に向けて
「優勝する」ということを簡単に口に出せる状況でもないと思うので、一戦一戦、必死に頑張って、勝ち点を取っていきたいと思います。


柏野 智也 投手
—今日を振り返って

最後の試合になったのですが、自分なりにいいピッチングができたのでよかったです。 —コンディションは 今日はちょっと疲れ気味だったのですが、それでも自分の思ったようなボールが投げられたのでよかったと思います。

—昨日明大の胴上げを目前で見た中での今日の試合に対する思いは
昨日は目の前であの光景を見てとても悔しかったので、今日は秋にもつなげられるような試合をしようと思い挑みました。

—今シーズンのチームを振り返って
チームとしても惜しい試合が何試合もあり、その中で勝てそうな試合も多くありました。春はこんな形で終わってしまいましたが、秋は1点差の試合をものにできるようなチームにしていって優勝したいと思います。

—個人では6試合に登板して防御率0.00と素晴らしい結果でした
冬にやってきたことがこの春で出てきたのかと思います。秋にもこのような成績を残したいと思います。

—秋に向けて意気込みをお願いします
個人的には出場した試合は無失点で抑えるようにして、チームとしては優勝して全日本でも優勝できるように頑張っていきたいと思います。


佐藤 勇基 内野手
—今日の試合を振り返って

序盤、リードされる展開でした。でも、みんな粘って粘ってという意識があったので、3点で収まって、宇草さんの本塁打で2点取って、自分が1死一、三塁で回ってきたんですけれど、あそこは最低でも3塁ランナーを返さなければならない場面だったので、僕が悪かったなと思います。

—今季初スタメン、率直な気持ちは
けがをして手術をしたんですけれど、間に合うかどうかという所で、スタメンまで復帰することができたので、それに関してはよかったなと思っています。ただ、スタメンで出るからにはしっかりと結果を残さないとなと思いました。

—けがから復帰して練習時間の確保は
全体に復帰したのは2週間前ぐらいだったので、大分感覚は戻っていたんですけれど、打てなかったのは実力不足かなと思います。

—実戦復帰はいつごろ
実戦は、投手の球を打つということであれば復帰してから2回目(の練習)でした。

 —今リーグ戦初安打が出ました
犠打の後で、打った打席で言えば1打席目だったので、そこで安打が出てほっとしました。

—対して第4打席では好機で併殺に倒れてしまいました
何とかしたかったんですけれど、申し訳ないなという気持ちですね。

—来季の目標は
来季はけがとか関係なくやれると思うので、レギュラー取って、チームの勝利に貢献できるよう顔張ります。

—来季に向けて
5位という結果に終わってしまったんですけれど、秋はまた優勝できるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします。

フォトギャラリー

1回に見事盗塁を成功させた宮本
右前打を放った伊藤
リーグ戦初安打を記録した野尻
1点差に迫る2ランを右翼席へと豪快に運んだ宇草
2イニングを無失点に抑えた柏野
8回の先頭で安打を放った福田は小さくガッツポーズ
8回の好機で併殺に倒れた佐藤勇
けがから復帰した佐藤勇はブランクを感じさせない軽快な動きを見せた