開幕戦を落とすも、第2戦で流通経大を倒し、流れに乗りたい関東大学春季大会第3戦。令和最初の早慶戦は南長野運動公園総合球技場(長野Uスタジアム)にて行われた。早大は、CTB中野将伍(スポ4=福岡・東筑)やSO岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)を起点として展開し、チャンスを生かしてトライを重ねた。以前から課題であった反則やスクラムで押される場面がありながらも、集中した守りを続け、新元号制定後初の伝統の一戦で慶大に勝利した。


NO・8丸尾崇真(文構3=東京・早実)が独走し、トライを挙げた

 先に得点を挙げたのは早大だった。前半4分、中野将から、フランカー柴田徹(社学4=神奈川・桐蔭学園)、丸尾にボールが渡ると、そのままパスダミーで慶大ディフェンスをかわし、グラウンディング。続く9分、FB河瀬諒介(スポ2=大阪・東海大仰星)の大幅なゲインを中野将がサポートして、流通経大戦から勢いに乗るSH河村謙尚(社2=大阪・常翔学園)へとつなぎ、そのままトライとなる。そして前半11分、中野将のキックに合わせて駆け出した岸岡がインゴールでボールを押さえる。このキックの判断について中野将が「外の選手から裏が空いている」という声があったと振り返るように、チーム内で連携の取れた得点であった。前半は早大ペースで進み、19―0と慶大を封じた。


アタックの起点となるフランカー幸重天副将(文構4=大分舞鶴)

 19点のリードで迎えた後半、早くも後半2分に試合は動く。ハーフタイムを挟んで修正してきた慶大ディフェンスに対し、外に展開した早大は、岸岡が判断よく抜け出すと、WTB梅津友喜(スポ4=岩手・黒沢尻北)にパス。梅津からリターンパスを受け、岸岡が左中間にトライを奪う。しかしその後、前回からの課題であった反則を繰り返し、ゴール前まで攻め込まれ、トライを献上する。そこから少し押される展開となるも、11分にCTB長田智希(スポ2=大阪・東海大仰星)が華麗なステップで相手を翻弄(ほんろう)。そのままインゴール左隅に飛び込んですぐに点数を取り返した。スクラムで勝る慶大ボールの時間が続く中、早大は少ないチャンスをものにする。後半23分、またも岸岡が抜け出す。鋭いパスを河瀬が受けると、相手をハンドオフでなぎ倒してインゴールに飛び込む。その後はゴール前で押し込まれ1トライを与えるも、決定力と粘り強さが光り、36―12でノーサイド。流通経大戦に続く勝利を飾った。

 『Defence』をテーマとして試合に臨む今シーズン。「自分たちが相手の組みたいようにやらせてしまった」とフッカー森島大智(教4=東京・早実)が語るように、スクラムや細かい反則など課題が残る試合となった。その一方、試合中のチーム内での声掛けなどが功を奏し、ここぞという場面での得点力の高さを感じさせた。 負傷中のSH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)に代わりゲームキャプテンを務める幸重副将が話す「秋で巻き返すのではなく春から行く」という意識のもと、次戦の大東大戦ではディフェンスの修正からアタックにつなげる試合展開に期待したい。

(記事 初見香菜子 写真 千葉洋介)

コメント

相良南海夫監督(平4卒=東京・早大学院)・フランカー幸重天副将(文構4=大分舞鶴)※囲み取材より抜粋

――今試合の総括をお願いいたします

相良監督 今試合は『Defence』をフォーカスして試合に挑みました。近場で2つのトライを取られましたけど、選手たちはその掲げたテーマを80分やり切る意識は見られたので、そこはよかったかなと思います。

幸重副将 『Defence』ということをテーマにしていました。練習から口うるさく今週1週間やってました。チャレンジする分、終盤とかはすごくよかったのですが、ゴール前自分たちのペナルティーで自陣にこられた時に2本(トライを)取られたというのは、きょう勝てましたけど、秋の関東大学対抗戦とかではその部分が致命傷になると思うので、まだまだ突き詰めていきたいなと思います。

――具体的にどのあたりを注力していましたか

幸重副将 ディフェンスとしては、中盤でのシェイプに対して前にプレッシャーをかけること。後はゴール前の近場相手のピックに対してのアタックに対して意識していました。

――新元号に変わってからの初めての早慶戦での勝利となりましたが、いかがでしょうか

幸重副将 素直にうれしく思います。昨季どちらも勝ちましたけど、どっちも僅差だったので、手強いチームということが印象にありますね。その一戦に勝利を収めることができたということは、うれしく思います。

相良監督 慶大(という相手)はどうしても意識しますね。意識せざる負えないところもあるので。先ほども言いましたが、今試合は勝負に勝つのはもちろんなのですが、自分たちがやろうとしていたことに対してしっかりと向き合って、そこにチャレンジしてくれたということが1番よかったポイントでしたね。

――スクラムでは後手に回る結果となってしまいましたが、その点についてはいかがでしょうか

相良監督スクラムはそもそも今年シーズン当初から課題にしていた部分ということだったので。ただ、部内で練習するよりも、こうやってゲームライクで色んな相手と対戦することで、色んな経験して反省して積み重ねられればいいなと思います。よくないことは確かなので、またステップアップできるように頑張っていければいいなと思います。

フッカー森島大智(教4=東京・早実)

――早慶戦の令和最初の勝利となりましたが、振り返っていかがですか

 セットプレーの部分でスクラムが圧倒的に良くなかったポイントです。あとは、ディフェンスのところをフォーカスしていたんですけど、時間までにトライ2本取られてしまったので、それは修正できればと思っています。

――スクラムで劣勢になる場面が多かったですが、組んでいてどうでしたか

 自分たちが相手の組みたいようにやらせてしまったので。対応はできたんですけど、ペナルティーが多かったので、そこを課題としてやっていきたいです。

――スクラムについて、試合中に修正点の話し合いまではできたのですか

 できました。相手はこうしているので、自分たちはこうしようみたいな感じで。何回かはうまくいったんですけど、うまくいかない場面もありました。

――スクラムで押されてしまった原因としては、どのようなものがあがっていましたか

 早大は低さをテーマにやっていたんですけど、相手より低くなりきれなかったというのと、全員で押すという意識統一ができていなかったと思うので、そこを課題としてやっていければと思います。

――意識統一ができないというのは

マイボールでモールにした時に全員で押すというイメージが甘かったですね。

――試合全体を通して慶大と流通経大を比較していかがでしたか

 ディフェンスは前に出られていたので良かったんですけど、課題として近場ディフェンスというのが残っていると思います。

――スクラムに関しては(流通経大と比較してどうですか)

 色々組み方を変えたりして、やっているんですけど、そこ(ベストな組み方)を探していければと思います。

――次戦の大東大戦に向けて、どこに焦点を当ててやっていきますか

 スクラムとディフェンスをフォーカスしたいです。自分は、ディフェンスのところで、絶対に引かない、前に倒すというのを意識してやっていきたいです。チームとしては、近場ディフェンスというところをやっていきたいです。また、自分たちのミスで自陣に来られてしまったので、細かいミスを無くせればと思います。

CTB中野将伍(スポ4=福岡・東筑)

――令和となって初の早慶戦でしたが、いかがでしたか

 早慶戦は負けられないですし、春シーズンに今年早大がしようとしていることを毎週毎週課題持って1つずつクリアしていこうっていうテーマ持ってやっているので。今週はディフェンスの面でテーマ持ってやってて、出せてる時間もあったのですが、出せてない時間もぜんぜんあったのでそこの部分の修正していけば失点も減っていくと思います。

――キックからトライにつながりましたが、チーム全体で意図しての判断だったのでしょうか

 BK的に勝ってたのと外の選手から裏空いてると声があったので、味方の声聞いてプレーした感じです。外からの状況に対し、その場でオプションを選びました。

――全員オプションについて、チーム全体で浸透しているかについてはどう思いますか

 全員オプションは普段の練習からやってるんですけど、FWが全員ボールをもらえるよう走るだったり、BKが裏でもらえるよう動くといったチャンスの時は、みんなもらおうとするんですけどそれ以外の時はまだできていないかなと思います。

――前半20分で3トライ挙げましたが、BKの決定力についてはいかがですか

 きょうの最初の方はつなぎもフォローも良かったので、さらにトライを取りきれるまでの精度を上げていけば強みとなるのではないかと思います。

――次戦に向けて焦点となる課題となるポイントはどこでしょうか

 今季チームの軸でディフェンスやっていこうと言ってる中で、崩れる部分をきょうより少なくすることと、反則も少し多かったので、そこの規律とディフェンスの部分を修正すればアタックにもつながって点数も伸びると思います。

――落ち着いてプレーしてるように見えましたが、どうですか

 昨年からボールキャリーの回数は多かったんですけど、その中でやはり相手に注意されるようになったので、自分がボールを持って周りを活かすことは去年からスペースを攻めるなどで意識するようになりました。これから自分の強み以外も強くすることで、さらに強みを活かせると思うので、レベルを上げていきたいと思います。

――ロングパスやオフロードも意識しているんですか

 そうですね。オフロードは意識して。ただオフロードは味方との連係が必要なので、味方にはオフロード狙ってくるようにって要求流していますね。

関東大学春季大会
早大スコア慶大
前半後半得点前半後半
191712
36合計12
【得点】▽トライ 岸岡2、長田、河瀬、河村謙、丸尾 ▽ゴール 岸岡(3G)

   

 
     

早大メンバー
背番号名前学部学年出身校
久保 優スポ3福岡・筑紫
後半34分交代→16横山太
森島 大智教4東京・早実
後半24分交代→17中野幸
阿部 対我社2東京・早実
後半8分交代→18小林
中山 匠教4東京・成城学園
後半0分交代→19星谷
大崎 哲徳文構2東京・国学院久我山
柴田 徹社4神奈川・桐蔭学園
後半16分交代→20増原
◎幸重 天文構4大分舞鶴
丸尾 崇真文構3東京・早実
河村 謙尚社2大阪・常翔学園
後半40分交代→21藤浪
10岸岡 智樹教4大阪・東海大仰星
11梅津 友喜スポ4岩手・黒沢尻北
後半34分交代→23南
12中野 将伍スポ4福岡・東筑
13長田 智希スポ2大阪・東海大仰星
後半24分交代→22中西
14桑山 淳生スポ4鹿児島実
15河瀬 諒介スポ2大阪・東海大仰星
リザーブ
16横山 太一スポ2東京・国学院久我山
17中野 幸英文構4東京・本郷
18小林 賢太スポ2東福岡
19星谷 俊輔スポ3東京・国学院久我山
20増原 龍之介教4広島・崇徳
21藤浪 魁基理4東京・本郷
22中西 亮太朗商2東京・早実
23南 徹哉文3福岡・修猷館
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
関東大学春季大会Aグループ星取表
帝京大早大慶大東海大大東大流経大
帝京大6/16 13:00帝京大G◯42-20●26-31◯60-7◯50-19
早大6/16 13:00帝京大G◯36-12●38-406/2 13:00熊谷◯51-24
慶大●20ー42●12ー366/16 13:00東海大G6/9 13:00慶大G●12-38
東海大◯31ー26◯40-366/16 13:00東海大G◯33-296/9 13:00東海大G
大東大●7-606/2 13:00熊谷6/9 13:00慶大G●29-336/16 13:00大東大G
流経大●19-50●24-51◯38-126/9 13:00東海大G6/16 13:00大東大G

※熊谷は埼玉・熊谷ラグビー場、帝京大Gは東京・帝京大学百草園グラウンド、山梨・中銀スタは山梨県小瀬スポーツ公園、慶大Gは神奈川・慶大日吉グラウンド、早大Gは早大上井草グラウンド、長野Uは南長野運動公園総合球技場、東海大Gは神奈川・東海大湘南グラウンド、大東大Gは埼玉・大東大東松山グラウンド、茨城・流経大Gは龍ヶ崎グラウンド

 ■順位決定方法
①順位の決定に当たり、勝ち点制を採用し、全試合終了時点で、勝ち点の多い順に順位決定を行う。
②勝ち5点、負け0点、引き分け2点とする。
③またボーナス点として、以下の勝ち点を与える。
 1)勝敗に関係なく、4トライ以上獲得したチームに、勝ち点1を追加
 2)負けても7点差以内ならば、勝ち点1を追加
④全試合終了時点で勝ち点が同じ場合、次の各号により順位を決定する。
 但し、3チーム以上が並び、各号において2チームが並んだ場合は、並んだ2チームについてそれぞれ次号により決定する。
 1)全試合の得失点差の多いチーム
 2)全試合でのトライ数が多いチーム
 3)全試合でのコンバージョンゴール数の多いチーム
 4)当該チームでの抽選