5月下旬、連日30度を超える猛暑の中行われた新人早大の初戦は、本拠地である早大・上井草グラウンドで宿敵・新人慶大を迎えて行われた。「一対一では負けないという気持ちを全面的に出して80分間戦うことを重視した」とSO吉村紘(スポ1=東福岡)が語ったように意気込み十分で臨んだ今試合は前半、1トライを献上しながらも5トライを挙げるなど新人早大優勢の試合展開となる。しかし後半、先制こそ新人早大だったものの、中盤以降に猛暑や初の80分間の試合といった要因が絡んだのかパフォーマンスが低下。ミスを連発して新人慶大の猛追を許すかたちに。48ー41と僅差で逃げ切ったものの、後半だけで34点献上する結果となった。

 前半、一進一退の攻防が繰り広げられる中、均衡を破ったのは新人早大だった。9分、フェイズを重ねゴール前まで攻め込むと、速いテンポで展開。最後は吉村からCTB金井奨(人1=群馬・県太田)につなぎ先制点を奪う。これで流れがつかむかのように思えたが、16分に大外に展開されトライを献上してしまう。しかし続く18分、ラックからNO・8相良昌彦(社1=東京・早実)が抜け出しすぐさま逆転。このトライで徐々にボールポゼッションを上げた新人早大だったが、その後何度も攻め込むもハンドリングミスやペナルティーが頻発し、決めきれない状況が続く。しかし、30分に新人慶大もミスを重ね、4度目の敵陣ゴール前ラインアウトを獲得。ラックサイドからフッカー原朋輝(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がゴールラインをこじ開け、追加点を挙げる。さらに37分には新人慶大のキックをチャージした吉村がそのまま持ち込み、40メートルを独走。終了間際には敵陣ゴール前の相手ミスからクイックリスタートで攻め込み、ロック桑田陽介(スポ2=愛知・明和)がトライ。さらに点差を広げ、29ー7で試合を折り返す。


攻撃の中心として活躍した吉村

 
後半開始2分、CTB平田楓太(スポ1=福岡・東筑)が抜け出すと、サポートのFB松下怜央(スポ1=神奈川・関東学院六浦)、WTB槇瑛人(スポ1=東京・国学院久我山)がそれぞれゲイン。最後はまた平田がサポートし、グラウンディング。続く後半5分、平田からパスを受けた槙が流れながら抜け出すと、相良につなぎ右大外にトライし、得点を重ねる。ここまで前半の新人早大ペースをそのまま継続していたが、9分の自陣ゴール前スクラムをターンオーバーされ、そのまま押し込まれた。その後も失点し、徐々に新人慶大に主導権をにぎられ始める。さらに試合中盤以降、展開が一変。「暑かったのでみんなバテてプレーが適当になってしまった」、「チームディフェンスが疲れてくると脆くなっているのを感じた」と松下、吉村の両選手が語ったように一気にパフォーマンスが低下。ディフェンスラインが形成し切れず、大外で抜かれてしまう場面が増えてきたのだ。22分のパスを奪われ独走されたトライを皮切りに、新人慶大の猛追が始まり約10分で3連続トライを挙げられてしまう。そのまま終了間際まで攻め込まれ続けるも、何とかしのぎ切り48ー41で試合を終えた。


存在感を示した松下

 結果を見ると勝利ではあるが、「勝つことは達成できたのでよかったが、内容を見てみるとまだまだでした。」という吉村の言葉通り、後半のスコアは19ー34と負け越し、フィットネス面で課題が残る試合となった。さらに、ハンドリングミスやペナルティーの多さも目立ったため、それらの部分もいかに修正していくかがカギとなってくるであろう。次戦は高校日本代表選手を多く有する新人明大と、新人早大にとってさらに高い壁となることが予想される。この試合で出た課題を修正し、次の新人明大にどれだけぶつけられるか。未来の赤黒を担うルーキーたちに注目していきたい。

(記事 千葉洋介 写真 涌井統矢、川上夏実、湯口尊)

コメント

SO吉村紘(スポ1=東福岡)

――ゲームキャプテンとして、試合の感想をお願いします

 システムとかそういうのは色々あるんですが、やはり僕たちは新人なので、一対一では新人慶大さんに負けないという気持ちを全面的に出して80分間戦うことを重視しました。

――後半の流れが新人慶大に移ってしまった原因は何だと思われますか

 80分間の試合が初めての人が多かったので、そのためにフィットネスが落ちてしまったのが原因かなと思います。

――ディフェンスに関してはいかがでしたか

 組織的なディフェンスとしては、元気な時はきちんと出来ていましたが、疲れてくると脆くなっているのを感じました。

――きょうの試合のチーム全体の目標は何でしたか

 やはり勝つということですね。まあそこは達成できたのでよかったんですが、内容を見てみるとまだまだでした。また来週から頑張りたいと思います。

――今後への意気込みをお願いいたします

 そうですね、まだ赤黒を着たことがないので、個人としてはいち早く赤黒を着られるよう努力したいと思います。

NO・8相良昌彦(社1=東京・早実)

――トライを2本決められました。振り返っていかがですか

 1本目は前に敵がいなかったのでチャンスだと思っていきました。2本目は味方が誰もいない中自分がボールもらえたので、トライしました。

――きょうのプレー全体を振り返っていかがですか

 トライ2本を決められたんですけど、運動量が全然足りなくて。暑いのもあって少しバテてしまったのもありますが、次の試合からはディフェンスとかでハードワークしたいですね。

――セットプレーについてはチームとしていかがでしたか

 セットプレーのスクラムはフロントローの初心者が多分2人いて、試合でスクラムを組むのは初めてみたいな感じらしく、僕が言えることじゃないですけどそれは仕方がないかなと。スクラムで押されてしまったのはまだこれから全然成長できると思うので、きょうの課題をこれから改善していけたらいいなと思います。ラインアウトも今週1週間しか合わせてなくて、シンプルなサインしかできなかったんですけど、これから連携を深めていきたいです。

――後半のFWのディフェンスについてお話を聞かせていただきたいです

 結構バテてしまって、新人早大としては3パス以内に止めるっていうディフェンスをやってるんですけど、立ち位置にセットするのが遅くなってプレッシャーをかけられないなとで、3回パスどころか4、5、6回パスと続けられて大外抜かれてしまったので、チーム全体としてフィットネス上げて、早いセットをしていいディフェンスをしたいですね。

――今後アピールしていきたいプレーとかポイントはありますか

 ディフェンスよりアタックの方が好きなんですけど、自分にはディフェンスが足りてないのでそれを磨いてAチームに絡めるように頑張りたいです。

FB松下怜央(スポ1=神奈川・関東学院六浦)

――試合を終えた率直な感想をお願い致します

 新人早慶という伝統のある試合で80分間出場できたということは自分にとっても良い経験でした。大学に入って初めての80分間の試合だったので、大学の厳しさとかを改めて実感しました。

――きょうの試合、チームとして後半にペナルティーが目立ちましたがその点はいかがですか

後半は気温の高さもあったので、皆バテてプレーが適当になってしまったというのが一番ですね。皆が疲れているぶんハードワークしていかなきゃいけない中でハードワークしきれなかったところがあったので、その部分でミスが起きてしまったのかなと思います。

――試合を終えて、慶大の印象はいかがですか

 慶応も良いタレントが揃っていて。1年生の中でも3人明日の試合(Aチームの早慶戦)のリザーブとかに入っている選手が出てきていて、慶応もレベルが高いなと思いました。

――高校時代と比べて試合や練習の雰囲気は違いますか

 全然違いますね。自分の高校は人数が少なかったので競わなくても試合に出れるという環境だったんですけど、早稲田という伝統のある大学では部員が130人いる中で切磋琢磨(せっさたくま)していくというところから違いますね。その中でもトップチームともなると全然レベルも違くて、それに追いつけるように毎日毎日頑張っています。高校と大学では試合の形式も違いますし、練習のレベルとかも全く違ってきて、大学って凄いなと思っています。

――FBのポジションにはFB河瀬諒介(スポ2=大阪・東海大仰星)選手などがいるためとても競争が激しいですが、ご自身のプレーをどのようにアピールしていきたいですか

 自分は今、ジュニアというシニアから1つ下のチームにいるので、練習とか試合でアピールしていくのが第1かなと思います。シニアの練習とかも動画で観れる環境があるので、河瀬さんであったり自分より上のFBのポジションの人のプレーを見て、自分がどこが足りないんだっていう分析をしてレベルアップしていきたいなと思います。

――最後に、今後への意気込みをお願いします

全国大学選手権にAチームのスタメンで出れるように頑張りたいと思います。

新人早慶戦
新人早大スコア新人慶大
前半後半得点前半後半
291934
48合計41
【得点】▽トライ 金井2、相良昌2、桑田、原、平田、吉村 ▽ゴール 吉村(4G)

 
    

新人早大メンバー
背番号名前学部学年出身校
小沼 宏太スポ2茨城・清真学園
後半16分交代→16井元
原 朋輝スポ2神奈川・桐蔭学園
木村 陽季スポ3東京・早実
後半16分交代→18黒田
桑田 陽介スポ2愛知・明和
前田 知暉社1東海大大阪仰星
鏡 鈴之介法1東京・早大学院
後半38分交代→19大木
植野 智也法1東京・早実
後半12分交代→23西野
相良 昌彦社1東京・早実
清水 一志社1東京・早実
後半16分交代→24石田
10吉村 紘スポ1東福岡
後半27分交代→28吉松
11槇 瑛人スポ1東京・国学院久我山
12金井 奨人1群馬・県太田
後半16分交代→26和田
13平田 楓太スポ1福岡・東筑
14今駒 有喜文1東京・早実
15松下 怜央スポ1神奈川・関東学院六浦
リザーブ
16井元 正大文1東京・早実
17武内 陸法1埼玉・早大本庄
18黒田 瑛大社3埼玉・早大本庄
19大木 裕太法1東京・早大学院
20川村 駿太法1北海道・函館ラサール
21梅澤 未遊法1東京・早大学院
22江島 航法1早稲田渋谷シンガポール
23西野 直樹法1東京・早大学院
24石田 大貴社1埼玉・早大本庄
25米重 颯己スポ1北海道・函館ラサール
26和田 遼社1埼玉・早大本庄
27下原 一輝文構1東京・早大学院
28吉松 立志スポ1宮崎・高鍋
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)