劇的勝利でV40を決めた。勝てば優勝の明大は3回までに7失点。しかし4回から毎回得点を重ねて同点に追い付き、8回には代打・松下且興外野手(商3=九州学院)の適時二塁打で勝ち越しに成功。7点差をひっくり返し、最終回は連投の森下暢仁主将(政経…

劇的勝利でV40を決めた。勝てば優勝の明大は3回までに7失点。しかし4回から毎回得点を重ねて同点に追い付き、8回には代打・松下且興外野手(商3=九州学院)の適時二塁打で勝ち越しに成功。7点差をひっくり返し、最終回は連投の森下暢仁主将(政経4=大分商)が三者凡退で締めた。5季ぶり40度目の優勝を果たし、6月10日から行われる全日本大学選手権への出場権を獲得した。

 

◆5・26 春季リーグ戦(神宮球場)                                            

▼対法大2回戦                                                                                 

 ◯明大8-7法大

(明)竹田、伊勢、磯村、○入江、森下-西野、蓑尾

(法)鈴木、高田孝、●新井、内沢、朝山-渡邉

【安】(明)16(法)10

【本】(法)渡邉(1回)、安本(3回)

【二】(明)内山(6回)、喜多(7回)、松下(8回) (法)中原(3回)

(明)◇犠打0 ◇併殺0 ◇残塁11 ◇盗塁2 長南(5回)、添田(6回) ◇失策1

 

 最後は主将が自ら決めた。9回2死、森下の投じた139キロのカットボールに伊藤寛士(法大)は手が出ず、見逃し三振。その瞬間、森下は大きく手を広げ、満面の笑みを浮かべたが、その笑顔はすぐに歓喜の渦に飲み込まれていった。

 

まさに総力戦だった。序盤から2本の本塁打を浴びるなど、7点を追う苦しい展開。「(雰囲気は)かなり沈んでいた。でも誰も諦めていなかった」(北本一樹内野手・文4=二松学舎大付)。代打・日置航内野手(商1=日大三)の2点適時打で反撃の口火を切ると、途中出場の選手たちが次々と結果を出していく。リリーフした3番手・磯村峻平投手(文2=中京大中京)と4番手・入江大生投手(政経3=作新学院)はどちらも無失点。同点打を放った公家響内野手(政経3=横浜)、勝ち越し打の松下も代打での起用だった。ベンチ入りメンバー25人のうち21人が出場したこの試合。「本当にチームで勝った勝利」(森下)。善波達也監督の采配も冴え渡り、選手と指導者も一体となって勝利をもぎ取った。

 

 昨春は優勝争いをしながら6試合を1点差で落とした。それが嘘のように今年度は接戦を勝ち切った。前日も9回2死から追い付いて引き分けに持ち込み、この日もまた7点ビハインドから逆転勝利。本物の〝勝てるチーム〟へと変貌を遂げた。次なる舞台は全国の強豪が集う全日本大学選手権。「目指すところは高いけど、絶対につかむ」(森下)。そう語る主将の顔は自信にあふれていた。

 

[楠大輝]

 

取材後のコメント

善波達也監督

--選手権に向けての意気込みをお願いします。

 「私が大学1年生のときから勝てていないのでいよいよ(イノシシ)ワッペンも復活したので、令和の最初の年に平成は勝てなかった分勝ちたいと思います」

 

井上祟通部長

--今のお気持ちを教えて下さい。

 「今回のチームは主将・森下、副将・和田、喜多、北本でやってきました。リーグ戦が始まる前からまとまっていまして、結束力という意味では私がこれまで何回か優勝を経験したチームと非常に近いものを感じました。そういう意味ではすごく優勝してほしいチームで始まって、期待通りに成果を挙げてくれたので本当に良かったと思います」

 

森下

--優勝してみてどのようなお気持ちですか。

 「昨日、終盤で点を取られてしまって、勝ち越しも許してしまったので本当に監督、チームのみんなにも不甲斐ないところを見せてしまいました。最後、本当に良いところ取りではないですが最後投げさせていただいた時には感謝の気持ちと、最後優勝したいという気持ちでマウンドに上がって投げました」

 

伊勢大夢投手(営4=九州学院)

--7点離された時のチーム内の雰囲気はどうでしたか。

 「とにかくみんなで盛り上げようという感じでした。誰も諦めている人はいなかったです」

 

内山竣外野手(商4=静岡)

--最後森下投手が投げたときのお気持ちはいかがですか。

 「最終回3人で抑えてくれてやはりさすがの一言です」

 

北本

--感謝を伝えたい人はいらっしゃいますか。

 「チーム全員ですね。自分の力で勝ったなんて思っていないので、本当に4年生や下級生が頑張ってくれたので勝てたと思います。全員に感謝しています」

 

喜多真吾内野手(法4=広陵)

--今日の試合を振り返ってみていかがですか。

 「苦しい展開だったのですが、本当にチーム全員がまとまって戦えてよかったです」

 

添田真海内野手(法4=作新学院)

--優勝してみていかがでしたか。

 「あんまり優勝した実感はないのですが、周りの人に支えられて勝てたのだと強く思います」

 

入江

--初の勝ち投手になった気持ちを教えて下さい。

 「本当に最高ですね。こんなにいい試合で投げさせてくれて、ましてや勝ちに恵まれたので本当に良かったです」

 

松下

--どのような気持ちで打席に立ちましたか。

 「何も考えるなと言われたので何も考えていなかったです。打った後ベンチが騒いでいたので嬉しかったです」

 

磯村

--どのような気持ちでマウンドに上がりましたか。

 「みんなが追い上げてくれているムードの中で自分が点を取られたら台無しになってしまうので、しっかり0点で抑えて流れを持っていこうという気持ちで上がりました」

 

日置

--リーグ戦初打席は緊張しましたか。

 「自分のスイングをしっかりやろうという思いだったので、あまり緊張はしませんでした」