東京六大学野球春季リーグ戦 対明大 2回戦

2019年5月26日(日)

神宮球場

 

負けるとその瞬間に明大の優勝が決まる今季の『血の法明戦』。今日は序盤に法大が渡邉雄太(キャ3)の満塁弾や安本竜二(営4)の今季6本目となるソロで7点のリードを奪うも、終盤に悲劇が待っていた。4回から明大に毎回得点を許し、みるみるうちにリードを縮められると、8回に放たれた代打・松下且興の適時打でとうとう逆転を許す。打線は中盤以降得点を挙げることができず、最後は明大のエース・森下暢仁の前に三者凡退に終わり、試合終了。明大に優勝を目の前で決められる屈辱的な敗戦を喫した。

 

戦評

昨日の試合では最後まで勝ちきれず、悔しい引き分けに終わった法大。何としても目の前で明大の優勝を阻止すべく、1回戦でリリーフながら3回を無失点に抑えた鈴木昭汰(キャ3)を先発のマウンドに上げた。

 

1回表、1死から連打を浴びるも後続をしっかりと打ち取る。するとその裏、打線が応える。1番・宇草孔基(営4)が左前へ強烈な安打を放つと、続く宮本隆寛(人3)は犠打の構え。相手先発・竹田祐の前へ転がすと竹田が送球ミス。思わぬ形で好機を作ると、福田光輝(人4)の適時打で波に乗る。なおも2死満塁とし、打席に入ったのは今季リーグ戦全試合に8番・捕手として出場してきた渡邉雄太(キャ3)。高めに入った真っすぐを、逆らわず左方向に放った打球は満塁弾となり、初回から6点のリードを奪うことに成功する。また、3回裏にも2回からマウンドに上がった伊勢大夢から、3番・安本竜二(営4)の今季リーグ戦第6号となるソロで1点を追加。鈴木も2、3回を危なげない投球で無失点に抑える。

今季6本目となる本塁打を左翼席へ運んだ安本

このまま逃げ切りたい法大だったが、4回表から試合の雲行きが怪しくなる。代打日置航に左前適時打を打たれ、送球ミスも絡み、2点を返される。5回には四死球で走者をためると北本一樹、長南佳洋に適時打を許し、またも2点を追加。5回途中からマウンドに上がった高田孝一(法3)も6回に3連打を浴び、6回終了時点で7-5と明大に2点差まで迫られる。 一方の法大打線は走者こそ出すものの、伊勢からスイッチした磯村峻平をなかなか捉えることができず、スコアボードに0が並び、明大に勢いが出始める苦しい展開に。

 

そんな中迎えた7回表、失策と適時打で2点を奪われ、ついに同点に追いつかれてしまう。ここで金光興二監督代行は左キラー、新井悠太朗(営4)を投入。1、2番をそれぞれ右飛、一邪飛に抑え、なんとかピンチを切り抜けたものの、8回表、ついにその時は訪れてしまった。2死一塁とし、打席には代打・松下且興。外角に投じた白球は無情にも中堅手の頭を越え、勝ち越しの適時二塁打となった。

今季力投を続けていた新井だったが、8回に逆転となる一打を許し、無念の降板となった

そのまま試合は進み、9回裏には昨日の試合で9回109球を投げた明大の絶対的エース、森下暢仁が登板。145㌔を超える真っすぐと鋭い変化球の前に法大打線は沈黙。最後の打者伊藤寛士(文4)が三振に倒れ、試合終了。明大の胴上げを間近で見るという最悪のシナリオとなってしまった。

 

開幕前、優勝候補の筆頭として挙げられていた法大。主将福田が「今日見せられた優勝を秋にできるように」と語ったように、目の前で優勝されて火のつかない者はいないだろう。まずは明日の試合を制し、勝ち点への望みをつなげる。

(加瀬航大)

クローズアップ:渡邉雄太

今季から背番号27を背負い、正捕手としてチームを支える男がうれしい初アーチだ。

 

チーム防御率4点台と苦しい投手事情を一番身にしみて感じているのは、紛れもなく女房役・渡邉雄太(キャ3)だろう。不振にあえぐ投手陣をリードだけでなくバットで支えようと意気込む矢先、初回にいきなり満塁のビッグチャンスで打席が回る。初戦にリリーフで好投した先発に起用された鈴木昭汰(キャ3)を「援護したい」。その一心で初球の内角の真っすぐを振りぬくと、打球は文句なし左翼席に飛び込む自身大学初となる本塁打。さらに満塁弾というおまけつきとなった。試合後「たまたま結果が付いてきた」と謙虚に振り返ったが、投手陣を支えたいという強い気持ちが生んだグランドスラムと言っていいだろう。

 

 昨季までの2年間リーグ戦の出場はなく、経験値は多いとは言えない渡邉にとっては苦しいシーズンとなっている今春。さらに今日は7点のリードをひっくり返され、目前で明大に優勝を許すという言葉にならない悔しさを味わう試合となった。しかし、落ち込んでばかりはいられない。明日、さらには来季に向け、伸びしろ十分の法大の『扇の要』は高みを目指し、邁進する。

(湯浅駿)

選手インタビュー

福田 光輝 主将

—今日の試合を振り返って

ピッチャーに尽きるのではないかなと。打線は7点取れたので、難しいのかもしれないですけど、抑えてほしいなというのがあります。

 

—7点のリードを守り切れずに敗戦となりましたが、課題は

自分もわからないのですが、ピッチャーが課題でありますし、何とかしないといけないところだと思います。

 

—投手への声かけとしてはどのようなことを

声をかけないということはないですが、(自分が)声を掛けたらどうなる、ということでもないと思います。厳しめに言うと、(投手陣が)自分たちで(現状を)打破することが一番良いのではないかなと思います。

 

—自身としては先制打を放ちました

あまり深く考えずに、来た球を打とうと思って、後ろにつないでいこうと思っていました。(打球が)落ちてくれたので良かったです。

 

 —次戦に向けて

秋も続きますし、春のリーグ戦も終わりではないので、絶対に立て直して、粘りの野球をしていきながら、今日見せられた優勝を(秋に)できるように頑張っていきたいと思います。明日は明日の試合として切り替えて、頑張ります。

 

宇草 孔基 副将

—今日の試合を振り返って

悔しいですね。悔しいです。

 

—7点差をひっくり返されての敗戦となりました

今の法政の弱さを物語っていると思います。

 

—明大の優勝を目の前で見ることとなりました

この試合を秋に必ずつなげなければならないです。負けてしまったので、収穫というものは一切ないのですが、秋は必ず、「この試合があったから」、「あの春のシーズンがあったから」と言えるように、この先取り組んでいかなければいけないと、強く感じています。

 

—明日に向けて

結果は明治の優勝になってしまいましたが、リーグ戦は終わっていないですし、最後までやり切る使命があると思うので、最後まで気を抜くことなく、全力で戦い抜きます。

 

鈴木 昭汰 投手

—今日の試合を振り返って

打線が7点入れてくれたにも関わらずいらない所でのミスの失点が差を縮めてしまって負けた原因になってしまってすごい申し訳ないです。

 

—どのような気持ちでマウンドにあがりましたか

明治が優勝するしない関係なく自分の調子もダメだったのでやることをやるという思いで割り切ってました。

 

—5回途中で降板されてしまいました

自分の実力だなという感じです。

 

—ご自身の課題は

ピンチでの粘り強さと勝負所での決め球の精度なのでしっかりそこをやっていきたいと思います。

 

—中継ぎ陣は思うような結果が出ませんでした

先発が粘れていないのでそのまま流れでいってしまったのですごい自分が悪いかなと思います。

 

—明日の試合に向けてお願いします

今日の課題を明日につなげるようにしっかり頑張りたいです。

 

渡邉 雄太 捕手

—今日の試合を振り返って

明治の強い打線にじわじわ来られてあせっていた部分はあったので、そこでしっかり粘れていたらなと思いました。守備のリズムが悪かったので攻撃にもつながらなかったなという感じです。

 

—初回、自身初の本塁打が満塁弾となりました

鈴木を助けようという一心だったので、ホームランは狙ってないんですけど、たまたま結果がついてきました。

 

—じわじわと明大に追いつかれていくという展開でした。継投について監督との相談は

いろいろバッターに応じて継投の話はしていて、タイミングは間違ってなかったなと思うんですけど、粘れなかったのが悔しいです。

 

—複数の投手をリードしました。心がけたことは

最近球が浮いて打たれることが多かったので、ローボールをジェスチャーとかで意識させようと心がけました。

 

—明大も継投策を巧みに使ってきました

1回に1点取るというのが目標なんですけど、4回以降先頭打者が出ていなくて、自分たちがそれぞれの役割を果たせていなかったなと思います。

 

—目の前で優勝を許す形になりました

悔しいの一言です。去年自分たちが優勝させてもらった立場なので、目の前で優勝されるとより悔しさがあります。

 

—明日の試合への意気込みをお願いします

しっかり勝ち点を取ることが大切なので、明治の勝ち点5は阻止したいです。

 

安本 竜二 内野手

—今日の試合を振り返って

あの展開から負けるのは、弱いですね。

 

—昨日の試合では4打数無安打と悔しい結果に終わってしまいました

昨日の反省を活かして、今日はまた新たな気持ちで臨みました。昨日で毎試合安打が途切れてしまったんですけれど、いい意味でフレッシュな気持ちで試合に入れたかなと思います。

 

—3回裏のソロ本塁打は狙っていた

来た球を打つという感じで、たまたまいいところに飛びました。

 

—8回表に逆転を許したとき、ベンチではどのようなことを

流れが向こうだったので、何とかそれを我慢我慢でしのぐしかなかったんですけれど、すぐまた同点に追いつこうという感じでした。

 

—目の前で胴上げされ、悔しさもあると思います

心底悔しいです。でも、受け止めるしかないと思うので、しっかり受け止めて、明日も試合がありますし、秋もありますし、前を向いてやるしかないと思うので、また明日頑張ろうと思います。

 

—明日の試合に向けて

春の明治戦は終わっていないですし、勝ち点もまだ取られていないので、勝ち点を取るために明日、明後日勝ちます。

フォトギャラリー

先制となる中前適時打を放った福田
満塁弾を放った渡邉
渡邉をベンチに迎え入れる選手たち
先発した鈴木
高田は明大打線の勢いを止められず失点を許した
9回に登板し、1イニングを無失点に抑えた朝山
宮本は最後まで気迫あふれるプレーを見せた
最後の打者となった伊藤

(写真:鈴木滉平、山﨑有馬)