ちょうど一年前、春の早慶戦で東京六大学リーグ戦(リーグ戦)デビューを飾った瀧澤虎太朗(スポ3=山梨学院)。現在はスタメンに定着し、1番打者として打線を引っ張る存在になっている。今季はすでに優勝の可能性は消えたものの、大観衆の中行われる早慶戦はやはり特別なものだ。伝統の一戦を前に、意気込みを伺った。

※この取材は5月21日に行われたものです。

「金子と吉澤とは仲が良いです」


取材に応じる瀧澤

――リーグ戦中は忙しく疲労もたまると思いますが、学業との両立はできていますか

  なんとかちゃんと学校には行っています。

――キャンパスで好きな場所はありますか

 学校に行ってすぐ帰ってしまうので…あんまりないです。

――近所で好きなご飯屋さんはありますか

 寮生になってから寮のご飯が毎日出るので、外でご飯を食べることがあまりなくなってしまったのですが、出前をとる時は、自分は結構そばが好きなので三晃庵というおそば屋さんの出前をとったりします。

――1、2番打者として共に打線を引っ張る金子銀佑選手(教3=東京・早実)とは仲が良いですか

 そうですね。結構仲が良くて常に一緒にいる感じです。

――何かエピソードはありますか

 リーグ戦入る前には二人でよくカラオケに行っていました。

――何を歌うのですか

 いろいろ歌います(笑)。

――他に仲のいい選手はいますか

 他は吉澤(一翔、スポ3=大阪桐蔭)ですかね。吉澤はほとんど授業が一緒で、一緒に学校に行って一緒に帰ってきて…練習出る時間も全部一緒なので。金子と吉澤とは仲が良いです。

「(明大戦は)後悔しています」

――春季リーグ戦について質問していきます。これまでの戦いを総括していただけますか

 個人のことでいうと、もう少し打撃面で結果が残せたなというのはあります。もったいない打席であったり、もう少しこうしておけば良かったというのが何打席もあるので、そういう打席を減らせたらもっとチームに貢献できているのかなと思います。

――ご自身の中で最も印象に残っている試合はどれですか

 やっぱり負けた明大戦ですかね。六大学で一番良い森下投手(暢仁主将、4年)を打ち崩せなかったので、それは秋にリベンジするしかないのですが、もう少し他に手は打てなかったかなというのは後悔しています。

――徳武定祐コーチ(昭36商卒=東京・早実)から、前のひじの出し方についてアドバイスをいただいたそうですが、このリーグ戦中に実戦できていますか

 打席に入ったら意識していないのですが、練習中は意識しています。前のひじが上がらないように、しっかり締めて打つように意識しています。

――これまでの安打の中で、理想的な安打があれば教えてください

 一番良かったのはやっぱり田中誠也さん(立大4年)から打ったらセンターへのホームランですかね。あとはきのう(法大3回戦で)追い込まれてからインコースをうまくさばけてライト線にツーベースを打てたので、それは自分の中ではうまく打てたかなという感じです。

――立大1回戦の本塁打を改めて振り返っていただけますか

 (攻撃)2巡目までヒット2本で、どちらも早川(隆久、スポ3=千葉・木更津総合)のものでした。早川が一生懸命投げて一生懸命打っていたので、ホームランを打とうとして打ったのではないのですが、野手である自分がなんとか早川を歩いて帰って来させることができて、一番良い結果だったのではないかなと思います。

――本塁打の後、ベンチからは何と声を掛けられましたか

 覚えてはないのですが、みんな喜んでくれて「ナイスバッティング」だとか言ってもらえたと思います。

――立大戦の後、後輩である栗尾勇摩選手(2年)と話したりしましたか

 LINEで話しました。

――どんな話をされましたか

 自分が「ちょっと力んでしまった」と言ったら、「自分もちょっと怖かったです」と。「瀧澤さんには投げたくないです」と言ってました(笑)。

――チーム打率、防御率ともにリーグトップです。そのことに関してはいかがですか

  チーム全体では個々の能力がしっかり発揮できていると思うのですが、チームとしてのつながりだったり、要所要所大事なところで打てないのが問題点です。防御率と打率が1位なのに、なんで(順位が)1位ではないのかというのは、それはこれからチームで、なんとかしていかなければいけないところです。監督さん(小宮山悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)も「しっかり自分たちの力を出せれば絶対に勝てる」というふうにおっしゃってくださっています。春はもう優勝がなくなってしまったので、秋に向けてチーム全員で改善していくしかないです。

――昨年に比べてチーム打率が上がった要因は何だと思いますか

 徳武さんが来て、やっぱりバッティングなので一人一人合う合わないがあるんですけど、徳武さんの熱い指導だったり姿勢を見て、打撃に対してみんなの意識が変わりました。自分たちが打てなかったら徳武さんも(周りから)言われたりするので、徳武さんのためだけにやっているわけじゃないですけど、ああいう熱い指導をしてもらっているのでみんな火がついているんだと思います。

――技術的な面というよりはメンタル的な面でしょうか

  技術的なことも一人一人しっかり練習しているので上がっていると思うんですけど、気持ちの面でも変わっていると思います。

「戦いながらも楽しみたい」


現在の打率は.370。リードオフマンとしての役割を全うしている

――打撃の調子は上がってきていますか

 はい。

――では現在のご自身の課題は何だと思いますか

 もったいない打席をつくらないことですかね。低めのボール球を振って三振してしまったり、何となくバットを出してしまって凡退してしまったりという打席が何個かあるので、そういうのをつくらないように早慶戦は戦いたいと思います。

――低めの変化球を振ってしまっているということでしょうか

 そうですね。もう少し見極めをしっかりしたいです。頭では打てないと分かっているのですが、体が反応して振ってしまうので、そこの体と頭をうまく合わせてやっていきたいです。

――早慶戦まで1週空きますが、どこに重点を置いて練習をしたいと思っていますか

 自分に与えられている仕事は1番打者として出塁することなので、やっぱりバッティングに重点を置いて練習をしていきたいと思います。いつも通りバットを振って、自分の感覚を確かめながらやりたいです。

――早慶戦を前に優勝の可能性が途絶えました。どのようにしてモチベーションを保っていますか

 優勝はなくなってしまったのですが、目の前の試合を自分は全力で戦うことしか今はできません。今ちゃんとやることで秋にもつながってくると思います。無駄な試合はないので、とにかく一生懸命やりたいです。

――4カードを終え、チームの雰囲気はいかがですか

 いいと思います。優勝はなくなってしまったのですが、勝ち点4で終わるのは秋にもつながってくると思うので。まあまあいいと思います。

――左投手にあまり苦手意識はないように見られます。第1先発の髙橋佑樹投手(4年)との対戦で意識されることは

 (左右の対戦)打率でいったら、多分同じくらいか、左(投手)の方が(右投手よりも)良いです。左ピッチャーに苦手意識はありません。あと、髙橋佑樹さんは低めのコントロールがすごくいいので、そこで自分の課題である見極めをしっかりできれば自分の打ちやすいカウントまで持っていくことができて、甘い球をしっかり捉えることができると思います。低めのボール球を振らないように意識するだけです。

――慶大には他にも実力のある投手が多数います。髙橋佑投手以外に、対戦が楽しみな投手はいますか

 同級生の木澤(尚文、3年)と佐藤宏樹(3年)は来年もずっと戦っていかないといけません。そこを打っておかないと今年の秋と来年にもつながっていかないので、その二人は打ちたいと思います。

――現在、瀧澤選手の盗塁数は渡部遼人選手(慶大2年)の4回に次ぐ3回です。意識はしていますか

 そうですね。一番になりたいという気持ちはあります。早慶戦で出塁して、自分が盗塁を決めればチームにも勢いが付いてチャンスも広がるので、一塁に出たら果敢に挑戦すると思います。

――リーグ戦前に上げられた打率4割、出塁率5割の目標は達成できそうですか

 打率はまだこれからですが、出塁率は厳しいと思います。打率4割、出塁率5割はとても高いハードルだったので、今回出塁率は達成できなさそうなのですが、秋につながる自分の課題がいろいろ見つかったので、打率は4割に乗っけられるように頑張ります。

――早慶戦でキーマンとなるのはどなただと思いますか

 やっぱり期待も込めて早川かなと思います。早川は毎試合一生懸命投げてくれていて、外野から見ていてもその気持ちが伝わってきます。早川が一生懸命投げれば打者もしっかり付いてきて打つので、早川ですね。

――早慶戦は楽しみたいとのことですが、応援の声が大きいとやはり違いますか

 全然違いますね。自分はレフトで出ていて慶応側なので、慶応の応援がすごく聞こえます。去年は楽しむというよりは必死になり過ぎてあまり周りも見えていなかったので、今年はだんだん慣れてきて相手と戦いながらも楽しみたいと思います。

――好きな応援歌、応援曲はありますか

 …。やっぱりチャンスの『コンバットマーチ』ですかね。打席に入っていると集中するので聞こえなくなるのですが、バッターボックス入る前は聞こえます。チャンスで回ってきたときの『コンバットマーチ』が一番ですね。

――昨秋の早慶戦や今春のリーグ戦開幕前日はなかなか眠れなかったそうですが、今回もそうなりそうですか

 今までは緊張して眠れなかったのですが、今回は楽しみで眠れなくなりそうです(笑)。

――これまでは何時くらいまで眠れなかったのでしょうか

 去年は2、3時まで(起きていました)。寝方が分からなくなってしまって(笑)。起きるのは6時半なので、やばいやばいと思いました。

――何時にベッドにつこうと思っていますか

 23時くらいにはベッドにつこうと思っています(笑)。

――最後に、早慶戦に向けての意気込みをお願いします

 早慶戦というのは早稲田、慶応にとって特別な試合です。早稲田の野球部である以上慶応には負けられないので、チームの代表として全力でプレーしたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 今山和々子)


神宮球場での『躍動』に期待です!

◆瀧澤虎太朗(たきざわ・こたろう)
1999(平11)年1月16日生まれ。180センチ、79キロ。山梨学院高出身。スポ―ツ科学部。外野手。右投左打。2番を打つ金子選手とは、今はとても仲良しだという瀧澤選手。ですが大学に入学するまで、甲子園にも出場している金子選手のことを全く知らなったそう。「自分はその時まだ甲子園に出られていなかったので、甲子園は嫌いでした」と、おちゃめに笑っていました。