春の過ぎ去りを感じさせる暑さの中、早大Bは慶大Bとの一戦に挑んだ。前回の流通経大戦ではA、Cチームは勝利を収めたものの、早大Bチームのみが敗戦してしまった。そのため、Bチームの選手達は試合ゲームキャプテンを務めたWTB加藤皓己(創理4=北…

 春の過ぎ去りを感じさせる暑さの中、早大Bは慶大Bとの一戦に挑んだ。前回の流通経大戦ではA、Cチームは勝利を収めたものの、早大Bチームのみが敗戦してしまった。そのため、Bチームの選手達は試合ゲームキャプテンを務めたWTB加藤皓己(創理4=北海道・函館ラサール)が「Bチームが全体を勢いづけられるような試合がしたい」と語るように今試合にかける思いは大きかった。序盤こそ拮抗状態になるが、徐々にペースをつかむ。スクラムでは優位に立ち、加藤がハットトリックを決めるなどFW、BKどちらも慶大Bを上回り、31-0とシャットアウト。後半は前半から一転し、ロースコアで時計の針は進む。前半のリードを縮められるも38-12で勝利を飾った。

 序盤はお互いに攻め込むも、ミスなど好タックルから得点を許さない。前半14分、早大は相手陣22メートルに侵入し、攻撃を重ねる。するとSO島本雄太(創理3=神奈川・桐蔭学園)が相手ディフェンスの穴を見逃さず、ギャップを突きラインブレーク。右のスペースにいたWTB安部勇佑(スポ3=東京・国学院久我山)がパスを受け取り、インゴールを駆け抜ける。スクラムでは早大優位で時間は進むと、徐々に攻守でペースをつかむ。前半27分にはラックからフランカー小柳圭輝(社2=東京・国学院久我山)が持ち出し、突破する。相手FBを振り切ってインゴールに飛び込み、追加点を挙げる。好タックルからカウンターラック。またも小柳が抜け出すと度は左の外にいた加藤が快足を飛ばし、サポートすると、左中間にトライを奪う。その後も得点を重ね続け、31-0と得点、試合内容共に圧倒。前半を終える。


この試合絶好調だった加藤

 後半最初の得点は慶大B。反則を早大Bが犯すと、一瞬の隙を突かれる。ペナルティーから速攻を仕掛けられると、裏のスぺ―スにキックを蹴られ、そのまま失点。相手に主導権を握られるかと思われたが、粘りのディフェンスでピンチの芽を摘む。すると、後半9分。相手陣奥深くでラインアウトからモールを組む。そのままモールで押し切り、フッカー宮武海人(政経2=東京・早大学院)がグラウンディング。少ないチャンスから得点を奪うことに成功した。お互いにその後は決定機でのミスや反則から追加点を挙げることはできない。試合終盤に慶大Bに失点を許すが、ノーサイド。後半のスコアでは劣ったものの、勝利を収めた。


ラインアウトモールから得点を挙げた

 スクラムでは終始優位に立ちゲームを進める事ができた。また、チーム全体としてパスをつなぎ、得点を重ねた。セットプレーの精度がさらに高まれば得点力はさらに増すだろう。選手の中でも「自分たちがやってきたことは間違いがなかったのだなと分かってよかったです」(ロック三浦駿平、スポ4=秋田中央)とスクラムで好感触をつかめているのは、チームとしていい傾向ではないだろうか。次戦の相手は明大B。昨年度の関東大学ジュニア選手権では優勝を飾ってる強敵だ。フィジカルの強い相手に対して今試合のように立ち回ることができるか。

(記事 小田真史 写真 涌井統矢、川上夏実、安岡菜月)

コメント

WTB加藤皓己(創理4=北海道・函館ラサール)

――前回の試合から振り返って現在の心境をお聞かせください

 まず、Bチームも新人も勝つことができた事実というか、結果自体はよかったと思います。その中でも試合内容で、あまりよくなかったところ、課題となるようなところも残ったので、そこはこれからまた改善していきたいと思います。

――前回の試合意識していた『規律』の部分はいかがでしたか

 ペナルティー自体は減ってきてますね。流れが悪くなるようなこともそんなになかったので、そこはよかったかなと思います。

――先程お聞きした「試合内容で、あまりよくなかったところ」とは具体的どのような部分でしょうか

 フェイズを重ねられた時のディフェンスのところで個々のタックルの部分ですね。アタックで言えばブレイクダウンで速くボールを出すことができなくて、それでチャンスをつぶしてしまった部分です。そこはしっかりと改善していきたいと思います。

――チームとして今試合意識していたことは何でしょうか

 『やってきたことをやる』ということです。特にBチームは前回の試合課題であったディフェンスというところで、そこにフォーカスしていこうという意識は高かったですね。14点という失点はしましたが、全体的にディフェンスの部分はよかったのではないかと思います。

――個人としてハットトリックを達成しましたが、どのトライがご自身の中で印象に残っていますか

 僕が大外でボールをもらってトライしたやつですね。僕が個人技で抜いたというよりはチームのかたちとして抜いたというトライがあったのですが、高木くん(FB高木樹、法3=大阪・早稲田摂陵)からパスをもらったやつです。あれは自分たちが内側でFWが頑張ってくれていいオプションを使い、外に運べてトライにつながりました。チームとしてのよさがでたトライだったかなと思います。

――次戦に向けてどのように修正していきたいでしょうか

 ディフェンスを磨き上げるというところは継続でそこにフォーカスしていきたいなと思います。その中で個々のタックルのスキルであったり、ボールキャリーのスキルであったりがAチームとの差があるので。この2週間ぐらいで、個人としてもしっかりと磨き上げることができればなと思います。それがチームのレベルアップにつながればいいなと思います。

ロック三浦駿平(スポ4=秋田中央)

――今期けが明け初のスタメン出場となりましたが、率直な心境を教えてください

 まず、今の目標はAチームで活躍することなので、それに向けてまずはこのBチームの試合でアピールできるようにということを意識して頑張りました。

――今回慶大Bに、スクラムで押す展開が多かったと思うのですが、その点については何かありますか

 自分たちのスクラムをすればファーストで押せると分かったので、自分たちがやってきたことは間違いがなかったのだなっていうのが分かって良かったです。

――ゲインしているシーンが多く見られましたが、ご自身のプレイを振り返っていかがですか

 自分の強みが、コンタクトの強さなので、そういうところを試合の中でしっかりと出していけば、それがそのままコーチ陣へのアピールに繋がるということを意識してボールに向かっていました。

――ラインアウトは少し不安定な部分があり、それをモールで補っていたと思うのですが、どうですか

 ラインアウトはちょっとフッカーとタイミングが合わなかったっていうのが大きくて、まだまだ練習が必要だなって思いました。モールも押し切りたかったんですけど、崩れちゃう場面が多かったのでそこもまだまだ課題だなと思いました。

――今後はAチームで活躍していくために、何か収穫はありましたか

 ディフェンスの部分でまだまだコンタクトで負けているところが多いので、またアタックは継続して力強いプレーをしていく中で、ディフェンスでもアタックのような力強いプレーができるようにしていければなと思います。

フランカー小柳圭輝(社2=東京・国学院久我山)

――トライのアシストについて振り返っていかがですか

 自分の前の空いたところに仕掛けました。強い気持ちを持ってチャレンジできたので良かったです。

――前回の流通経済大学B戦では悔しい敗戦となりましたが、今回の試合において何か反省を生かした点などありましたか

 FWの内側を絶対取られないようにすること、速いセットをして前に出ること、ディフェンスを今試合のテーマにしました。

――自分の武器としていきたい点は何ですか

 コンタクトの激しいプレー、粘り強いブレイクダウン、タックル。この3つのレベルを上げて武器にしていきたいと思っています。

――後半になって得点を許し、流れが少し慶大Bに傾いた場面もあったように感じましたが、どのようにお考えでしょうか

 前半もそうなんですけど入りの部分でうまくいっていなくて、後半ではそこで1本取られてしまった感じです。入りの部分を良くしていく、修正していくことがまず大切だと思いました。

――最後に、今後の意気込みをお願い致します

 まだ春シーズンは試合が続くので、一試合一試合しっかりとテーマを持って必ず勝利していきたいと思います。

ジュニア春季オープン戦
早大Bスコア慶大B
前半後半得点前半後半
3112
38合計12
【得点】▽トライ 加藤3、安部、小柳、宮武 ▽ゴール 島本(4G)

 
     

早大Bメンバー
背番号名前学部学年出身校
木下 隆介文構3東京・本郷
後半20分交代→17武田雄
宮武 海人政経2東京・早大学院
後半20分交代→16長谷川
土田 彬洋スポ3茨城・茗溪学園
後半20分交代→18安西
中尾 悟スポ4神奈川・桐蔭学園
後半10分交代→20高吉
三浦 駿平スポ4秋田中央
後半35分交代→19永瀬
小柳 圭輝社2東京・国学院久我山
後半35分交代→22宮下
坪郷 智輝法3埼玉・川越東
後半35分交代→21淺沼
沖野 玄商4北海道・函館ラサール
森谷 隆斗商2東京・早大学院
前半34分交代→23矢野
10島本 雄太創理3神奈川・桐蔭学園
後半19分交代→25武田誠
11◎加藤 皓己創理4北海道・函館ラサール
後半21分交代→26村岡
12松本 悠汰スポ4大阪・天王寺
後半0分交代→28竹下
13平井 亮介スポ3福岡・修猷館
後半19分交代→29田所
14安部 勇佑スポ3東京・国学院久我山
後半32分交代→30清水竜
15高木 樹法3大阪・早稲田摂陵
後半0分交代→31島田
リザーブ
16長谷川 太スポ2群馬・県太田
17武田 雄太文4東京・早実
18安西 樹法4東京・早大学院
19永瀬 功太郎文構2東京・早実
20高吉 将也教3神奈川・桐蔭学園
21淺沼 黎政経2東京・青山学院
22宮下 龍樹人2茨城・茗溪学園
23矢野 翼スポ3愛知・明和
後半35分交代→24蒲谷
24蒲谷 勇太郎法4東京・早大学院
25武田 誠太郎社4島根・石見智翠館
26村岡 隆貢人3東京・国学院久我山
27千年原 倭文構3東京・早実
28竹下 日向教2神奈川・桐蔭学園
29田所 賢汰社3埼玉・早大本庄
30清水 竜成教2東京・早実
31島田 雄大商3東京・早大学院
後半21分交代→27千年原
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)