来たる5月26日、令和最初の早慶戦が長野にて幕を開ける。関東大学春季大会(春季大会)第二戦の流通経大戦では、序盤から相手に流れを譲ることなく積極的な攻撃を見せる。前半だけで5トライを挙げて27−10と試合を折り返した。後半になっても流れが衰えることはなく、最後まで相手にアタックの隙をほぼ与えぬままノーサイド。春季大会初白星を挙げた。

 次に早大のこれまでの春季大会での戦いを振り返っていきたい。スクラムでのペナルティーに苦しみ、初戦の東海大戦を僅差で落としてしまう。『discipline』をテーマにペナルティーやミスを少なくすることを重点的に意識して流通経大戦に臨んだ。接戦が予想された試合で、先に主導権を握ったのは早大だった。9分、WTB桑山淳生(スポ4=鹿児島実)がSO岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)からのロングパスを受けインゴールに飛び込み、先制。そのまま立て続けに2トライを挙げ早々に相手を突き放す。その後は、フランカー幸重天副将(文構4=大分舞鶴)が「自分たちのやりたいアタックができるように」と語っていたように、絶妙なパス回しで相手の隙を突くアタックで得点を積み重ね、ほとんど攻撃をさせることがないまま51−24で勝利。課題としていたスクラムでは、前後半を通して相手にペナルティーを誘発させるなど改善が見られた。前回の試合同様にラインアウトはすべてのボールを獲得に成功。セットプレーにおける安定感を発揮した。昨季と比較すると、FW間でのパスをつなぐ場面が目立ち、FWとBKが一体となった攻撃を展開できたこともまた、勝因の1つであろう。しかし、失った4トライ全てが早大ペナルティーからの失点であったため、やはり『discipline』の部分ではこれからもさらなる改善が必要だ。


岸岡のパスから得点を奪った

 次戦、伝統の一戦である慶大戦に臨む。今年度から新しいHCを迎えて新体制で春季大会を戦っている慶大だが、ここまで流経大戦、帝京大戦と連敗を喫している。CTB栗原由太主将(慶大)らを欠いた初戦の流通経大戦では、ラインアウトをはじめとするセットプレーでのミスが目立ち、12−38で敗戦。課題が浮き彫りとなる結果になった。ただ、先週の帝京大戦では黒星こそ喫したものの、U20日本代表に選出されたフランカー山本凱(慶大)を中心とした活躍で4トライを奪い、さらには流通経大戦での課題であったラインアウトの成功率を確実に上げて、確かなレベルアップを示した。昨季からAチームで活躍するフランカー川合秀和(慶大)などを要するFW陣の低く鋭いタックルには警戒が必要だ。幸重副将が「相手も気合いを入れて臨んでくると思います」と語るように、昨年度の関東大学対抗戦、そして全国大学選手権の雪辱に燃える慶大。熱戦が予想される。


得点に貢献したFB河瀬諒介(スポ2=大阪・東海大仰星)

 一方の早大陣営。チームの要であるSH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)を欠いた流通経大戦であったが、初めてAチームのスターティングメンバーとして出場したSH河村謙尚(社2=大阪・常翔学園)の躍動が要所で見られ、早大らしい「展開ラグビー」で相手を圧倒した。早慶戦でもその活躍に期待したい。また、U20日本代表の遠征から帰国し、チームに合流したCTB長田智希(スポ2=大阪・東海大仰星)や河瀬らのプレーからも目が離せない。サポートの面で「海外との差」を感じ、意識し始めたと長田が語るように、自らがトライを狙うだけでなく仲間のトライを支える彼らの動きにも注目だ。また、流通経大戦では東海大戦の課題であったスクラムにおいて、大きな改善が見られた。相手に押される場面が何度か見られた前半であったが、後半からはその修正に成功。試合中に課題を修正できるようになったということは、早大にとって大きな収穫であろう。しかし、ゴール前のラインアウトモールでは相手に簡単に押し込まれるなど、課題は残る。慶大の強力なFWにどこまで粘れるかが鍵となるだろう。

 「一試合一試合レベルアップしていきたいと思います。」と相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)が語った通りに、流通経大戦では課題を克服し、修正力の高さを見せた。課題を選手全員で共有し、それを一つずつクリアしながら着実な成長を見せている。伝統の一戦での早大フィフティーンのさらなる奮起に期待したい。

(記事 安岡菜月 写真 涌井統矢、馬塲貴子)

関東大学春季大会Aグループ星取表
帝京大早大慶大東海大大東大流経大
帝京大6/16 13:00帝京大G◯42-205/26 13:00山梨・中銀スタ◯60-7◯50-19
早大6/16 13:00帝京大G5/26 12:30長野U●38-406/2 13:00熊谷◯51-24
慶大●20ー425/26 12:30長野U6/16 13:00東海大G6/9 13:00慶大G●12-38
東海大5/26 13:00山梨・中銀スタ◯40-366/16 13:00東海大G◯33-296/9 13:00東海大G
大東大●7-606/2 13:00熊谷6/9 13:00慶大G●29-336/16 13:00大東大G
流経大●19-50●24-51◯38-126/9 13:00東海大G6/16 13:00大東大G

※熊谷は埼玉・熊谷ラグビー場、帝京大Gは東京・帝京大学百草園グラウンド、山梨・中銀スタは山梨県小瀬スポーツ公園、慶大Gは神奈川・慶大日吉グラウンド、早大Gは早大上井草グラウンド、長野Uは南長野運動公園総合球技場、東海大Gは神奈川・東海大湘南グラウンド、大東大Gは埼玉・大東大東松山グラウンド、茨城・流経大Gは龍ヶ崎グラウンド

 ■順位決定方法
①順位の決定に当たり、勝ち点制を採用し、全試合終了時点で、勝ち点の多い順に順位決定を行う。
②勝ち5点、負け0点、引き分け2点とする。
③またボーナス点として、以下の勝ち点を与える。
 1)勝敗に関係なく、4トライ以上獲得したチームに、勝ち点1を追加
 2)負けても7点差以内ならば、勝ち点1を追加
④全試合終了時点で勝ち点が同じ場合、次の各号により順位を決定する。
 但し、3チーム以上が並び、各号において2チームが並んだ場合は、並んだ2チームについてそれぞれ次号により決定する。
 1)全試合の得失点差の多いチーム
 2)全試合でのトライ数が多いチーム
 3)全試合でのコンバージョンゴール数の多いチーム
 4)当該チームでの抽選