ここまで着実に勝ち星を積み上げてきた早大は、春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)最終戦で敬愛大と対戦した。最終戦にして勝ったチームが1部との入れ替え戦に進出するという状況で、相手は前回対戦で負けた敬愛大。早大にとっては、この上なく気合が入る一戦となった。しかし、第1セットと第2セットは相手の勢いに押され連取されてしまう。第3セットは早大らしい『粘りのバレー』を展開し奪い返すと、第4セットもジュースに持ち込む大接戦に。それでも、実力のある敬愛大の前にあと一歩及ばずこのセットを落とし、セットカウント1-3(15-25、18-25、25-16、24-26)で敗戦。春季リーグを3位で終えた。

 序盤で流れをつかみたい第1セットであったが、立ち上がりから敬愛大にスパイク・ブロック・サーブの全てで得点を決められるなど完全に主導権を握られる。流れを変えたい早大は、すぐさまセッターを植松知里(文構3=香川・高松第一)に代えて試合の立て直しを図った。しかしその後も自陣でのミスが重なり流れをつかめず、10点もの差をつけられこのセットを先取される。続く第2セットは、セット序盤こそ齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)や中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)、山下日和(社1=千葉・市船橋)の活躍で競り合う展開を繰り広げるも、相手に6連続得点を奪われるとまたも流れをつかまれる。早大は梨本未央(社3=東京・駒場)や村山果菜(教3=東京・国際)を投入し反撃の糸口を探るも、連続得点でつけられた点差は大きく第2セットも奪われる。


最後までチームを引っ張る富澤

 後がなくなった第3セット。富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)が「やるしかないなっていう吹っ切れがすごいあって」と振り返るように、第1セット・第2セットとはまるで異なる選手の姿があった。山下、中澤の1年生コンビがいきなり3連続得点を奪うと選手たちに『笑顔』が戻っていく。こうなると止まらないのが今年度の早大。決して身長が高いわけではない井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)がブロックポイントを奪うと、長いラリーでも河治えみり(社3=北海道・旭川実業)の好レシーブから得点に結びつけるなど、ビックプレーを連発。そのなかでも攻守とも大味にはならず、早大らしい『粘りのバレー』を展開した。その後も、植松のトスは攻撃陣に偏りなく供給され相手ディフェンスに的を絞らせず、第3セットを奪い返した。フルセットに持ち込みたい第4セットであったが、序盤に6連続得点を奪われ暗雲が立ち込める。しかし決して『笑顔』を忘れなかった早大は、タイムアウトで気持ちを切り替えると怒涛の7連続得点を奪い、9-9の同点に追いつく。その後は敬愛大に攻め込まれる場面もあったが、中澤が2本のサービスエースを決めるなど躍動し敬愛大に食らいつく。早大は富澤のスパイクポイントで先に24点目に到達するも、敬愛大にジュースに持ち込まれると、そのまま3連続得点を奪われ敗戦。春季リーグは3位で幕を閉じた。


試合直後、肩を落とす選手たち

 最終順位『3位』は、『全勝優勝』そして『1部昇格』を掲げていたこのチームにとっては不本意な結果であったに違いない。また4年生4人にとって、この春季リーグは1部の舞台に挑戦するためのラストチャンスであった。それをみんなが理解しているからこそ、後輩からは試合後に「申し訳ない」(中澤)という言葉が出たのだろう。しかし、富澤はこのリーグは結果が出なかった悔しさもあるが、「楽しかった」とも振り返った。後輩は4年生のためにプレーをし、4年生もまたそれを感じながら楽しんで試合に臨んでいたのだ。スポーツをしているうえで結果というのは確かに重要だ。だが、部活として仲間と同じ喜びや悲しみを共有するということも結果に匹敵するくらい大切なことである。このリーグ戦では結果は伴わなかったものの、できたばかりの新チームがここまで1つになれたのは大きな収穫だ。それでも、『1部昇格』という目標は変わらない。『笑顔』がどのチームにも負けないような『誇り』となったとき、早大バレーボール部女子部はきっとその目標を達成することだろう。

(記事 友野開登、写真 萩原怜那)

セットカウント
早大15-25
18-25
25-16
24-26
敬愛大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
レフト 中澤恵(スポ1=大阪・金襴会)
センター 齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)
センター 山下日和(社1=千葉・市船橋)
ライト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 河治えみり(社3=北海道・旭川実業)
最終結果

3位 7勝3敗


気持ちを切り替えて歩み始めた部員たち

個人賞

ベストスコアラー賞 中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)

ブロック賞 齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)

サーブ賞 中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)

リベロ賞 河治えみり(社3=北海道・旭川実業)

新人賞 中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)


賞を受賞した3人。左から中澤、河治、齋藤

コメント

馬場泰光監督(平8人卒=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

上位リーグに入ってチーム作りの、監督としての実力不足だったなと、そういう結果がきょう招いてしまったかなと思い反省しています。

――リーグ戦を終えられて率直な気持ちを聞かせてください

今お話した通り、個人賞をこれだけ取る本当に素晴らしい学生がいっぱいいて、それにも関わらず良い結果に導けなかったというのは指揮官の責任だと思っていますので、そういった意味では学生にはあまり下を向いて欲しくないですし、彼女たちは出せるものをしっかり出しきったと思いますので、どういう風にチーム作りをしていくのか、どういう風に戦うのか、こういうところをしっかり見つめ直して、私も取り組み直したいと思います。

――きょうの試合は選手にたくさん声を掛けられていましたが、どのようなことを心掛けて指示されていましたか

選手たちは素晴らしいものをいっぱい持っているので、それをしっかり出しきって欲しいと、そのことだけ学生のみなさんに声掛けしました。

――ここから練習していきたい点はどこですか

学生たちがやってきた技術向上だとか、そういうところは間違いではなかったと思いますので、そこをどうやって引き上げるのか、そのマネージメントの部分を次につなげられるようにあしたから自分を見つめ直して学生を導いていきたいと思います。

――これからに向けて一言お願いします

チームの事情も色々あって学生のメンバーもこれから少しずつ変化してはいきますが、学生の良さをしっかり引き出してあげてこの後の早慶戦、それから東日本インカレで、きょう出た結果の悔しさを跳ね返すようにさらに頑張りたいと思います。

富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

本当に悔しいですよね。

――3セット目は早稲田らしいプレーができていたと思いますが、その要因は何だと思いますか

2セット取られてやらなきゃという思いがみんな出たと思うし、やるしかないなっていう吹っ切れがすごいあって、いいプレーがいっぱい出たのではないかと思います。

――今後の改善点として挙げられるのはどのような点ですか

相手のポイントというよりも自分たちのミスがすごく多くて負けているセットばかりなので、どれだけ自分たちのミスを出さないで攻められるかというのがこれからの課題になるかなと思います。

――キャプテンとして4年生として挑んだ春季リーグだったと思いますが、ご自身にとってどのようなリーグになりましたか

楽しかったですが、結果が付いてこなかったので悔しいなという気持ちもあるし、1年生がいっぱい活躍してくれて、個人賞もすごい取れたので、それは早稲田にとってすごい力になると思います。まだこのチームが終わったわけじゃないし、早慶戦もあるし、東日本インカレもあるし、秋リーグもあるし、まだまだ試合もいっぱいあるので頑張りたいと思います。

植松知里(文構3=香川・高松第一)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

入れ替え戦につながる試合だったのでみんな勝たなきゃとなって固い部分があったし、絶対勝って入れ替え戦に行って1部に上がるっていうのをずっと目標に新チームが始まったときからずっとやってきたのですごい悔しいです。

――1セット目の途中から出場されていましたが、そのシチュエーションは試合前から想定されていましたか

そうですね。監督にもそれは言われていたのでベンチで準備しておこうという気持ちはありました。

――セッターから見て、ブロック、スパイク、2球目も含めてきょうの守備の印象はいかがですか

早稲田は粘りのバレーをしようってやっていて、つないでつないでラリーを取れているシーンもたくさんあったと思いますが、自分も余裕が無くなってしまった場面がたくさんあって、うまくコンビを組めなかったりした場面がたくさんあったなと思います。

――改善点はありますか

これ一つという課題があるわけではないと思うので、今回負けたことで出た課題というのをみんなで出し合ってそれを克服して秋は絶対に1部に上がれるように頑張ります。

――これからに向けて一言お願いします

今のチームの課題だったり自分の課題っていうのもこの2ヶ月のリーグですごい分かったので、そこをもう1回みんなで修正して、もっと詰めるところはしっかり詰めて、先程も言いましたが秋に絶対に1部に上がれるように頑張ります。

中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

まだ整理できていないですが、1セット目、2セット目が取れなかったことが敗因だと思うし、とりあえず悔しいです。キャプテンの富澤さんにもう1回1部でバレーをやってほしいと思って春リーグ頑張りましたが、入れ替え戦にも行けない結果になってしまって本当に申し訳ないなと思います。

――リーグ戦を終えられて、率直な気持ちを聞かせてください

相手に何をされたとかそういう問題ではなくて自分たちの問題で負けていると思うし、もっと詰めていかないといけない気持ちの部分だったりプレーの組み立て方だったりはもっとあると思うので、自分はまだ1年生ですけどそういう部分はもっとチームに厳しく発信していけることだと思うので、これから早慶戦があったり東日本インカレがあったり試合は続いていくので、そこでいいバレーができるようにつなげていきたいなと思います。

――ご自身の攻撃面を振り返っていただけますか

きょうは攻めようと思ってやりきろうと思ってミスを怖がらず打っていくことを課題として試合に入りましたが、大事なところで上がってくるポジションなのに1点欲しいという場面で決めきれない時がありました。そういう苦しい時に頼りになる選手にもっとなれるように成長したいなと思います。

――改善点を挙げるとしたら

もっと勝ちにこだわる部分だったり落としてはいけない1点や小さいミスにこだわる気持ちだったり、そういう適当に流さないようなこだわりが足りなかったりするので、ただ勝ちたいと言ってるだけでなく、何をしなければいけないのか自分たちに何が必要なのかをもっともっと考えて秋にしっかり1部に上がれるように頑張りたいなと思います。

――これからに向けて一言お願いします

1年目で先輩たちに頼りきっている部分も助けてもらっている部分もあるので、1年生らしくやることも忘れず、しっかり自分のプレーを出しきれるように自信を持って次の大会に挑めるように、一日一日無駄にしないで取り組んでいきたいと思います。

――