第8回関東大学春季大会Aグループ

慶大20ー42帝京大

5月19日(日)13:00K .O . 

@帝京大学百草グラウンド

一週間前に行われた初戦の流通経済大戦ではセットプレーの安定感を欠き敗戦を喫した。連敗は避けたい2戦目の相手は強敵・帝京大だ。立て続けに2トライを決める好調な立ち上がりで序盤は試合を支配し、課題であったセットプレーも改善が見えた。力及ばず20-42で敗れたものの、確かな手応えを感じられる試合となった。


T=高木、山本凱

【Starter 】
1.PR(プロップ) 原田衛(総2・桐蔭学園)
2.HO(フッカー) 安田裕貴(政4・慶應)
3.PR(プロップ) 室星太郎(総4・静岡聖光学院)
4.LO(ロック) 川端隼人(理4・國學院久我山)
5.LO(ロック) 篠原孝太(政2・慶應)
6.FL(フランカー) 川合秀和(総4・國學院久我山)
7.FL(フランカー) 山本凱(経2・慶應)
8.No.8(ナンバーエイト) 濱野剛己(総3・桐蔭学園)
9.SH(スクラムハーフ) 若林俊介(政3・慶應)
10.SO(スタンドオフ) 鎌形正汰(商3・慶應)
11.WTB(ウィング) 宮本恭右(環3・慶應)
12.CTB(センター) 木村朝哉(商4・慶應志木)
13.CTB(センター) 三木亮弥(総3・京都成章)
14.WTB(ウィング) 安西浩昭(政4・慶應)
15.FB(フルバック) 高木一成(商4・慶應)
【Booster】
16. 山本英晴(商4・慶應)
17. 松本拓弥(総4・常翔学園)
18. 瀬田俊幸(経3・慶應志木)
19. 池田勇希(商3・熊谷)
20. 今野勇久(総1・桐蔭学園)
21. 上村龍舞(環4・國學院栃木)
22. 中楠一期(総1・國學院久我山)
23. 橋本慶太郎(環3・國學院久我山)

【選手変更】

11分 HO安田 裕貴→16 山本 英晴
32分 FL山本 凱→20 今野勇久
55分 LO篠原 孝太→19 池田 勇希
63分 SH若林 俊介→21 上村 龍舞
63分 CTB木村 朝哉→23 橋本 慶太郎
76分 FB高木 一成→22 中楠 一期


今回はFBで出場した高木が相手の複数ディフェンスを突破し先制点をもぎ取った

相手の帝京大は昨年度の大学選手権でついに連覇が止まり、一強時代に終わりを迎えたかに見えた。しかしこの春季大会では初戦から大差で連勝しており、王座復権へ順調だ。慶大にとっても、帝京大は昨年の春季大会では12-52で大敗、対抗戦では19-24と5点差まで追い詰めたものの勝ちきることができなかった相手だ。

 慶大は前週の流通経済大戦と同様に主将の栗原由太(環4・桐蔭学園)が不在ながらも、U20日本代表のメンバーであるPR原田衛(総2・桐蔭学園)、LO篠原孝太(政2・慶應)、FL山本凱(経2・慶應)がスターターに加わり、フルメンバーに近い布陣で試合に臨んだ。

 試合は慶大のキックオフで始まった。試合開始早々の前半4分、FB高木(商4・慶應)がトライを決め慶大が先制点を獲得。この良い流れに乗り、流経大戦で課題となっていたラインアウトを成功させると、前半6分、FL山本凱が相手ディフェンスの隙を突きゴールラインへ一気に駆け抜けてグラウンディング。厳しい試合展開が予想された中、10-0でリードし上々の立ち上がりを見せた。


U20日本代表から帰ってきたFL山本凱はいきなり存在感を発揮

 しかしその後は主導権を帝京大に奪われ、守りの時間が続いた。22分、ついにディフェンスを突破されビックゲインを許しそのまま失点。31分にはゴールライン際での攻防の末トライを献上、10-14となり逆転されてしまう。

前半終了間際、またも自陣ゴール前まで攻め込まれピンチを迎えるが、なんとか耐えきりハーフタイムへ。さらなる追加点は許さなかった。


ハーフタイムにはヘッドコーチも円陣に加わった

迎えた後半。どうにか追いつきたい慶大だったが、自陣での帝京大ボールのラインアウトからゴールに迫られると、後半2分、止めきれずに失トライ。このままやられてばかりではいられない慶大もすぐさま反撃。相手のゴール際まで攻め込み、最後は1年生のFL今野勇久(総1・桐蔭学園)が大学初トライを決めた。


2試合連続の出場となったFL今野の大学初トライ

ここから、慶大自陣でのプレーが続き帝京大ペースで試合が進むものの、両者大きなチャンスをつかめないまま試合が膠着する。この状態を打破させたのはやはり優位な立場にあった帝京大だった。23分にインゴール中央にトライ、立て続けに27分にもトライを奪われる。32分に慶大は敵陣でのスクラムからゴール前へ迫るもボールを奪われ、カウンターをしのぎきれずに失点。15-42と突き放されてしまう。

試合終了間際、敵陣でのラインアウトを獲得した慶大がこれを成功させ、インゴール前での攻防の末、PR原田がゴールに押し込んだところでノーサイド。20-42で春季大会2連敗となった。


PR原田のトライで一矢報いた

 結果としては強敵・帝京大に勝負所での強さを見せられ、力及ばず敗れた今回の試合。しかし、前半の序盤には2トライを先制し試合の主導権を握ることができた。また、前回の流経大戦ではセットプレー、特にラインアウトが重要な課題だったが、1週間で見事に修正し、ラインアウトの成功率は格段に上げることができた。高木は「帝京大に対して前半いい試合ができたことで自信がついた」と語り、負け試合ながらも慶大にとって確かな手応えを感じる試合となった。


ラインアウトは前週より改善された

 次戦の相手は早大。早大といえば昨秋の対抗戦で敗れた相手であり、さらに再び対戦した大学選手権、ラストワンプレーで逆転トライを許したあの悲劇的な試合も記憶に新しいだろう。今回の帝京大戦で得た自信は、今大会初の勝利、また因縁の相手へのリベンジを果たすための助けになるはずだ。黒黄軍団のこれからに期待したい。

(記事:松嶋菜々美 写真:竹内大志・野田快)

次戦 VS早稲田大

5月26日(日)12:30K.O.

@長野Uスタジアム

以下、コメント

FL川合秀和(総4・國學院久我山)

──今日の試合を終えて、率直な感想を

結果は受け止めなければいけませんが、成長は感じることができました。今日自分たちで挙げたフォーカスを、前半のメンバーはもちろん、後半入れ替わってきた選手たちもしっかりとできていました。前回は自分ベクトルになってしまっていた選手がいたり、チーム全体で”Unity”を持って勝とうという意識が薄かったりしたのですが、今日は特に”Unity”という部分で一気に団結できた試合だったのではないかなと思います。

──今日のゲームプランは

アタックでは、「FWとBKでしっかりとリンクして全員が脅威になる」と、体格の良い選手たちに対して自分たちは低く前に進む”ボディーハイド”という部分にフォーカスしていました。ディフェンスにおいては、タックラーの選手以外もしっかりと内側から相手を狙っていくという”ハンター”というものと、2人目のブレイクダウンでの判断についてフォーカスしました。結果としてアタックの部分では、今までやってきた”慶應のアタック”を出せてきているかなと思います。ディフェンスの部分では、毎回相手が違うということもあって課題は色々と見つかりました。ですが、”全員で同じ方向を向こう”という意識はとても強かったと思います。

──試合の序盤は慶大ペースでしたが、流れを相手に渡してしまった原因は

途中から相手が自分たちの弱いところを攻め始めてきました。特にディフェンスにおいてどんどん受けの姿勢になってしまったことが、次回に向けての課題として挙げられると思います。

──今日の試合ではU20日本代表から帰ってきた3選手もスターターに名を連ねました

連携などについて、彼らは帰ってきてからもすぐに(チームの方針を)吸収してくれました。しっかりと自分たちの力を出してくれてチームも助かりましたし、頼りにしています。

──セットプレーの完成度について、手応えは

前回の反省を生かしながらプレーできました。ラインアウトの成功率はよかったと思います。スクラムに関しても、途中から代わって入った英晴(山本=商4・慶應)が「スクラムについてのフォーカスを遂行しよう」と自ら発信してくれたことで、一つになったスクラムを組むことができました。もちろん受けてしまっていた部分もあったとは思いますが、それこそ”Unity”を感じた試合だったと思います。

──前回に引き続き、栗原由太主将(環4・桐蔭学園)が不在の中での試合となりましたが

プレーで引っ張る由太がいない中で、チームの一人一人がみんなでコミュニケーションを取りながら助け合っています。団結力は少しずつ高まっていますね。彼が1人で声を出して頑張るのではなく、みんなで”Unity”というものを大切にしながら頑張れていると思います。

──最後に、来週長野で行われる早慶戦に向けての意気込みを

今日もけが人が出てしまったので来週のメンバーがどうなるかはわかりませんが、どのメンバーであっても、慶應の3本軸である”Unity”、”Balance”、”Dominate”をしっかりと全員で遂行できれば勝てるのではと思います。

No.8濱野剛己(総3・桐蔭学園)

──チーム全体として帝京大学戦に対する意識は

今週練習の頭から、ディフェンスでは内からの圧力と二人目の判断、アタックではFW、BKの連携のところと、ボールキャリー時の姿勢の低さをずっと意識してやってきました。

──前回の試合ではディフェンスの二人目の判断に課題があったという話だったが、改善できたか

二人目がラックにかけるか、かけないかという判断のところに関していえば、今日はしっかり見極めて出来ていたのかなと思います。ただ、相手のアタックのセットが早く、順目順目で攻められてFWでゲインされた、というところが課題でした。

──後半リードを広げられてしまった原因は

ディフェンスのセットの部分と、セットプレーからの順目の帰りというのが課題でした。

後半の(体力的に)きつい部分ではあったのですが、そこでもう一踏ん張りしてFWが順目に回ってディフェンスの整備をすると、もう少し楽にディフェンスできたかな、と思います。

──2戦連続No.8での出場となったが、課題や収穫は

今、個人的にはセットプレーが課題だと思っています。前回の試合、ラインアウトからのデリバリーミスからトライを取られてしまったので、今日そこが一本修正できてよかったと思います。ディフェンスも前に出られてよかったのですが、ゴール前のディフェンスで、少し体が高くなってしまったので、そこをもっと低くして、ゲインされないようにしたいですね。

──次戦に向けての意識することは

個人的にはもっと仕事量を増やして、チームに良い影響が出るようなプレーをしていきたいです。

SO鎌形正汰(商3・慶應)

――試合を振り返って

良かった点もありましたが、反省点も多い試合でした。反省点は、僕を含むハーフ団と呼ばれるコンビのエリア取り、前に出れなかったことかなと思います。

――今日のゲームプランは

先週の試合では僕自身裏が見れていないという課題があったので、そこを注意しました。チームとしてはアタックでは、リンクとボディハイト、ディフェンスではセカンドマンディシジョンとハンターが、チームとしての目標でした。

――先週は裏が見えていなかったとのことですが今日はいかがでしたか

後半、風下になった時にまだ自分の中ではエリアを取れていなかったので、次戦にまた生かしていきたいです。

――その次戦に向けて意気込みを

いまのところ2連敗してしまっているので、しっかりと次は勝って、まず春1勝目を挙げたいと思います。

FB高木一成(商4・慶應義塾)

──試合を振り返って

率直な感想としては悔しいです。前半は通用する部分があり、後半もその流れに乗りたかったのですが、フォワードと自分たちのミスでがたがたと崩れてしまった点で悔しさが残っています。しかし、帝京さんに対して前半いい試合ができたことで自信がついたという点では良い経験になりました。

──自身のプレーについて

アタックでは、自分から空いているところを発信し、自分がボールを持ったらゲインできるように強いプレーをしていこうと思っていて、それがしっかりとできたことは良かったと思います。

──前回に引き続きキッカーを務められていました

今日も(キックを)外してしまったので、日吉で練習を積んで秋までには形にできればと思います。

──今回見つかった課題は

後半の入りの部分でストップをしてしまったことや、ディフェンスの部分でフォワードが食い込まれ場面が多かったのでそこは課題です。バックスについては、風下になりキックが伸びない中でのエリアの取り方が今後の課題でそこをクリアできるようにしていきたいです。

──次週の早稲田戦に向けての意気込みを

早稲田も強い相手ですが自分たちのやりたいことを遂行できれば勝てるはずだと思うので、自分たちにしっかりとフォーカスしてやっていきたいと思います。

HO山本英晴(商4・慶應)

──今日の試合を振り返って

相手の(体格)がやはり大きいので、そこに負けないようにという意識でやっていました。試合終盤に疲れてきたり、きつい状況になった時は帝京さんの方が一枚上手でやられてしまったので、そこをもっと修正していかないといけないと思いました。

──相手の帝京大について

FWのひとりひとりが機転が利くというか、こちらのDFが少ないところに攻めてきて数的優位な状況を作ってくるのが上手いと思いました。

──ご自身のプレーについては

ブースターとしてやるべきことはやらなくちゃな、と。チームを勢いづけるのもそうですし、安定したセットプレーも気をつけていました。そこはできたのかなと思います。

──前回の試合ではセットプレー、特にラインアウトが課題でしたが

スクラムに関しては相手の方が大きいので、下で低く、慶應らしいスクラムを意識しました。

ラインアウトは特に変えたことはなくて、チーム内の規律を守って遂行する、やってきたことを出すだけという意識ですね。

──モールで押される場面もありました

モールに関しては前回の試合から修正できていますし、また課題も見つかりました。

──次戦以降に向けては

次は早慶戦ということで絶対に負けられない戦いですし、自分もチャンスがあればしっかり貢献したいと思います。