写真=Getty Images

「デイビスやウォールにサインを断られて傷ついた」

来月に行なわれるNBAドラフトで、全体1位指名が有力視されているデューク大のザイオン・ウィリアムソン。NBAレベルの身体能力に高い技術を兼ね備え、プロ1年目からの活躍は間違いないと言われている。

その行き先は全体1位指名権を持つペリカンズになるだろう。今オフのトレードが濃厚なアンソニー・デイビスに代わってチームの新たな顔になる可能性が高い。そのデイビスとザイオンの間には、ちょっとした『遺恨』がある。それは、結果的にザイオンに良い影響を与えたのだが、幼かった彼を傷つけてしまったことでもあった。

スパータンバーグ・デイ・スクールに通っていた高校時代のウィリアムソンを追った『Home Team Hoops』制作のドキュメント番組内で、ザイオン自身がそのエピソードを明かした。

同番組内では、試合が終わると観客との写真撮影、サインのリクエストに快く応じるザイオンの姿が収められている。彼がそうする理由にデイビスが絡んでいる。

「僕がまだ小さかった頃は、高校のスター選手にあこがれて、彼ら全員のサインをもらいたかった。でも、サインをもらえなかったこともあって、傷ついたんだ。自分が成長してからは、そういう選手にはなりたくないと思った。どれだけ時間がかかっても構わないから、子供たちからサインを頼まれたら、全員に書いてあげたい」と、ウィリアムソンは番組内で語った。

「小さい子供からサインを頼まれて、それを断りたくないんだ。僕が断られてショックを受けたのだから、彼らだって傷ついてしまう。アンソニー・デイビス、それにジョン・ウォールにサインを頼んでも、断られた。だから僕は、サインを求められたら全員のリクエストに応えようと思っているんだ」

デイビスにも悪気はなかったのだろうが、結果として少年ザイオンを傷つけてしまった。そのデイビスに代わってフランチャイズを背負うことになるとは、巡り合わせとはいえ皮肉なものだ。