第25回関東女子リーグ戦
早大1-0
1-1
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18
【得点】
(早大)40’荻原優花、77’田中実夏
(ジェフ)80’渕上野乃佳

 関東女子リーグ戦(関東リーグ)第5節、前節終了時点で3位のア式蹴球部女子(ア女)はホーム・早大東伏見グラウンドで首位・ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18(ジェフ)と対戦した。前半からジェフの速い攻撃に苦戦を強いられたア女。それでもFW荻原優花(スポ3=宮城・常盤木学園)の公式戦初ゴールで先制に成功すると、後半にも途中出場のMF田中実夏(スポ4=セレッソ大阪堺レディース)のゴールで追加点を奪う。その後失点は許したものの、粘り強い守備でリードを守り切ったア女。見事上位対決を制し、2位に浮上した。

 開始直後、ジェフに裏抜けを許すなど劣勢での試合運びを強いられたア女。それでもDF森田海(スポ4=JFAアカデミー福島)、DFブラフシャーン(スポ1=スフィーダ世田谷FCユース)の両サイドバックの攻撃参加から徐々に流れをつかんでいく。22分、シャーンのロブパスに抜け出した荻原が右サイドからシュート性のクロスを供給。クロスボールは相手GKに弾かれたものの、こぼれ球を拾ったMF松本茉奈加(スポ3=東京・十文字)がフリーでシュートを放つ。しかしこれは惜しくも相手DFにブロックされ、決定機を逃した。その後は立て続けにカウンターを受けるも、前節からコンビを組むDF中條結衣副将(スポ4=JFAアカデミー福島)、DF黒柳美裕(スポ2=宮城・聖和学園)を中心に跳ね返す。30分にはサイドを崩されシュートを許したが、GK鈴木佐和子(スポ3=浦和レッズレディースユース)のナイスセーブで難を逃れた。なんとか流れを引き寄せたいア女は32分、FW高橋雛(社1=兵庫・日ノ本学園)のキープからMF村上真帆(スポ3=東京・十文字)が左足で狙うも、ゴール右へ。36分にはMF桝田花蓮(スポ2=ちふれASエルフェン埼玉マリ)のパスカットから高橋がロングシュートを打つなど、果敢にゴールを狙う姿勢を見せる。すると40分、高橋のパスを受けた源関清花(スポ4=ちふれASエルフェン埼玉)が右サイドを駆け上がると、エリア内にクロス。これを荻原が相手DFと競り合いながら右足でボレーシュートを放つ。「当てること意識した」と右足でうまくミートされたボールはポストに当たりながらもゴールに吸い込まれた。荻原の公式戦初ゴールで先制に成功したア女。前半をリードして折り返した。


先制に成功し喜ぶ荻原(左)ら選手たち

 ハーフタイムに源関に代えて阪本未周(スポ3=大阪・大商学園)を投入した後半。48分、村上、森田の連携から左サイドを崩し、高橋が左足でシュートを放つも、これは惜しくもゴール右へ外れた。後半もサイド攻撃からジェフゴールに迫るア女。しかし60分にエリア内でフリーでシュートを許すなど、ジェフに押し込まれる場面も見られ、一進一退の攻防が続いた。流れを変えるべく、68分に荻原に代えて田中、69分に桝田に代えて高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)を投入し、攻撃の活性化を図る。するとア女に最大のチャンスが。77分、阪本が右サイドを突破し、エリア内にグラウンダークロスを上げる。これをシャーンがスルーし、フリーで受けたのはトップでの起用となった田中。冷静にゴール左下に流し込み、追加点を奪った。リードを2点に広げ、ここから一気に相手を引き離したいア女だったが、「疲れが出てきて、プレーが雑になってしまった」と村上が語るように、疲労からチーム全体として精度を欠いたプレーが散見。そして80分に自陣でのパスミスから、渕上野乃佳にミドルシュートを決められ失点を喫した。これでジェフを勢いづかせてしまったア女。84分にもパスミスからピンチを招き、連続してシュートを浴びたが、粘り強い守りでゴールを割らせなかった。その後はうまく時間を使い、そのまま終了のホイッスル。前半からジェフの速い攻撃に苦しめられたものの、最小失点に抑え勝利したア女。勝ち点を10に伸ばし2位に浮上した。


途中出場ながらゴールを決めた田中

 「サイドのクロスからシュートというのをチームで練習していく中でだんだん良くなっていって、きょうは結果として表れて良かった」と村上が語るように、今節サイド攻撃から2得点を奪ったア女。前節同様主力選手を多く欠いた中で、質の高い攻撃を披露した。しかし今節も失点を喫し、5試合連続でクリーンシートを逃したことも事実。ラインコントロールなど徐々に改善が見られるも、守備にはまだまだ課題が残る。それでも「11連覇が懸かっている中で、一つひとつの試合で勝ち点を積み重ねていくことはリーグ戦ですごく大事なこと」と中條。首位・群馬FCホワイトスターとの勝ち点差はわずかに1と、関東リーグ11連覇は十分射程圏内だ。次節は6月2日の東洋大戦。課題の守備を修正し、『女王』らしい圧倒的なサッカーを見せてほしい。

(記事 永池隼人、写真 菅沼恒輝、石井尚紀)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません


スターティングイレブン






早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属
GK鈴木 佐和子スポ3浦和レッズレディースユース
DF36ブラフ シャーンスポ1スフィーダ世田谷FCユース
DF◎7中條 結衣スポ4JFAアカデミー福島
DF27黒柳 美裕スポ2宮城・聖和学園
DF15森田 海スポ4JFAアカデミー福島
→89分31井上 萌スポ1東京・十文字
MF源関 清花スポ4ちふれASエルフェン埼玉
→HT17阪本 美周スポ3大阪・大商学園
MF10村上 真帆スポ3東京・十文字
MF19桝田 花蓮スポ2ちふれASエルフェン埼玉マリ
→69分高瀬 はなスポ4ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18
MF11松本 茉奈加スポ3東京・十文字
FW32高橋 雛社1兵庫・日ノ本学園
FW18荻原 優花スポ3宮城・常盤木学園
→68分14田中 実夏スポ4セレッソ大阪堺レディース
リザーブ:GK16川端涼朱(スポ3)、MF並木千夏(スポ2)、MF秋山由奈(スポ4)
◎=ゲームキャプテン
監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘)

コメント

MF中條結衣副将(スポ4=JFAアカデミー福島)

――きょうの試合を振り返って

勝てて良かったというのが素直な感想なんですけど、ディフェンスで自分も含めて修正することはたくさんあるのかなと思います。

――首位のチームとの対戦でしたが、スカウティングではどのようなことを分析していましたか

サイドの崩しがうまいということと、ユースなので足元もうまいということで、2列目の対応というのはスカウティングで分析していました。

――前半からサイドを崩されたり、裏を抜かれる場面が多かった印象ですが

ディフェンスラインで下げるのが遅くなってしまったり、ラインを少し高めに設定してしまっていたというところがあって。裏への意識も薄かったので、それでやられてしまったなと思います。

――メンバーが大幅に変わっている中での試合が続いていますが、連携面はまだまだでしょうか

ア女自体でやりたいことは1つ決まっていて、メンバーが変わろうとやることは変わらないので。その中で個人個人長所は違ってくるので、そこを引き出しながらやっていくというのを意識しているので、そこはあまり気にしていないです。

――開幕からビルドアップに課題がありましたが、徐々に方針が固まってきたのでしょうか

そうですね、少しずつですけどキーパーを含めたビルドアップと、自分らディフェンスラインのタッチ数や前の動き出しが試合を重ねるごとに合ってきているなという感じがするので、徐々に良くなってるなと思います。

――きょうのビルドアップについてはどう評価していますか

対戦相手によってFWの(プレスの)かけ方だったり、人数のかけ方が変わってくる中で、自分たちのやりたいことだけじゃなくて相手によって自分たちのやりたいことを変えていかないといけないかなと思います。自分たちのやりたいことだけやっていたら、(できなかった時に)試合後反省することしかできないんですけど、それを試合中に変えていきたいなと思います。

――終盤バタつく場面が見られましたが、なんとか守り抜きました

相手も自分らも明らかに疲れている中で、どうしようという感じでした(笑)。めちゃくちゃしんどかったです(笑)。自分らがもっと(ラインを)上げられればコンパクトになるんですけど。試合後の反省で、あのようになった時の改善策が何個か出たので、次の試合に生かしていきたいなと思います。

――その中で勝ち点3を取れたことは大きいですね

相手が1位だったので、すごく大きいと思います。11連覇が懸かってる中で一つひとつの試合で勝ち点を積み重ねていくことはリーグ戦ですごく大事なことなので。次の試合も何人か復帰するので、チームとして作り上げていきたいなと思います。

MF田中実夏(スポ4=セレッソ大阪堺レディース)

――試合を振り返って

この間と一緒で、代表とかで何人かがいない状況で臨みましたが、首位対決だったので絶対に負けられないとみんなで話していました。結果、1失点はしてしまったのですが、勝ち切れたことは良かったと思います。

―何か対策などはありましたか

スカウティングしてサイドで取り切ることはしていたのですが、うまくハマらないところがあり、前から取りに行ったら相手の思うつぼだったのでしっかり我慢してディフェンスラインも我慢できたからこその1失点だったと思います。

――ベンチで前半の試合をどう見ていましたか

立ち上がりは声も少なくて勢いがなかったのですが荻(荻原優花、スポ3=宮城・常盤木学園)がいい時間帯に決めてくれ、そこからはア女のリズムを作ることができ、海(森田海、スポ4=JFAアカデミー福島)の攻撃参加などサイドバックも関わり徐々にですがボールを持てるようになったと思います。

――後半から途中出場になりましたが、自身の役割について何か指示されましたか

FWとして出場したので点を取らなければいけないと思っていて、1-0の状態で、1点取られたら引き分けになってしまうので追加点を取る気持ちでやりました。

――2点目のシーンを振り返って

あまり覚えてないのですが、シャーンがスルーを感じ取ってくれたので、そのまま決めるという感じでした。

――途中出場が多いですが、自身の役割についてどう考えていますか

スタメンに出てチームに貢献することが一番なのですが、スタメンで出るには途中出場で結果を残す必要があるので、そのためにはしっかり準備してこのようなチャンスをつかんでいきたいと思います。

FW荻原優花(スポ3=宮城・常盤木学園)

――首位チームとの対戦になりましたが、どのような対策を立てて臨みましたか

自分たちは失点が多かったので、失点を少なくするためにどういう守備をしようとか、そういうことを前もって話していました。あとは自分はFWなので、しっかり点を取ることを意識して試合に臨みました。

――失点を少なくするための守備として具体的にどのような話し合いをしたのですか

主に前回の神大戦なんですけど、中央を崩される場面が多かったので、カウンターを受けた時の守備とかを結構みんなで話し合ったりしました。

――前半からボールに絡んでいた印象でしたが、いかがでしたか

自分としてはあまり絡めなかったと思っていたんですけど、やっぱり点を決めるにはボールに絡まないといけないですし、そういうことは意識してはいました。

――拮抗した場面での待望の先制点になりましたが、ゴールシーンを振り返っていかがですか

源ちゃん(源関清花、スポ4=ちふれASエルフェン埼玉)がサイドで持っていて、花蓮(桝田花蓮、スポ2=ちふれASエルフェン埼玉マリ)が1枚だけ中にいたので、これは自分が入らないといけないと思って、勢いを持って入った感じです。シュート自体はそんなに狙ってはいなかったんですけど、とりあえず当てることを意識して、スピードもあったので当ててゴールに飛べばいいなというふうに考えていました。

――最近スタメンでの出場が増えていますが、コンディションはいかがですか

やっぱり途中から出るのとスタメンで出るのではモチベーションも違いますし、今代表でいない子がいてやっと出られているという感じなので、もう代表組も帰ってくると思うんですけど負けないで結果を残していけたらなと思います。

――相手をシュート数で上回りながらなかなか得点につながらない場面が見受けられましたが、いかがでしたか

裏を取る動きは全体として多かったと思うんですけど、そこからの作りだったりとかゴール前の駆け引きとかがチーム全体としてもっとできたら、もっと楽にシュートを打てたりゴールシーンも生まれたと思うので、今後はゴール前の駆け引きをもっと意識してやっていけたらいいなと思います。

――最後に今後の試合への意気込みをお願いします

スタメンで出続けるのはもちろんのこと、もっともっと点を取らないとチームに貢献できないと思うので、自分が得意なプレーを生かしていけるような動きをして、味方との連携をもっと深めて、もっと点を取っていきたいなと思います。

MF村上真帆(スポ3=東京・十文字)

――前節終了時点で首位に立っていたチームとの一戦でした

10連覇していて、自力優勝を目指してやっているので、そのためには首位に立っているジェフに絶対に勝たないといけないという気持ちで臨みました。

――前半はビルドアップでミスが出たり、裏を取られてしまうシーンがありました

ジェフは攻撃が速いので、その速さに圧倒されて、なかなか思うようにできなかったです。

――攻撃面ではサイドのクロスから2得点を挙げました

いつもは中に入る人数が足りなかったり、クロスの質が悪かったりしていたんですけど、サイドのクロスからシュートというのをチームで練習していく中でだんだん良くなっていって、きょうは結果として表れて良かったです。

荻原・田中弾で勝ち切ったア女 上位対決制し2位浮上

――終盤、守備に終われる時間が長くなってしまったことは振り返られていかがですか

チームみんなに疲れが出てきて、プレーが雑になってしまって、あまり前から(ブレスを)かけるというのができなくなってしまった時に、相手の勢いがまだあったので、90分最後まで走る力を付けなければいけないですし、相手が後半の序盤は前からかけてこなかったんですけど、最後の方にかけてきたので、そこをうまく回避できるように改善していかなければいけないと思いました。

――MF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)投入後にお二人で何かお話しされていましたが

もちろん試合前にみんなで話すんですけど、試合中に分かることがあるので、それをしっかりとはなさんに伝えて、うまく二人でやっていけたらと思って話していました。

――今季は下がり目のポジションでプレーされていますが、意識されていることはありますか

1個低い位置で、組み立て役なので、なるべくミスをしないようにするというのと、攻撃にスムーズに入れるようなパスや、相手を揺さぶることを意識してやっているんですけど、組み立ての部分を意識し過ぎてゴールにあまり向かえていないので、組み立てながらもチャンスがあれば二列目から飛び出してシュートを狙っていきたいです。

――きょうの試合ではセカンドボールを頻繁に拾われていましたが、守備面ではいかがですか

セカンドボールを拾えるか拾えないかで主導権に大きく差が出てくるので、ファーストで競るのももちろんなんですけど、その後に自分たちのボールにできるように意識してやっています。

――きょうの勝利をこれからどのように生かしていきたいですか

首位のチームに勝てたのは良かったんですけど、今シーズンの課題として失点をしてしまうことがあるので、無失点に抑えて勝利をできるように頑張っていきたいです。