圧巻の逆転劇だった。春季オープン戦の第4戦目は、昨年度日本一の強豪・関西学大との対戦。5点のリードを許す中、残り時間1秒でWR#5九里遼太(政経4=明大明治)がTD(タッチダウン)を決め、1点差で関西学大に白星を挙げた。◆5・19  第71…

圧巻の逆転劇だった。春季オープン戦の第4戦目は、昨年度日本一の強豪・関西学大との対戦。5点のリードを許す中、残り時間1秒でWR#5九里遼太(政経4=明大明治)がTD(タッチダウン)を決め、1点差で関西学大に白星を挙げた。

5・19  第71回関西学大定期戦(アミノバイタルフィールド) 

〇明大27{7-6、7-3、7-10、6-7}26関学大

 最後の一瞬で激戦を制した。第1Q、「喉から手が出るほど欲しかった」(九里)という先制点をQB#4西本晟(商3=箕面自由学園)、九里のパスプレーにより決める。順調に得点を重ね前半終了時のスコアは14-9。しかし後半はパントブロックから生じたリターンなどのミスが重なり、第4Qには21―26と逆転を許してしまう。

  明大の快進撃は後半残り時間2分から始まった。西本がパスを連続で成功させて流れをつかみ、ゴール前17ヤードまで前進。残された時間はたった1秒。会場全体が緊張感に包まれる中、西本がボールを放つ。「走っていればパスが来る。自分ができることをやるだけだと思っていた」と九里がキャッチし、そのままTD。勝利にかける強い思いが一瞬の奇跡を手繰り寄せた。

 収穫は大きい。「いつか絶対に勝ちたいと思っていた」(西本)という関西学大に競り勝ったことで、日本一への期待も高まる。今回の勝利に弾みをつけ、まずは春季オープン戦を全勝で終えたい。

[前田彩貴]

平成元年~令和元年に行われた関学大定期戦のスコア
第42回平成元年(1989)20―13
第43回平成2年(1990)28―14
第44回平成3年(1991)×7―38
第45回平成4年(1992)×10―27
第46回平成5年(1993)×10―28
第47回平成6年(1994)×0―27
第48回平成7年(1995)×0―30
第49回平成8年(1996)×0―52
第50回平成9年(1997)×21―27
第51回平成10年(1998)×0―57
第52回平成11年(1999)×0―28
第53回平成12年(2000)×16―34
第54回平成13年(2001)×7―42
第55回平成14年(2002)×0―52
第56回平成15年(2003)×0―14
第57回平成16年(2004)×0―48
第58回平成17年(2005)×6―58
第59回平成18年(2006)×7―77
第60回平成19年(2007)×22―27
第61回平成20年(2008)×7―34
第62回平成21年(2009)12―7
第63回平成22年(2010)×0―31
第64回平成23年(2011)×14―22
第65回平成24年(2012)×14―29
第66回平成25年(2013)×27―45
第67回平成26年(2014)×28―38
 平成27年(2015)                 中止
第68回平成28年(2016)×25―27
第69回平成29年(2017)×7―22
第70回平成30年(2018)×10―25
第71回令和元年(2019)27―26

試合後のコメント

 北村遼太朗主将(総合4=関西大倉)

 ――10年ぶりに学生王者に勝ちました。

「関西学大に勝てたのはすごく大きいです。でも一番大事なのはつなげていくことなので、再度対戦したときに、また勝てるように取り組みたいです」

九里

――残り1秒の心境はいかがでしたか。

 「楽しかったですね。勝たなきゃっていうよりも、ここで勝ったらヒーローじゃね?っていう感じでやっていたら自然といい結果がついてきました。本気でプレーを楽しむことは大切なことだと思いましたね」

――今回の勝利で日本一への期待も高まると思います。

 「期待の声をたくさんいただきましたが、そういうところで浮かれず、もう一回気を引き締めていかないといけません。明日からさらに練習していきます」

西本

――九里選手との連携プレーはいかがでしたか。

「自分が投げたいと思うところにいてくれて、走ってほしいところに走ってくれたので、信頼できます。自分って恵まれているなって思いました」

――関西学大ということで思いも一層強かったと思います。

「高校から大学に上がるときも絶対関西学大を倒したるって決めてましたが、まさか今日こういう形で勝てると思いませんでした。ただ秋に勝たないと意味がないので、慢心せずにやっていきます」