元世界ランキング1位で「ウィンブルドン」を2度制したアンディ・マレー(イギリス)が、バッキンガム宮殿にてチャールズ皇太子からナイトの称号を受け取る。スコットランド出身であるマレーが、エリザベス…

元世界ランキング1位で「ウィンブルドン」を2度制したアンディ・マレー(イギリス)が、バッキンガム宮殿にてチャールズ皇太子からナイトの称号を受け取る。

スコットランド出身であるマレーが、エリザベス女王の新年叙勲者名簿により、ナイトとなることが発表されたのは2016年。テニスと慈善活動での活躍を認められて与えられたものだ。彼は、「ウィンブルドン」において英国人男子として77年ぶりの優勝を飾った後、2013年にウィリアム王子からも大英勲章第4位にあたるオフィサー章(OBE、Order of the British Empire)を授与されている。

受賞者は称号を受け取る日にちを選ぶことが許されており、ナイト授与の発表からだいぶ時間を空けての式となったのは、同選手の過密なスケジュールと、腰の故障によるキャリアへの影響などが原因とされている。【最新】ATPランキング シングルス

イギリスにおける貴族等の称号である爵位は、デュークと呼ばれる公爵を筆頭に7つあり、ナイトはその一番下の位に位置する。名誉ではあるものの貴族ではなく称号のみで、ナイトは名前の前に、男性であれば「Sir(サー)」、女性であれば「Dame(デイム)」を付けて呼ばれるようになる。

マレーの他にイギリス人でナイトの称号を授かったスポーツ選手には、リオ五輪で5000mと1万mのタイトルを防衛し、オリンピック陸上で4つの金メダルを獲得したモハメド・ファラーがいる。また、日本人でナイトの称号を授与した人物には、イギリス国籍で作家のカズオ・イシグロ氏やトヨタ自動車会長の豊田章一郎氏、ファッションデザイナーの三宅一生氏やピアニストの内田光子氏などがいる。

マレーは、「ナイトの称号を受け取ることができ、大変誇りに思う。妻と両親も参列し、家族みんなで時間を過ごせた素晴らしい1日だった。子供たちも連れて行きたかったけど、少し幼すぎる彼らには留守番をさせたが、帰宅したらメダルを見せてあげたいと思う」と授与式の後にコメントした。マレーの家族、母ジュディや、彼の兄で同じくプロテニスプレイヤーのジェイミーもソーシャルメディアで写真を投稿し、彼を大いに称えた。

1月の「全豪オープン」での記者会見では涙ながらに今年の「ウィンブルドン」を最後に引退をする予定であることを明かしていたマレーだが、その後に手術を受けた現在は腰に人工関節が入っており、今年度の「ウィンブルドン」出場は難しいだろうと語っている。久々のこの明るいニュースが再起の後押しになることを祈りたい。

Photo by/Julian Finney/Getty Images

ATP翻訳ニュース/ATPTour.com