左から西村、平井、鈴川

来たる5月19日、今年も日吉陸上競技場で早慶ラクロス定期戦が開催される。今回慶應スポーツはそんな熱き戦いに臨む慶大選手たちの特別対談を4日連続でお送りする。初めにお届けするのは3連覇を目指す女子部から、西村佳子(政4・東京女学館)、平井淑恵(商4・慶應女子)、鈴川英(経2・慶應女子)の3人のDF対談だ。アタック有利だと言われるラクロスにおけるDFの魅力や早慶戦にかける思いなど、様々なことをお話しいただいた。

(取材日:4月27日)

――まずは隣の人の紹介をお願いします

西村→平井:4年生、DF幹部のよっしーです。よっしーは一言で言うと、みやぞん(宮園大耕=ANZEN漫才)みたいな(笑)。ちゃんとしているところもあるんですけど、時々ちょっと論点がずれていたり、喋り方が面白かったり…チームのムードメーカーです。

平井→鈴川:2年生のティナです。本名は英(はな)なんですけど、コートネームはティナです。なぜティナかと言うと、お友達の名前がティナだからみたいです。

西村:その時点でやばいですよね。

平井:癖あり(笑)。

――なぜお友達の名前を

鈴川:ただ仲が良かっただけです。

一同:(笑)。

平井:とても2年生とは思えないほど堂々としています。

鈴川:良いことなんですか。

平井:良いこと(笑)。

西村:気を遣わないよね。

鈴川:それは悪いこと(笑)。

平井:プレーにおいても知識量が豊富で、練習中もちゃんと意見を言ってくれて頼もしい存在です。

鈴川→西村:佳子さんは、ゴーリーの、4年生の先輩で…

西村:順番全部逆じゃん(笑)。

一同:(笑)

鈴川:佳子さんは副将をしています。後輩から見たら、練習中はすごくしっかりしていて、でも普段は話しかけてくださったりして、良い先輩です。

西村:いやー。人のことをあまり褒めないんですよ、この子。

鈴川:そうなんですか。

西村:そうでしょうよ。だから嬉しいです。

――最近の部内のホットニュースはありますか

西村:香港オープンというアジアのラクロスの大会に慶大から2チーム出場し、1チームが優勝して、もう1チームが3位に入賞して帰国してきました。

平井:我々は就職と被っていて行けなかったんですけど、みんなのびのびとプレーできたみたいで、日本に帰ってきてからのプレーが見違えるように上手くなっていて、それが今のホットなニュースです。

「ラクロスは基本アタック有利のスポーツ」(西村)

――本日はDF対談ということで、皆さんがディフェンスというポジションについたきっかけを教えてください

鈴川:私は高校からラクロスをやっているんですけど、高校の最初はチアをやっていて、高1の夏ぐらいから途中入部でラクロスを始めました。なんでそうなったのかはあまり覚えていないんですけど、一番初めからディフェンスでした。

西村:そうなの?

鈴川:なんか、色々なポジションを試す時期にディフェンスしかやらなくて、結局ディフェンスになりました。

平井:私は中学高校とバスケをやっていて、ラクロスとはルールに親和性があってその知識を生かせるというのと、フットワークを生かせるというので、ディフェンスになったんだと思います。

西村:ラクロスは基本アタック有利のスポーツなので、ディフェンスはフットワークの軽い人が向いていて。だから、ティナは元々素質があったってことかな?

鈴川:そうみたいですね。

西村:私はバスケを6年間やっていたんですけど、ラクロスを始めてからゴーリ―の選抜テストがあってそれで一応選ばれました。そのまま深く考えずになった感じです。

――「DFのここが楽しい!」という点はありますか

平井:さっき西村選手が言ったように、ラクロスは他のスポーツと違って歩数制限がないためアタック有利なスポーツだという中で、いかにディフェンスが連携を取ってボールを奪えるか、というところだと思います。「アタック有利なスポーツなのに奪えた!」という達成感が楽しいです。

鈴川:アタック有利ということが大きいから、個人としてもチームとしても守れた瞬間はすごく楽しいです。

――DFの皆さんは普段どのような雰囲気で練習されていますか


慶大のゴーリー・西村

西村:よく言われるのが、ディフェンスは「失点=負け」に繋がるイメージがあるので、どちらかと言うと真面目に考えるタイプの人が多いです。いかに悪いシュートを打たせるかということを考えながらプレーするので、細かく頭を使いますね。

平井:話し合いの回数も各ポジションの中でも多い方だと思います。

西村:思いますね。

――DFの練習は平井選手を中心に行っているそうですが、まとめる立場になってみていかがですか

平井:足の動く選手がディフェンスで活躍しやすいということもあり、足の速い選手がその個性を生かせるように戦術を教えて、実力を発揮できるように心がけています。

――鈴川選手は後輩から見て、DFの先輩方はいかがですか

鈴川:4年生の先輩方は、淑恵さんも佳子さんとかも、大体私よりラクロス経験が短い中で、大学4年間の中での成長率がすごくて。私の方がラクロスを長くやってきているのかもしれないのに、色々なことに気づいていたり、上手いなと思うことがたくさんあるので、尊敬しています。

――「DF陣あるある」みたいなものはありますか

鈴川:佳子さんの…

西村:それあるあるじゃないじゃん(笑)。クリアのときの投げ方に癖があって、2・3年生にばかにされることが多いです(笑)。あるあるではないですね。

平井:さっきも言った通り連携を取ることがすごく大事なので、声を出すことはみんなしていますね。試合を見ていただく人の視点から言えば、連携具合であったり、盛り上げ方が特徴的かなと思います。

――ATになったらやってみたいことはありますか

平井:ロングシュートですね。女子は近くからシュートを打つことが多い中、外国の選手のように遠目からロングシュートを打つことが私たちのアタック陣の中でも流行りなので、自分もやってみたいなと思っています。

西村:私もやってみたい。

鈴川:私は元々大学ではMFがやりたかったこともあって、色々なシュートを練習していました。海外の選手を見てかっこいいなと思ったバックシュートとか、試合でその場面が来たら打てるところまで練習していたんですけど、結局ディフェンスになったので打つ機会がなくて…。アタックになったら、そういうシュートをたくさん決めて沸かせたいです。

西村:いいね。

平井:今年から10人制になったことでディフェンスでも駆け上がれるシーンがあるので、乞うご期待ですね。

「早慶戦は何らかの形で出られたらいいなと思っていた」(鈴川)

――続いて、早慶戦に絡めた質問に移ります。まずは皆さんが慶應に入ったきっかけは

西村:他の2人は内部からなんですけど、私は大学受験をしていて。慶大に入ろうと思ったきっかけは、元々私立の中でトップレベルの大学だったので目標として…という感じですかね。一番レベルの高いところだったから目指したというか。あとは学びたい先生がいて、その先生のもとで学びたいというのもあって志しました。

平井:私は中学受験で入ったんですけど、家族に出身が多かったというのもあってチャレンジのつもりで受けました。

鈴川:姉が幼稚舎だったこともあって、自然とそこを目指しました。

――慶大ラクロス部の特長は

西村:個性の塊という感じですかね。みんなちょっとずつ変わっていて、一人一人と話すことが面白いです。海外に住んでいた子もいるし、ティナみたいな幼稚舎で慶應って感じな子もいて(笑)。

鈴川:怖い怖い(笑)。

西村:2年生なのに堂々とプレーしている子もいるし…人が面白いなと感じます。

――特に個性的な部員は

西村:この2人は結構個性派です(笑)。

平井:え、私も?(笑)。

鈴川:佳子さんもじゃないですか。

西村:私は違う(笑)。やっぱりこの2人ですかね。

――お2人はそれを受けて

西村:自覚ありそう。

鈴川:さすがにこの年で自覚持っていないともうやばくないですか(笑)。

西村:(笑)。よっしーは?

平井:よく浮いちゃうなというのは思っています(笑)。

一同:(笑)

――質問に戻りますが、反対に早大ラクロス部の印象は

平井:早稲田は足がよく動きますね。

西村:トレーニングをよくしていて、ちゃんと鍛えているなとは感じます。ストイックな子が多いイメージ?

平井:足が良く動くのでディフェンスを強みにしているチームですね。

――普段、早慶での交流はあるのですか

西村:関東選抜とかU19とかで、早稲田の同じように選ばれている子たちと友達になることはあります。

平井:毎年早慶戦で顔を合わせる仲でもあるので、結構お互い顔を知っている人が多いと思います。

――皆さんにとって思い出深い早慶戦はありますか

西村:私は去年ですね。前日にメンバーを落とされてしまって…。でも、それが結局その後1年成長できた理由だと思っているので、今となっては苦いけど、あそこで良いターニングポイントになったかなと思います。苦いけど良い思い出というか。でもこれを言うのは早慶戦の後ですね(笑)。

平井:私は対極的になってしまうんですけど、去年の早慶戦が初めて出場した早慶戦だったので。

西村:対極だね(笑)。

平井:先輩から「早慶戦は独特だよ」ということはずっと言われていて。観客の数が桁違いなので、誰かがミスをしたり、シュートをしたり、何か事があるたびに観客の声が一つになって襲い掛かってくる感覚が新鮮でした。その中でプレーするためにはもっと自信を持ってやらなくてはいけないと感じた早慶戦でした。


今年の新戦力・鈴川

鈴川:今年卒業された西村沙和子(H31商卒)さんが姉と同い年で仲が良く、私にも良くして頂いていたんですけど、その沙和子さんが2年生のときの早慶戦が印象的です。確かその年は負けたんですけど、沙和子さんがハーフのあたりからロングシュートを決めたのがすごく印象に残っていて。私はラクロスだけじゃなく早慶戦に触れる機会が多かったんですけど、幼稚舎の頃から早慶戦は何らかの形で出られたらいいなと思っていたし、それを高校生のときに見てあの場所に立ちたいなと強く思いました。

――慶大ラクロス部にはたくさんの応援歌がありますが、好きなものはありますか

西村:「慶應の戦士たち」かな。メロディが好きです(笑)。

平井:私は「手をたたけ」ですね。1年のときの応援で、「この中でプレーしてみたいな」と思いながら歌った曲なので、コートで聞くと初心を思い出せて頑張れます。

鈴川:私も「手をたたけ」が好きです。私は去年のリーグ戦に出ていなくて、最後の方もけがで準リーグやVリーグの決勝トーナメントは出られなかったんですけど、それを応援席から歌っていて、応援される側から聞いたらなんとも言えない感動があるんだろうなと思っていました。

――次に今年のチームについてお伺いします。まずは新チームにとってオープン戦となった六大学戦を振り返って

西村:これまでの戦績を見ていらっしゃる方は、結構びっくりすると思います。私たちは1勝という結果に終わってしまって。元々何となく勝つというよりも、負ける覚悟を持ちながら一戦一戦何かを得ていこうという考えで臨んだ大会でしたが、「一戦一勝」という目標を掲げていた以上、やはりこの結果に悔しさはあります。でも、六大学戦で出た課題やどのように戦っていくかというイメージは糧になっていくと思うので、この結果を結果で終わらせるんじゃなくて、リーグ戦や早慶戦での勝利に繋げられたらいいのかなと思います。前向きに捉えています。

――大会を通して、新ルールになった影響は感じましたか

平井:ディフェンス面で言うと、少ない人数でより広いスペースを守らなくてはいけなくなったので、足が動くだけでは守れなくて、一人一人のミスの予測や相手の次の攻め方を考えなくてはなかなか守ることが難しくなったかなと思います。

西村:その半面、ディフェンスの選手が攻撃で駆け上がることもできるようになりました。

――六大学戦での早大戦を振り返って

平井:早大戦は1点差で負けてしまったんですけど。

鈴川:私はU19や体調不良などのため、六大学戦で唯一出た試合だったので、個人としてもすごく頑張りたいと思ったし、相手が早稲田というのもあってチームとしても頑張らなくてはいけないというのはあったと思うんですけど。1点差でも負けは負けだから、すごく悔しかったです。

平井:お互い良いところも悪いところも出ていた試合でした。本番の早慶戦もいつも通りのことは起こらなくて、本当の早慶戦に近い状況だったのに、1点差を縮められずに終わってしまったことは反省点だと思います。

――現在のDF陣の仕上がりとしては

西村:今年からディフェンスになった選手が数人いて。足は動くので、戦術面を詰めていけば伸びしろばかりなのではないかと思います。

平井:まだまだ私たちが目指しているディフェンス像には到底及んでいないと思うので、たくさんミーティングを開いて、完成形に近づけるように努力していくばかりだと思います。

「攻撃の起点となろうとしている姿を見て欲しい」(平井)

――最後に当日についての質問に移ります。早慶戦に訪れるお客さんにラクロスの魅力を伝えるとしたら

西村:見ていて一番沸くのは、シュート、ドロー、セーブの3つかなと思います。


今季のディフェンスをまとめ上げる平井

平井:ディフェンスの見どころと言えば…やっぱりディフェンスが奪ってから攻撃が始まるので、守るのではなくて奪う意識で、攻撃の起点となろうとしている姿を見て欲しいです。あとは、ディフェンスなのにアタックに入っている人もいるので、ディフェンスの選手が得点したときも注目してほしいです。

西村:あとは、ディフェンス陣がいかに連携して奪うかという点にも注目してほしいです。

平井:申し遅れましたが、ゴーリーのスーパーセーブにも注目です。

西村:急だな(笑)。こういうところがみやぞんですよね。

――自分の思う早慶戦での注目選手を教えてください

平井:私は4年の針山怜子(文4・慶應NY)選手です。MFなんですけど、去年からの成長具合が大きくて、私と一緒にトップチームの幹部もやっていて、その自覚もついてさらに急成長中の選手なので注目しています。

鈴川:私は、3年のうい(井上ゆり子=経3・慶應湘南藤沢)さんです。未経験者で去年からリーグ戦に出ていらっしゃるんですけど、今年から一緒にプレーするようになって、すっごい上手いなって思っています。特に1on1はういさんに任せたら絶対に抜けるという感じで見ていて安心感もあるので、ういさんの1on1に注目してもらいたいです。

西村:私は2年生の徳光里利笑(経2・慶應女子)です。里利笑はこの前行った香港の大会MVPを取っていて、ティナと同じくらい度強ある選手なので、そこがまず注目ポイントです。2年生は緊張して縮こまってしまう人が多いんですけど、余裕のあるプレーをするのでそこが見ていてかっこいいです。シュートも遠目から打つし、ミドルシュートが上手いので、見ていて面白い選手かなと思います。

――「自分のここに注目してくれ!」という点はありますか

鈴川:恥ずかしい(笑)。

西村:私の注目ポイントは、セーブした後の長いパスです。切り替えの速いパスは1年のときからずっと強みにしてやってきている部分なので、それを見てください!そして、得点に繋げます。

鈴川:私何がいいと思います?

西村:人に聞くの?(笑)。

平井:私はもう伝わっているかもしれないですが、リストレを超えたいです。セットディフェンスでも積極的に点を奪いに行くということを体現したいです。

鈴川:私何だと思いますか?

西村:まだ結論出てないのね(笑)。

鈴川:うーん。ディフェンスは大きい人の方が有利な中、私はそんなに体格が良くないんですけど、フィジカルや体力には自信があるので、大きい相手に対しても自分から止めに行くところだと思います。

西村:いいね。

――では、最後に早慶戦への意気込みをお願いします

西村:もう、「勝ちます」の一言です。絶対に負けません、勝ちます。

平井:こんなに応援がいっぱい来てくれる試合はないので、その人たちのためにも絶対に勝ちます。

鈴川:勝ちます。以上です。

――ご協力ありがとうございました!

(取材:堀口綾乃 写真:津田侑奈)

◇今回の注目選手◇

#5西村佳子(政4・東京女学館)

慶大の誇る守護神。観客を沸かせるスーパーセーブに注目だ。

#75平井淑恵(商4・慶應女子)

今季のDFは彼女が要となる。一気に駆け上がる攻撃シーンにも乞うご期待。

#99鈴川英(経2・慶應女子)

期待の2年選手・鈴川。自慢のフィジカルで早大AT陣を圧倒せよ。

◇第27回早慶ラクロス定期戦◇

5月19日(日)@日吉陸上競技場

女子大学戦:12:00ドロー

男子大学戦:14:10FO