◆2019東京六大学野球春季リーグ戦◆5月12日 対早大 明治神宮球場守備位置選手名・学年・出身校打数安打打点[8]7宮崎仁(コ1=大阪桐蔭)410[4]江藤(済4=東海大菅生)311[5]柴田(社1=札幌第一)4005冨永(コ3=桐蔭学園…

◆2019東京六大学野球春季リーグ戦◆

5月12日 対早大 明治神宮球場

守備位置選手名・学年・出身校打数安打打点
[8]7宮崎仁(コ1=大阪桐蔭)
[4]江藤(済4=東海大菅生)
[5]柴田(社1=札幌第一)
冨永(コ3=桐蔭学園)
[3]山田(コ1=大阪桐蔭)
[7]三井(コ3=大阪桐蔭)
金川(社2=立教新座)
[9]中嶋(コ3=佼成学園)
[2]藤野(営4=川越東)
[6]笠井(済4=桐蔭学園)
[1]江口(営4=浦和学院)
栗尾(コ2=山梨学院)
H小野大(文4=横浜)
中川(コ3=桐光学園)

投手成績

選手名・学年・出身校投球回球数被安打奪三振与四死球自責点
江口(営4=浦和学院)2 0/346
栗尾(コ2=山梨学院)20
中川(コ3=桐光学園)86

5月12日、母の日に行われた早大2回戦。電光掲示板はピンクの文字で彩られ、両選手達はピンク色のリストバンドをつけて挑んだ。昨日はエース・田中誠(コ4=大阪桐蔭)の力投も虚しく敗北した立大。「2連敗は悔しい。どうにかしよう」。エースの頑張りにチーム全体が奮起した。投手陣は先発・江口(営4=浦和学院)、栗尾(コ2=山梨学院)が4回までを無失点に抑え込む。彼らの頑張りに応えるかのように打線は5回、栗尾の代打・小野大(文4=横浜)の左前打を皮切りに3点を獲得した。3番手で登板した中川(コ3=桐光学園)は5回から最終回まで安定したピッチングを披露。今季初勝利をマークした。試合終了後には母・知子さんにウイニングボールをプレゼント。自分にとっても、母にとっても最高のプレゼントとなった。

先発した江口。立ち上がりは不安定だった。初回から立て続けに安打を許し、一時は二死満塁の危機を作り出す。毎回ランナーを出し、危うい場面を演出した。3回には無死一,二塁の危機で栗尾が救援に回る。四球を出すも、切り抜けた。その後も4回までを無失点に抑え込み、見事に先輩たちの期待に応えた。


笑顔でベンチに戻る若き4番山田(コ1=大阪桐蔭)

打線は5回。攻撃の起点は栗尾の代打・小野大からだった。「絶対打って!走れ!」と打席に立つ直前に溝口監督(90年度卒=湘南)から背中を押される。明大戦以来、出場機会がなかった小野。悔しい思いをバットに込めた。早大の先発・西垣(4年=報徳学園)が投じた初球。外角の直球を左前打とする。さらに宮﨑仁(コ1=大阪桐蔭)の打席で盗塁を決め、一死二塁の好機を作り出す。代打として、4年としての意地を見せつけた。
続いた宮﨑仁は二塁失策で一死一、三塁。今日一番の好機で江藤(済4=東海大菅生)が打席に立つ。二球目を中前二塁適時打とし、待望の先制点を挙げた。その後も若き4番山田(コ1=大阪桐蔭)が中前適時打で追加点。3点を奪取し、リードを広げた。


圧巻の投球を見せた中川。今季初めて勝利投手となった

「長いイニングを投げることは考えない。1つのイニング、バッター1人1人をしっかり押さえるつもりで上がった」。5回からは中川が登板。彼は今季5試合に出場しているが、失点が続き、勝利を呼び込めていない。“悩めるサブマリン”がマウンドへ上がった。だが、今日の彼は絶好調だった。7回にはワイルドピッチで一点を失うも終始、直球、変化球をうまく織り交ぜながら投げ分けて三振の山を築く。球速は多くが130キロ台。無四球、6奪三振、被安打4、自責点1で試合をしめ、今季初めての“勝利投手”を掴み取った。最終回には内野安打で出塁。二刀流として初めての安打も飛び出した。試合終了後、ウイニングボールは観戦に来ていた母・知子さんのもとへ。「初めて息子からもらった贈り物。本当にうれしい」と母の日の最高のプレゼントに笑顔は絶えなかった。
いつも支えていたのは家族だった。不調の時に父はラインで技術的なアドバイスをしてくれていた。母は野球の技術的なことはあまり詳しくない。それでも献身的に「頑張りなさい」と優しい声援を送っていた。普段会えなくても、遠くからでも、家族の愛が届いていた。
「よっしゃあぁぁぁ!」試合終了後のロッカールームから選手の雄叫びが聞こえた。早大とのゲームは振り出しに。皆、笑顔で神宮を後にした。明日の最終決戦で勝負が決まる。少しでも順位を上げるためには負けはもう許されない。少しでも上の順位を。今日のような“打破”が出来れば絶対に勝利は見えてくる。もう一度笑顔の立大を見せてくれ。
(5月12日・山口 史泰)

5回に適時打を放った#5江藤
2連敗は悔しいので「どうにかしよう」となった中で投手陣が0に抑えていてくれたので、先に1点取れたのは良かったと思います。(チームの調子が上がってきていることについて)スタンドからの4年生の声が、ベンチにいない4年生の力が、どうしてもこの春負けだけでは終われないという気持ちになっています。試合に出ている後輩がそういうところを見て本気になっているという部分はあると思います。(母の日について)厳しい母親です。中学の時も高校の時も大学に入ってからも、お母さんから電話が来た時はちょっとピリッとするようなことを言われます。その一声が、自分の中では引き締まるというか。その言葉で救われている部分もあるので。(明日に向けて)先に点とって田中誠也を楽に投げさせてあげたいです。先に取れば勝てるのではないかなと思います。

代打で出場し安打と盗塁で好機を作った#8小野大
1年生が活躍してくれたため、4年生の意地を見せようという気持ちで打席に立ったので、1本打ててホッとしています。法大戦が外れたので明大戦以来でした。ずっと外されて悔しい気持ちだったので、準備はしていたのでその分落ち着いて気持ちは保てました。立教は盛り上がれば絶対勝てるチームです。明日もいい雰囲気でやりたいなと思います。

3番手として登板し5回を1失点に抑えた#17中川
前のピッチャーが0点で繋いでくれたので、自分もとられてはいけないと思って立ちました。(今日の投球は)100点満点中90点です。あとの10点は失投が何球かあったことと、三井が交代したところで0点でしっかりおさえておきたかった10点です。(内野安打について)思っていたよりも徳山(早大2年=大阪桐蔭)の球が早くて圧倒されましたが、しっかりチームで徹底している「全力疾走」をして最終的にヒットになったのでよかった。今日はお母さんにウイニングボールをあげたいです。(明日は)投げるかわからないが投げることになれば、今日のようにバッター1人1人集中して、全力で投げたいです。

5回に二塁適時打を放った#23山田
今日勝たないといけない状態でチーム全員の力を合わせて勝てた。明日絶対に勝って勝ち点を取りたいです。(今日はマルチ安打)自分の状態としてはすごく良いです。これからも引き続きこの状態をキープして大事なところで打てるようにしたいです。

中川投手のお母様の知子さん
(中川投手からウイニングボールをもらって)宝物ですね。本当にうれしいです。初めてもらいました。(今日の試合について)全体的に落ち着いたピッチングでよかったです。信じて応援していました。(調子が悪い時は)気持ちの持ちようではなく、技術的なことをお父さんが動画などを送ってアドバイスしていました。小さい頃から颯を見ていたので、いいところ悪いところはすぐにわかるので。私はそれを見守っているだけです(笑)