試合終了を告げるホイッスルとともに、明大イレブンの雄叫びがとどろき渡った。トーナメント決勝戦となった今試合は先週5日に行われたリーグ戦と同じく早大との対戦。後半10分に佐藤亮がゴールに突き刺すと、アディショナルタイム4分には瀬…

  試合終了を告げるホイッスルとともに、明大イレブンの雄叫びがとどろき渡った。トーナメント決勝戦となった今試合は先週5日に行われたリーグ戦と同じく早大との対戦。後半10分に佐藤亮がゴールに突き刺すと、アディショナルタイム4分には瀬古のシュートでダメ押し。2―0で5年ぶり14回目となる天皇杯への切符を勝ち取った。 

 前半戦は「各駅停車のサッカー」(栗田大輔監督)。トーナメント戦の緊張からかエンジンがかかり切らず、パススピード、ゴールへの意識ともに早大イレブンに遅れをとっていた。それでも「死ぬ気で守ってくれた」(森下)。今大会わずか失点1の固さを誇るDF陣が主導権を譲ることはなく、後半へと望みをつないだ。

突破口を開いたのはまたしても主将・佐藤亮。「仲間を信じた」。ドリブルで一気に前線へと駆け上がると、得意の左足からのミドルシュートがさく裂。今試合を含め、ここ6戦で7得点と波に乗る主将がチームに勇気をもたらす。さらに、試合終了間際のアディショナルタイム4分には、瀬古が自身公式戦初得点となるゴールで試合を決定づけた。「時間はかかってしまったけれど、決めることができてほっとした」。副将を務める真面目な男の顔がほころんだ。

「全員で勝ち取った天皇杯」(森下)。体を張ってゴールを守り抜いたGKやDF陣、前線へと襷をつないだMF陣、それを確実に形にしたFW陣。誰一人欠けてはなし得ることなかった今回の栄冠。しかし「まだスタートラインに立ったばかり」(佐藤亮)と、現状に満足する選手は一人としていない。天皇杯1回戦は、小谷光毅(平28政経卒)がキャプテンを務めるJ3・ブラウブリッツ秋田と対戦する。勝利すれば2回戦には、J1でリーグ連覇を果たした川崎フロンターレと激突。大学サッカー、ひいては日本のサッカーを制するため、紫紺の勇者たちが全国の舞台でひと暴れする。

[高野順平]

試合後のコメント

栗田監督

――今日の試合を振り返っていかがですか。

 「2週連続で早大が相手で、非常に難しいゲームになることは分かっていました。早大が素晴らしかったという印象が強くて、厳しいゲームを勝ち切って天皇杯出場を獲得できて非常にうれしいです」

――天皇杯への意気込みを教えてください。

 「日頃から鍛錬していることをお披露目できるチャンスなので、思い切ってやってほしいなと思います。勝ち負けももちろんですけど、明治らしさを全国の方たちにアピールできたらいいなと思います」

佐藤亮

――天皇杯への自信はいかがですか。

 「自分たちが取り組んできたことは間違ってないと思いますし、Jリーグのチームにも負けないというところもあると思います。自分たちのサッカーをして、どんな相手にも立ち向かっていきたいです」

安部 

――今試合の勝因を教えてください。

 「いい時間帯にキャプテンが決めてくれたので、そこで得点が取れてチームも落ち着きました。また一つ守備からできるというのはあったので、あの先制点の時間帯が良かったと思います」

森下

――次戦への抱負をお願いします。

「コツコツ積み上げることが大事だと思うので、学生らしく本気で戦って勝ちたいです。個人的な目標である、大晦日までサッカーをやるということを叶えられるように頑張りたいです」