恋して競輪ハンター 36 Hunting

2019年4月30日〜5月5日、G1第73回日本選手権競輪が松戸競輪場で行われました。『令和』となってから最初のG1優勝者は脇本雄太(福井94期)選手。まさに新時代の幕開けを告げるかのように圧倒的な力を見せつけての完全優勝でした。また、決勝戦の顔ぶれを見て、みなさんも思ったことでしょう。優出メンバーが若いっ!!“帝王”こと山田裕仁さんのコラムにも書いてありましたが、決勝メンバーの平均年齢=28.4歳。1年前の平塚ダービー決勝メンバーの平均年齢=35.1歳。一昨年の京王閣=34.0歳。2016年・被災地支援名古屋=33.6歳、静岡=33.4歳、2015年・京王閣=33.4歳、2014年・名古屋=33.3歳(小数点1以下は切り捨て)と、過去5年の平均年齢を見ても、今回の若さは際立っているように思えます。過去のダービー場が400mバンクで、今回の松戸が333mバンクということもあるので、単純に比較するのは難しいかも知れません。それでも、“世代交代”の四文字が頭に浮かんだ人も少なくはなかったでしょう。
でも……でも!でも!でも!!今回のダービーでは、ベテラン自力選手の走りに胸を熱くさせられることも大いにありました。


やはり、何と言っても初日の8R=1次予選、49歳の小嶋敬二(石川74期)選手の走りです!若い先行選手が互いに意識し合う中で「俺を忘れるなっ!」と、言わんばかりの突っ張り先行。巻き返しにきた若手選手たちが小嶋選手の横にすら並べないほどの果敢な走りでした。これには場内も割れんばかりに沸き、お客さんの熱量もさらに一段上がったように感じました。

また、5日目の4R=S級特選二、このレースは43歳の金子貴志(愛知75期)選手が逃げ切りで1着でした。ちょうど場内を散策、ゴール前でレースを観ていたので、お客さんの熱気を肌で感じることができました。各ラインが前へ、前へと、動く中で後方にいた金子選手。打鐘のタイミングでカマシて、金子選手が先頭に立った時に場内はどよめきと共に「行くか?行くか?」というワクワク感が満ちてきました。金子選手がスピードを上げながら残り1周のホームを通り過ぎて行った時には「行ったーーーっ!!!」と、場内のボルテージも一気に上がり、ゴールまでその興奮は収まることはありませんでした。ゴール後、押し切った金子選手には盛大な拍手が送られ、車券の結果がどうだったは別にして、お客さんの目は熱いレースに輝いていたのが印象に残っています。


私は競輪選手ではありませんが、もしも選手だったら……年齢を重ねた先に小嶋選手や金子選手のような存在があるって、とても羨ましく思えます。年齢を重ねて自力を辞め、若い後輩の番手を回る選手が多くなっていくのは必然的なこと。小嶋選手、金子選手にもそういう競走もありますけれども、自身がラインの先頭を走る時は年齢を忘れさせるくらいの積極的な走りで魅せてくれる。こんな先輩はメチャメチャかっこいいですよね。そんな姿を見せられたら、奮起しない訳にはいかなくなる気がします!
私も今年30歳を迎えて、競輪界でお仕事をするようになって6年が経とうとしています。もう若手って、言えないことに不安や焦りを感じることもありますが、年齢を言い訳にすることなくいつまでも走り続けたいなと、小嶋選手と金子選手の走りで火は点きました!
場合によっては「年甲斐もない」なんて言われることがあったとしても、『令和』も“恋して競輪ハンター”として突っ走っていこうと思いますっ!!

【略歴】


木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている