文=バスケット・カウント編集部 写真=B.LEAGUE

チャンピオンシップに入り持ち前の勝負強さ全開に

トヨタ自動車のバスケットボール部を前身とする名門クラブは、Bリーグ2年目の昨シーズンに攻守のバランスの良さと圧倒的な勝負強さを生かしてリーグ優勝を果たした。今シーズンは開幕への準備が整わずに苦戦したが、チャンピオンシップに入ると本領発揮。中地区王者の新潟、西地区王者の琉球を撃破し、ファイナルで同じ東地区を制した千葉と対戦する。

昨シーズンのファイナルでは完膚なきまでに相手を叩き潰す快勝を収めており、レギュラーシーズンで1勝5敗と分が悪くても、千葉に対する苦手意識はないはずだ。それでも選手たちは「挑戦者の気持ちで」と口を揃える。速い展開を押し出す千葉の派手なバスケットとは対照的に、A東京は手堅くタフ、どんな試合展開にも対応できる引き出しの多さが強み。Bリーグの頂上決戦に相応しい、異なるスタイルの激突が楽しみだ。

PG 3 安藤誓哉

シュート力、ドリブル突破力、パスをさばく広い視野など、ポイントガードが必要とされる要素を高いレベルで有す、安定感抜群のポイントガード。チャンピオンシップに入って絶好調が続いており、琉球との3試合では息詰まるディフェンス合戦の展開で9得点、15得点、17得点を挙げるとともに3試合通してターンオーバーなしと、最高のプレーを見せている。

PG 1 小島元基

先発出場の機会はなかったが、2番手のポイントガードとして安藤以上にアグレッシブな姿勢を出し、チームに勢いを与えることで勝利に貢献してきた。停滞した時間帯を打開できる思い切りの良さと爆発力があり、ファイナルでも勝敗を左右する『ラッキーボーイ』の存在になるかもしれない。

PG 2 齋藤拓実

23歳と若いポイントガードの3番手。安藤と小島には安定感で劣るが、シュート力やゲームコントロールは高く、フィジカルが向上すればさらにプレーの幅は広がるはず。他チームに行けばプレータイムが確約されるであろう状況でA東京で研鑽を積んでいる。ファイナルで出番が巡ってくれば、その成果を横浜アリーナのコートで見せてもらいたい。

SG 24 田中大貴

フィジカルとスキルはもちろん、チームのシステムを深いレベルで理解するバスケットIQを備えたBリーグ最高の2ウェイプレーヤー。古傷のハムストリング痛を抱えてチャンピオンシップでは先発から外れているが、昨シーズンもその状態で見事にチームを優勝に導いた。過密日程の中でチームの象徴である田中がどこまでコンディションを戻せるかがA東京にとっては重要なカギとなる。

PG 7 正中岳城

戦力が充実するチームにあって34歳のベテランのプレータイムは減り続けているが、もともと「プレーの時間に比例するような仕事はしたくない」という信念の持ち主。トヨタ自動車時代から脈々と続く名門の伝統を、プロフェッショナルとしての姿勢を見せることで体現する。トラブルが起きても揺らがないA東京の芯の強さを支えているのが正中という男だ。

SF 6 馬場雄大

リムに向かって加速したら止められない、日本人離れしたアスリート能力から叩き込むダンクは、試合の流れを一気にA東京に呼び込む起爆剤となる。ディフェンスでもボールへの反応速度が高く、スティールからそのまま縦への推進力へと繋げる速攻も強力。軽率なターンオーバーも時にはあるが、強気一辺倒を貫くプレースタイルは他の選手にはない、馬場オリジナルの魅力だ。

SF 13 菊地祥平

チャンピオンシップを含めて出場した64試合すべてで先発を任されている。成長著しい馬場がベンチスタートに回るのは、試合序盤に大崩れするリスクを避ける意味で菊地が持つ安定感が信頼されていることの証。身体を張ったディフェンス、ファウルで止めるべき場面を理解し、相手の嫌がるプレーを遂行することで試合の流れをこちらに持ってくるバスケットIQを持つ。

PF 10 ザック・バランスキー

フィジカルが強く、オフェンスではパワーのミスマッチを誘発することができ、ディフェンスでもビッグマンに押し負けない貴重な存在。どんなタイミングでも打ち切る3ポイントシュートは相手にとって脅威となる。試合展開に応じて様々な役割をこなす彼のユーティリティ性が、A東京の安定感、土壇場での勝負強さの一因となっている。

PF 15 竹内譲次

外国籍選手を相手に回しても、攻守ともにディスアドバンテージにならない日本人ビッグマン。速攻にも参加できる機動力、3ポイントシュートも打てる広いシュートレンジを併せ持つ。日本代表で八村塁に刺激を受け、33歳の実年齢から少なくとも5歳は若返ったプレーを披露。代表での好調ぶりをA東京にも持ち込んだ好例となっている。

PF 31 ジャワッド・ウィリアムズ

高いバスケットIQに加えて勝負どころを見極めて大仕事ができるベテラン。シーズン終盤に右足アキレス腱断裂の重傷を負い、以後の試合出場は絶望となったが、琉球ゴールデンキングスとのセミファイナルに帯同するなどチームへの忠誠心と愛情を示し、チームやファンの絆をより強固なものに昇華させている。

PF 51 ミルコ・ビエリツァ

指揮官パヴィチェヴィッチが信頼を寄せる同じセルビア出身の万能型ビッグマン。レギュラーシーズンでの3ポイントシュート成功率が40%を超えながら、個で打開できゴール下での得点力も高い。ジャワッドとローテーション起用されてきたが、ジャワッドが離脱した後はより研ぎ澄まされたプレーを続け、チャンピオンシップでも調子を高めている。

C 53 アレックス・カーク

チームオフェンスを徹底するA東京にいながら、チームハイとなる平均17.2得点を記録する大黒柱。3ポイントシュートも打つことができ、主戦場となるゴール下では高さとパワーで圧倒する。安藤、小島、田中、馬場とどこからでもピック&ロールで崩しの起点を作れるのがA東京の強みだが、スクリーナーとして、そこからの展開でのカークの働きも見逃せない。

C 32 シェーファー・アヴィ幸樹

まだ粗削りな部分が多いが、日本人離れした体格を武器に、身体を張ったディフェンスやスクリーナーなど、必要とされたタスクを遂行する若手ビッグマン。プレータイムに恵まれているとは言えないが、日本代表候補の一員でもあり、このチャンピオンシップでの経験も近い将来に羽ばたくための糧となる。