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昨秋には「再契約するつもり」と宣言したが……

バックスとカンファレンス・セミファイナルを戦っているセルティックスは、ホームで痛恨の連敗を喫して1勝3敗と崖っぷちに追い込まれた。ヤニス・アデトクンボのモンスターパフォーマンスに圧倒され、第4戦ではセカンドユニットまで押しまくられての完敗。まさに絶好調のバックスを相手に、ホームコートアドバンテージを失った今のセルティックスが逆転でシリーズを勝ち抜くのは不可能にも思える。それと同時に、チームリーダーであるカイリー・アービングの周囲も騒がしくなっている。

「第5戦の準備をするだけさ」とアービングは気持ちを切り替えようとしたが、アリーナから引き上げる映像は「TDガーデンでの最後の姿」といった論調で報じられた。アービングは今オフに無制限のフリーエージェントとなる。9日の第5戦を落としてシーズンは終了すれば、その後は別のチームと契約するだろう、という見立てだ。

2017年夏にキャバリアーズを離れてセルティックスに加入したアービングだが、最初のシーズンは左ひざの手術によりプレーオフを欠場。今シーズンが『勝負の年』なのだが、なかなかベストコンディションでプレーできないことに加え、若手が多いチームを引っ張るリーダーシップの面で疑問符を付けられてもいる。セルティックスは戦力的には充実しているだけに、カンファレンス・セミファイナルで終われば失敗と言わざるを得ない。アービング自身は今シーズン開幕前に「もしファンのみんなが支持してくれるのなら、僕は球団と再契約するつもりでいる」と、ファンを前に宣言したのだが、結果が出せないとなれば風向きは変わってくる。

フリーエージェントは選手の権利。アービングがマックス契約を望むのは当然で、まずはセルティックスがそれに応じるか、そしてアービングがどのような決断を下すか。「ニュージャージー出身の自分にとって、ニューヨークは特別な場所」と本人も認めている。ネッツは再建が軌道に乗ってプレーオフに進出できるところまで来た。ニックスはこのオフから本格的なチーム改革を行う。両チームともアービングの獲得には大いに乗り気なはずだ。

契約は『相思相愛』でなければまとまらない。セルティックス残留があるとすれば、アービングが牽引するチームが逆転でこのシリーズを突破し、最低でもファイナルに駒を進めるのが第一。そしてセルティックスがアービングへの評価として5年1億9000万ドル(約214億円)のマックス契約を提示することだ。

可能性として、もう一つ噂されるのがレイカーズ入り。レイカーズは昨夏、レブロン・ジェームズの他にもう一人、オールスター級の選手と契約できるチャンスがあったが、これを見送った。レブロンへの心理的な行き違いからキャブズにトレードを要求したアービングだが、すでにこれが間違っていたとレブロンに公式に謝罪している。キャブズを率いたタロン・ルーがレイカーズ新ヘッドコーチの有力候補ということもあり、レブロンとアービング、そしてルーのトリオがレイカーズで見られる可能性もある。

もっとも、トレードは玉突き。ネッツであればディアンジェロ・ラッセルの去就に大きく影響するだろうし、ニックスは本命視されるケビン・デュラントをどうするのか。またレイカーズがアービングを獲得するとなれば、ロンゾ・ボールの立場は危ういものとなる。アービング自身は自らの言葉通り「第5戦の準備をするだけ」だろうが、やはり周囲は騒がしい。