文・写真=鈴木栄一

「まだまだ、これからという気持ちが強いです」

琉球ゴールデンキングスvsアルバルク東京のセミファイナル第2戦は、琉球が62-56で勝利。文字通り紙一重の差でつかんだ勝利の要因として、勝負どころにおける橋本竜馬の攻守における働きがあった。

第4クォーター、残り2分42秒に須田侑太郎が沈めた逆転の3ポイントシュートは橋本のスティールからのアシストがあってこそ。このプレーを説明すると、自陣深くでパスを受けた馬場雄大が安藤誓哉にボールを預けようとするも橋本が密着マークでそれを許さず、そのため先を走っていた田中大貴にパスを出すが、そこで須田のチェックを受けたことで馬場にリターンパス。しかし、そこで馬場の近くにいた橋本が鋭く反応してパスカットという流れがある。

シュートを決めた須田が素晴らしいのはもちろんだが、橋本がその前から安藤へ激しいプレスを掛け続けていたことが伏線となっていた。「あの時間帯、ポイントガードにボールコントロールを結構させていなかったと思います。基本に立ち返って自分がされたら嫌なことをやってみようかと、それがうまくいきました。相手も不用意なパスでしたが、そういうことが試合の明暗を分けると思いました」

また橋本はゲームメイクの部分で、あえてシンプルに行くことを重視したと明かす。2連戦の2試合目で、どんなオフェンスを展開するか互いに手の内は分かっている。また、A東京は個々の能力が高く、1対1によるオードソックスな守備スタイルを基調とする。そういった中で、「最後はうまく行ったから言えるところもありますが、東京さんみたいな激しいディフェンスをするチームには様々なフォーメーションを混ぜても攻略するのは難しい。逆に同じコールをしても良いかと感じました」と言う。

「アルバルクさんは最終的にはスイッチを多用してくるので、そこに対していろいろなプレーでシュートに持って行くより、一つのプレーで最初からそこに辿り着いたほうがみんなの共通認識としては良い」。そう判断した橋本は、攻撃をシンプルにすることで、チームの根幹であるディフェンスの強度を保つことへの助けになったのではと考える。

「あまり考えすぎるものにするとオフェンスをこなすことに意識が向いて、ディフェンスの強度が高くならないと感じました」。その決断が正しかったどうかは、結果が何よりも物語る。

田代直希「ファイナルのような一発勝負」

こうして琉球は逆王手をかける形で、今夜のGAME3を迎える。勢いは琉球にあると見る声もあるが、橋本は「まだまだ、これからという気持ちが強いです。ここまで来るのは大変でしたけど、駆け上がるにはさらに大きな力が必要となると思います」と、自分たちが有利という考えは微塵もない。そしてこのGAME2を踏まえ、彼がどんなゲームメークを選択するのか興味深い。

また、3番ポジションで特にタフな守備での貢献が光る田代直希は「1日を挟んでいるのでGAME3は別物となる。本当に予想がつかないです」と冷静にとらえている。

「GAME2から中1日空くことで、ファイナルのような一発勝負となる。それこそ、ここでフルさん(古川孝敏)のシュートが当たれば勝てる。逆にアルバルクの田中(大貴)選手、馬場(雄大)選手に当たったら簡単に負けてしまうこともあり得ます」

王者が連覇へあと1つと迫るか、それとも琉球が初のファイナル進出を決めるのか。バスケファンにとって、これを見ないとゴールデンウィークは終われないという一大決戦は果たしてどんな結末を迎えるのか楽しみだ。