文・写真=鈴木栄一

会場を揺るがすビッグショットで勝利に貢献

5月5日、琉球ゴールデンキングスはチャンピオンシップのセミファイナルGAME2でアルバルク東京との我慢比べを62-56で制し、この試合の前まで名将ルカ・パヴィチェヴィッチの下ではチャンピオンシップ8戦全勝中だった王者に黒星を付け、GAME3に持ち込んだ。

琉球にとってターニングポイントとなったのは、7点を追う第4クォーター残り5分55秒に行った選手交代だ。橋本竜馬、須田侑太郎、田代直希と1番から3番までを一気に代える采配がハマり、3人揃ってビッグプレーを起こし、怒涛の11連続得点を挙げたことが勝利に繋がった。

特に勝利に直結するプレーとなったのが、1点を追う残り2分42秒に決めた須田の3ポイントシュートだった。あの場面、自陣で馬場雄大が田中大貴にパスを出すが、須田がハーフライン付近でしっかりチェック。これを受けて田中が馬場にパスをリターンしたが、橋本竜馬が並走していてスティールに成功する。そのままゴール下に攻め込んだ橋本を田中は懸命に戻ってカバーするが、その結果としてフリーになった須田の3ポイントシュートで琉球が逆転した。

「小さなプレーでも気持ちを出して」

このビッグショットでA東京はタイムアウトをたまらず取り、会場が大歓声に包まれる中で須田は佐々宜央ヘッドコーチと抱き合った。「鳥肌で泣きそうになるくらいでしたけど、その後があったのですぐに気持ちを切り替えました」と語る須田は、何よりもチームとして常にプレッシャーを相手にかけ続けた成果による一撃だったことを強調する。

「やり続けた結果が出たのは良かった。あのシュートも全員で繋いだもので、チームとして良いシュートでした」

また須田は、この3ポイントシュートの前に守備でもビッグプレーを見せている。残り3分半、A東京のアレックス・カークにオフェンスリバウンドを取られそうな場面で、背後から回り込んでルーズボールを確保。これがジャンプボールシチュエーションとなり、琉球ボールになる値千金のダイブだった。

「僕が下から取りに行った時、カークも倒れながら取りに行きましたが、奪い取りました。小さなプレーでも気持ちを出して、ダイブしたりすることで最後に勝利が自分たちのところに来ると思っているので、絶対に譲れない。あそこで渡したらダメだという気持ちでした」

「リバウンド、ルーズボール。こういう大一番になると、そういうところが勝負の行方をより左右するのは僕自身もチームも分かっている。僕が率先してそういう姿勢を見せてやっていこうと思っています」。そう意識する須田の真骨頂が出た場面だった。

東海大の同級生、田中大貴とのマッチアップに注目

火曜日のGAME3、的確なプレーでA東京の攻守を支える田中をどこまで抑え込めるかは琉球にとって重要なポイントとなる。そのためには須田の激しいマークが不可欠だ。Bリーグには多くの東海大OBがプレーしているが、それでもこのような大舞台で、同級生とのマッチアップは普段とは違うものがあると、いつも以上に闘志を燃やす。

「大貴が起点となっているので、そこをアグレッシブにハードにプレーすることで、相手のプレーを乱し自分たちに流れを持って来る大仕事です。負けたくない思いは大舞台ではより一層のものになる。日本を代表する選手とのマッチアップは自分にとって楽しみですし、ディフェンスにプライドを持っている。そういう意味で特別です」

「ファンの思いも背負っている。その自覚を感じながらプレーしています」と、あらためてファンへの感謝を強調する須田が、再び会場を沸かせるプレーを決めることができた時、琉球は確実にファイナルへと近づく。