東京六大学リーグ春季リーグ戦 対立大 2回戦 2019年5月5日(日) 神宮球場 前日の初戦を落とし、後がなくなった状況で迎えた今日の立大2回戦。法大は先発をエース・三浦銀二(キャ2)に任せたが、本来の力を出すことができず、4回までに5失…

東京六大学リーグ春季リーグ戦
対立大 2回戦
2019年5月5日(日)
神宮球場

前日の初戦を落とし、後がなくなった状況で迎えた今日の立大2回戦。法大は先発をエース・三浦銀二(キャ2)に任せたが、本来の力を出すことができず、4回までに5失点を喫してしまう。打線は3回の集中打や、安本竜二(営4)のリーグタイ記録となる5試合連続本塁打で5点を取り、何とか食らいつくも、9回に悲劇が待っていた。この回からマウンドに上がった朝山広憲(法4)がつかまり4失点。最後の最後で立大の意地が勝り、秋春連覇が大きく遠ざかる敗戦を喫した。

2カード連続で勝ち点を落とし、秋春連覇は絶望的な状況となった

戦評

 昨日の試合に敗れリーグ連覇へ苦しい状況となった法大。絶対に負けることができない中で2回戦を迎えた。

 法大の先発は慶大戦で3連投したエース三浦銀二(キャ2)。エースの登板で主導権を握りたい法大だったが、昨日と同様試合は初回から動いた。1回表、三浦は1死から2番・江藤勇治に左中間への二塁打を許す。続く打者を打ち取るも迎えるは1年生ながら立大の4番を任された山田健太。三浦が投じた4球目を振り抜き左越え本塁打とされ、いきなり2点を先制される。三浦を援護したい打線は3回裏、この日スタメン復帰した先頭の7番・舩曳海(キャ4)が内野安打で出塁すると、続く8番・渡邉雄太(キャ3)がバスターエンドランを成功させ好機を作る。9番・三浦が倒れるも1死一、二塁とすると、1番・宇草孔基(営4)が左前適時打を放つ。3番・安本竜二(営4)もしぶとく左前へ運び、この回一挙3点を取り逆転に成功する。

先制の左前適時打を放った宇草

 しかし4回表、再び三浦が立大打線に捉えられる。4番・山田、5番・三井健右の連続安打から2死満塁とし、8番・笠井皓介に押し出し四球を与えてしまい同点とされる。続く代打・鷲津澄にも右前適時打とされこの回逆転を許す。 法大応援席に不穏な空気が流れる中、法大の1人の選手がその空気を一掃した。それはここまで4試合連続本塁打を放っている安本だ。5回裏、2死三塁で安本に打席が回ってきた。球場全体の視線が安本に注がれる中、安本は立大の3番手・栗尾勇磨の3球目を捉えた。打球は綺麗な放物線を描き左中間席と吸い込まれた。リーグタイ記録となった5試合連続本塁打はチームを救う値千金の同点本塁打となった。

 その後は昨日と同じく継投策となり、危機も招いたが抑えることに成功した。5回以降は両チームとも点数が入らず均衡状態が続いていたが、最終回についに試合が動いた。9回表、この回から登板した朝山広憲(法4)が1死一、三塁とされると、またしても4番・山田に適時内野安打を放たれ勝ち越しを許す。続く打者にも適時打が飛び出しこの回4点を失った。その裏、なんとか反撃したい法大だったが、1人の走者も出せずに無念の試合終了となった。

9回に痛恨の4失点を喫した

まさかの2カード連続で勝ち点を落とした法大。リーグ連覇への道がますます険しくなってしまった。打線のつながり、勝負所での失点など敗因はある。だがリーグ戦が全て終わったわけではない。残りの試合を『結束』して全力で戦い抜く。これ以上負ける気はない。

(鈴木滉平)

 

 クローズアップ:安本竜二

今季、自身リーグ初の本塁打を放った安本竜二(営4)はついに今日、リーグタイ記録となる5試合連続本塁打を放った。

 3-5で2点を追う5回裏、2死三塁の場面で打席に立った安本は立大・栗尾勇摩が投げた甘く入った直球をフルスイング。「完璧に捉えられたので『行ったな』と思いました」と自身もスタンドインを確信した打球は令和の神宮の空に大きな放物線を描き左翼席へ飛び込んだ。ついに2017年秋の慶大・岩見雅紀(現東北楽天)が記録した5試合連続本塁打に肩を並べた。安本は「思いっきり打って付いてきた結果だと思うので、それが続いていることは素直にうれしいです」と喜びを見せるも、次戦に期待がかかるリーグ単独首位の6試合連続本塁打には「意識はしてないです。結果として出れば良いですけど、まずは勝てるようにやって行きたい」とチームの勝ちに貪欲な姿勢を見せている。

 昨季まで満足のいくリーグ戦出場機会を得られなかった安本は今季、ついに覚醒を見せている。初戦の東大戦からスタメンを獲得し、リーグ序盤に下位打線だった打順は今や3番となり、チームを引っ張る打撃の要となった。常に成長を見せ続ける安本は今日の本塁打によりリーグ単独首位の連続本塁打記録に王手となるだけではなく、法大の先輩である田中彰(平17年卒)、岩見が持つシーズン最多本塁打の7本超えまで、あと3本となった。

 新時代にベールを脱いだ法大戦士が自慢の打撃力で前人未到の記録樹立に挑む。

(須藤大樹)

監督インタビュー

金光 興二 監督代行

—立大とのカードを振り返って
この2試合は投手の方が調子が出ませんでした。そこが一番の大きな課題だと思います。

—今カードでは中継ぎ陣が奮闘しました
今日も三浦のあとは、内沢を中心に皆がそれぞれ役割を果たしてくれました。朝山がどうしても、リーグ戦に入る前に肘の状況が悪くて投げない期間があって分だけ、本調子ではない部分が出てしまったと思います。

—打撃の面では安本選手が5試合連続本塁打となりました
やっぱり、本当にバッティングそのものが良くなってきているので、何とか勝ちゲームにつなげられればと思うのですが、なかなかそうもいきません。安本自身も、自分が打ってもチームが勝ってないということで、残念な思いでもあると思います。これも一つの糧にして、また次のカードに打撃でチームを引っ張ってくれれば良いなと思います。

—昨日までは本塁打でしか点が取れないという状況が続きました
良いチーム状態であれば、今日で言えば、3-2と逆転した時点で、もう一本、もう一押しが出ると思います。それと、仮に点が取れなかったとしても、逆転した後の回にすぐに点を取られるということもないと思います。このチーム状態を克服しないと、なかなか最後の接戦で勝ち抜くことはできないのかなと思います。今年のチームの課題でもあるのかなと思いますね。

—2つの勝ち点を落とし、優勝は厳しい状況となりました
それはもう、勝負ですから、良い時も悪い時もありますし、この敗戦から何を学んで、何に生かすか、ということが大事だと思うんです。選手は皆、もう気構えて、試合に臨んでいます。自分たちの思うようにいかないことも往々にしてあるわけですから、結果としての今日の負けをしっかりと受け止めて、次につなげていくことが大事だと思います。

—次は早大戦になります
今日は攻撃面では、3回に打線がつながって3点を取れたのですが、やっぱりその後にランナーをスコアリングポジションに置いて、三振をしてしまって打線がつながりませんでした。何とか粘ってでも次につなげていくという形を作っていかないと、なかなか(勝利に)つながらないのかなと思います。先ほど、学生コーチとキャプテンにはこの2週間の練習で、つなぐバッティング練習をしっかり意識してやっていかなければならないということを言ったので、しっかり練習して、勝ち点を取れるように準備していきたいと思います。

選手インタビュー

福田 光輝 主将

ー今日の試合を振り返って
自分らよりも何かが立教の方が上回っていたと思うので、課題の残る試合かなと思いました。

ー5回までは法大の流れでした
昨日も今日も正直こんな展開になると思っていなかったですし、自分たちも良い流れでもっていける感じがしたので、粘りきれなかったのが敗因かなと思います。

ー9回表に決勝点を取られました
やっぱり打たれるときもありますし、わりきって攻撃していくしかないと思ったので4点は取られてしまったんですけど、ベンチは開きなおっていこうっていう感じでした。

ーご自身のバッティングについて
全然悪くないですし、今日自分が満塁の時に打てば流れも変わっていたと思うので、やっぱりキャプテンでもありますしそこの差かなと思います。

ーここまでで勝ち点を2つ落としました
まだあと2戦残っているので、1週空きますし、自分たちの負けを受け止めて、課題としてやっていくしかないです。次の早稲田戦までにはしっかりとした自分たちの形で自信をもって入っていけるように練習していきたいなと思います。

ーこれからの試合に向けて一言お願いします
まだまだ2節残っているので応援してくれている人もいますし、自分たちの力を発揮できるように頑張りたいと思います。

宇草 孔基 副将

ー今日の試合を振り返って
悔しいですね勝ちたかったです。

ーコンディションは
あまり状態はいい方ではなかったので、泥臭くなんとか仕事ができるようにと思ってプレーしてました。

ー勝ち点を落としてしまいました
今終わったばかりなので正直チーム全体としても悔しい気持ちでいっぱいです。

ー早大戦までにするべきこと
このままずるずるいってしまったら何の意味もないので、もう一回早稲田、明治戦に向けてチームとして勝つというのをしっかり練習からやっていきたいと思います。

ー次戦に向けて意気込みをお願いします
本当に悔しいので、やり返せるようにもう一回練習から集中して早稲田に全力で向かっていきたいと思います。

内沢 航大 投手

—今日の試合を振り返って
結果負けてしまったので、反省するところが多いかなと思います。

—自身のコンディションは
昨日もその前の試合も、短いイニングですが毎回投げていたので、疲労もあるといえばありましたが、出る以上は抑えないと、という気持ちでした。

—登板のタイミングに関して
銀二が意外と早いタイミングで交代になったので、今までずっと頼っていたというか、銀二ばかりが抑えてきたので、自分が出された場面でしっかり抑えようと思っていました。

—どんな気持ちで登板しましたか
安本のホームラン直後の登板だったので、絶対に抑えて、流れを持っていこうという気持ちで投げました。

—次の試合に向けて
もうやるしかないので、勝つことだけを意識して頑張っていきたいです。

渡邉 雄太 捕手

ー今日の試合を振り返って
昨日負けて今日絶対勝ちたいというゲームで、初回に先制されたのは悔しかったのと、安本さんが同点ホームランを打ってくれて8回まではしっかり粘れたのですが、9回にちゃんと0点に締めてサヨナラというのが頭にあったのでそこが悔しいです。

ー投手リレーについて
リリーフ陣は自分の役割を果たしてくれたと思います。結果0点にしっかり抑えてくれましたし、リリーフ陣にしてはちゃんと準備もしてくれて、その場その場の持ち場をちゃんとやってくれたかなと思います。

ー投手陣全体の調子は
そんなに全員悪くはないのですが、銀二にしても鈴木(昭汰、キャ3)にしても、やっぱり初回に点を取られてしまっているので、調子というより、そこをしっかり先頭を切ってちゃんと初回を0点に持ってこれば打撃にもつながってくると思います。ピッチャーの調子は関係なく、やはり僕がしっかりリードして初回をちゃんと0点に抑えることによって攻撃で流れをつかめると思います。次の2カードはちゃんとしっかり初回を0点に抑えて流れを持っていきたいです。

ー先発の三浦選手の調子は
球自体はそんなにきてなかったのですが、それなりにも彼は投げてくれましたし、山田(健太)のホームランと代打の鷲津(澄)に打たれたやつも一球の失投だったので、やっぱりそこの失投を無くしてくれればちゃんと戦えたのかなと思うと自分の中でも悔しいところです。

ー敗戦投手となった朝山選手について
副将として練習試合も含めてピッチャー陣やバッテリー陣を引っ張ってくれてる存在であり、そこはやっぱり僕たちも0点に抑えて欲しかったのですが、そこは相手の気持ちが勝ったのかなと思います。朝山さんはそんなに調子は悪くないと思うので、相手の気持ちが本当に勝ったかなと思います。

ー次戦に向けて意気込みをお願いします
次、早稲田戦で厳しい戦いになるとは思いますが、さっき言ったように守備から流れをつくっていけるように自分もしっかりリードして、バッター陣に点を取ってもらえるように頑張りたいと思います。

相馬 優人 内野手

—今日の試合を振り返って
とりあえず今日勝たないと明日につながらないという(状況の)中で、本当に絶対落とすことはできない試合だったんですけど、そこを落としてしまったのは悔しいなと思います。

—具体的に苦戦した点は
野手陣はもっともっと点を取らなきゃいけないと思います。守備の方でも、点を取ったあとはだいたいあっち(相手)にも流れがいくことがあるのが野球なので、その中で点取ったあとの回をしっかり抑える、そういう所だと思います。

—個人として、3回にセーフティバントを決めました
僕の次が中軸になってくるので、最低でもとりあえず(ランナー)二塁、三塁というのは作らないといけない状況でした。そうなったらもう、守備位置を見た時にファースト側のバントをしようというのは決めましたね。

—9回裏、後がない場面でしたが打席入る前に意識したことは
ここはもうつなぐしかなかったので、簡単に終わるんじゃなくて次のバッターにつなぐぞと。気持ち的には、点差がついて勝てるかどうかわからない状況かもしれないんですけど、その中で「次の試合に向けてまだいくぞ」という気持ちを打席で出していた感じでした。

—勝ち点を落としたことについてはどう受け止める
落としたことはもう事実で、まだリーグ戦は続いていくので、これからすべて勝ち点取りたいと思います。

—空き週はどのように取り組むか
僕自身はすごく打撃も調子が良い方にきているので、そこは現状をしっかり維持したり、これ以上調子を持ってくることをしっかりやっていきたいです。守備では今のところそれなりの良いプレーはできていると思うので、もっとピッチャーが安心してセカンドに打たせられるように、そこはやっていきたいですね。

—早大戦に向けて
毎回言ってるんですけど、本当にどれも落とせない試合なので、全力で何としてでも勝ちたいと思います。

安本 竜二 内野手

ー今日の試合を振り返って
勝ち点を落としたのが本当に悔しいです。

ー今日は5試合連続本塁打を放ち、リーグ記録に並びました
思いっきり打った結果付いてきた結果だと思うので、それが続いていることは素直に嬉しいですし、ただ勝てなかったのでそこは悔しいです。

ーその球種などは
ストレートです。チャンスだったのでなんとか1点取りたいという気持ちで行きました。

ー打った時の感触などは
完璧に捉えられたので「行ったな」と思いました。

ー昨日からの調整などは
(昨日のコンディションは)良い感じだったのでこのまま行こうかなと思っていました。

ー惜しくも勝ち点を落とす結果となってしまいましたが
本当に悔しいですけど空き週になるのでこれからチームをもう一回立て直して、勝つしかないと思うので、あと2節まだありますしやるだけかなと思います。

ー次は早大戦ですが、早大のイメージは
良い野手もキャッチャーも選手もいるんで、僕たちの野球がしっかりできるように準備しようかなと思います。

ー次はリーグ記録となる6試合連続本塁打がかかります
意識はしてないです。結果として出れば良いですけど、まずは勝てるようにやって行きたいと思います。

ー早大戦に向けて意気込みを
勝ち点とる。それだけです!

フォトギャラリー

4回5失点と本来の力を出し切れなかった三浦
体勢を崩しながらもバスターエンドランを決めた渡邉
意表を突くセーフティバントを決めた相馬
8回のピンチを凌ぎ、ベンチの選手に迎えられる内沢
代走で出場した宮本は大事な局面でしっかりと盗塁を決めた
中村迅は8回の好機に代打で出場するも、三振に倒れた
昨日に続き好投を見せた新井
2カード連続で勝ち点を落とし、秋春連覇は絶望的な状況となった