SUPER GT第2戦は4日、富士スピードウェイで決勝日を迎え、GT500クラスではセルモチームのレクサスLC500を駆る立川祐路と石浦宏明のコンビが優勝を飾った。ニスモチームのGT-Rとのマッチレースを勝ち抜いての今季初勝利。

ゴールデンウイークの富士戦は今年も大盛況、決勝日観衆は5万6000人を数えた。しかし決勝スタート前20分頃のタイミングから雨が落ちてきて、グリッド上のマシンと(屋根下にいない)多くの観客を濡らし始める。路面はウエット状態になっていき、レースはセーフティカー(SC)先導スタートで始まることとなった。

今回は通常より200km長い決勝500km(110周)の設定。ドライバー交代を伴うピットストップが最低2回義務付けられるため、2人組で戦うGT500各陣営はひとりの選手がスタートとゴールのスティントを担当し、もうひとりの選手が中間のスティントを走る戦略でレースに臨む。結果的には最初のスティントが雨量増加によるSC導入~赤旗中断を挟むレインスティントとなり、中間スティントと最終スティントは雨が上がってドライでの戦いという図式になり、基本的なレース戦略が天候によって大きく壊される事態にはならなかった。

変化していく路面とタイヤのマッチング次第で有利不利がコロコロと動く目まぐるしいレース展開でもあったが、やがてGT500クラスの優勝争いは、一昨年この富士500km戦を制した#38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路&石浦宏明/タイヤはブリヂストン=BS)と昨年このレースに勝っている#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R. クインタレッリ/ミシュラン=MI)とのマッチレースに集約されていく。

コース上で、あるいはピットタイミングで順位を入れかえつつの接戦は、終盤99周目に決着を見る。#38 LC500の立川が#23 GT-Rのクインタレッリをオーバーテイク、長きにわたる戦いに終止符を打った。残りの約10周で最終的には20秒ほどの差がついたが、“令和初戦”を彩る名勝負だったといっていい一戦だろう。#38 LC500にとっては予選7位からの見事な挽回勝利でもあった。

「なんといっても、今はホッとしていますね」と石浦。なぜかといえば「このオフにいろいろとチーム体制が変わって、自分の責任も増し、たくさんの方にサポートしてもらって今シーズンを迎えることができました。立川さんとも『いちばんチャンスがあるのは、まず第2戦の富士。そこで勝って、新体制としての結果を出していこう』という話をオフからしていましたので」。石浦は今、チーム母体であるセルモ社の取締役でもあるのだ。

立川もチーム総監督を兼任する立場で今季を迎えた。彼の第一声は「『見たか!』という気持ちですね。新体制でも勝ったぞ、と。これが今の率直な思いです」という力強いものだった。「石浦も自分もドライバーとは違う責任を負って、勝たないといけないプレッシャーもありましたし、チームづくりをしてくるなかでチームのみんなもそれに応えてくれていました。だから、とにかく早く勝ちたかった。開幕戦が(レクサス勢にとって)悔しいレースだったことも含め、今回にかける思いは強かったです」。

総監督と取締役がドライバーを務める、ある意味では異色のチームに生まれ変わったセルモ、新体制2戦目で強敵を打破しての価値ある勝利となった。立川はGT500通算19勝目、今回競り勝った相手 #23 GT-Rのクルーのひとりである松田次生の最多勝記録に1差と迫っている。

決勝2位は#23 GT-R。これで開幕から2戦連続のポール・トゥ・2位で、ポイントリーダーとなった。3位には前年王者の#1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴&J. バトン/BS)が入り、表彰台はレクサス、日産、ホンダが分け合う格好となっている。

今回は4~6位も3メーカーが分け合った。4位に#39 DENSO KOBELCO SARD LC500(H.コバライネン&中山雄一/BS)、5位は#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大&B. バゲット/BS)、そして6位が#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平&F. マコヴィッキィ/MI)。いろいろな見方はあるが、ひとまず満場のファンの多くが満足する内容のゴールデンウイーク戦だったといえそうだ。なお、開幕戦優勝の#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀&伊沢拓也/BS)は今回9位。

次戦第3戦は鈴鹿サーキットでの300km戦、開催日程は5月25~26日となる。F1モナコGP、第103回インディ500と同日程になるが、本格的な海外LIVE配信も始まるなど国際的な注目度が一層増してきているSUPER GT、5月最終の週末は鈴鹿サーキットの激闘にも世界中から熱視線が注がれることになるだろう。

GT500クラスの表彰式。中央左が立川、右が石浦。《撮影 益田和久》

GT500クラスの表彰式。中央左が立川、右が石浦。《撮影 益田和久》

GT500クラス、レース序盤の模様。《撮影 益田和久》

GT500クラス、レース序盤の模様。《撮影 益田和久》

決勝2位の#23 GT-R。《撮影 益田和久》

決勝2位の#23 GT-R。《撮影 益田和久》

決勝3位の#1 NSX。《撮影 益田和久》

決勝3位の#1 NSX。《撮影 益田和久》

決勝4位の#39 LC500。《撮影 益田和久》

決勝4位の#39 LC500。《撮影 益田和久》

決勝5位の#17 NSX。《撮影 益田和久》

決勝5位の#17 NSX。《撮影 益田和久》

決勝6位の#3 GT-R。《撮影 益田和久》

決勝6位の#3 GT-R。《撮影 益田和久》

優勝する#38 LC500。《撮影 遠藤俊幸》

優勝する#38 LC500。《撮影 遠藤俊幸》

決勝2位となる#23 GT-R。《撮影 遠藤俊幸》

決勝2位となる#23 GT-R。《撮影 遠藤俊幸》

大観衆が富士のスタンドを埋めた。《撮影 遠藤俊幸》

大観衆が富士のスタンドを埋めた。《撮影 遠藤俊幸》

左からGT500優勝の立川、石浦、GT300優勝の平中、安田。《撮影 遠藤俊幸》

左からGT500優勝の立川、石浦、GT300優勝の平中、安田。《撮影 遠藤俊幸》