先日開催された「ARK LEAGUE」で寒川の地を大いに盛り上げたアスリート、内野洋平。今まさに話題を集めているBMXの達人が、2016年のスポーツブルの独占インタビューでとある発言を残していた。それは、2020年に向けたアクションスポーツシーンへの展望だ。

「争いを作らないと」

この言葉には、様々な意味合いが含まれている。BMX界のファンタジスタ・内野洋平が2020年に向けて変えていきたいこと。シンプルイズベスト、まさに内野を表すような言葉だ。

そんな内野自身は、世界中のライバルたちの存在とどうやって向き合っているのか?自身の経験を踏まえ内野らしい口調で語った言葉が印象的だ。

「ライバルは褒めるな」

東京2020オリンピック競技大会まで500日を切った今春、競技の魅力やアスリートの息づかい輝くプレー数々、アスリート語録をWebマガジンに特別編集。その名も「ROAD TO TOKYO2020~昭和から平成そして令和にバトンをつなぐ東京五輪~」

今回は、2020年に向けて、アクションスポーツ界の未来や展望、夢、希望を繋ぐため、BMX・内野洋平選手の自由で果敢な語録に注目しよう。

「1位かビリでいい」

そう語り、とにかく最高難度の技で攻めまくる、BMXライダー内野洋平。2008年に初のワールドチャンピオンに輝き、3年連続BMXフラットランドの世界チャンピオンに輝くなど通算5度の世界タイトルを獲得しているBMX界のファンタジスタだ。さらに「神技」と呼ばれるテクニックについても、堂々と解説するあたりが強者の証。

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世界で内野にしか出来ない神技をWebメディア初公開。そして師匠と仰ぐ田中光太郎氏が内野の強さの秘密を語った2016年のシーンが以下。

 

世界が驚愕したライダー内野の《必殺技》BEST3 「fakie manual」

スポーツライター生島淳> セカンドベストBEST2。「fakie manual」。これなんでしょう?
 
内野洋平> 後ろ向きにウィリーをするっていうヤツなんですけど(fakie manual:ウィリーをしながら後方に進むトリック。バランスを取るのが非常に難しい)「fakie manual」っていうのが世界的にすごく流行しているんですけど、僕は世界一上手い自信がある。
 
生島>世界一の技ですね。
 
内野>世界一うまい。やってる人間はいっぱいいるんです。外国人も。
 
生島>どこで上手さがが表れるんですか?「fakie manual」は。
 
内野>僕しかできないのがあるんですけど、加速するっていうのがあって。
 
生島>こうやりながら(後ろに傾きながら)加速していくんですか?
 
内野>後ろに流しながら、遠心力をかけて、加速していく。これは世界で出来ないです。これもまだちゃんとYoutubeとか、そういう映像に載せたことがまだなくて。Webメディア初公開、加速するfakie manualの動画が流れるシーンについても堂々と話してくれた。
 

 BMX世界王者 ライダー内野の強さの秘訣に迫る

生島>ここで内野さんの強さに迫ろうということで、VTRを見ていただけますでしょうか?
 
師匠と仰ぐBMXライダー田中光太郎氏コメント>そうですね、すごく簡単にいうと守らないところがクレイジーですね。すごい技を持っているので、守っても勝てたりするんですよ。自分の60%くらいの技でも、優勝できることは全部あるんですけど、本人はそれじゃあつまんないって言って、自分の中で最高のヤツとか試したいこととかを、やっぱやるんですよね。攻めたがり。ギャンブル精神が高い。1位かビリかどっちかでいい。そういうのがあいつのクレイジーなところです。
 
生島>攻めたがりと言われておりましたけど、どうですか?
 
内野>攻めたがりですね。ドSなんですよね。笑僕の一番の性格のあれかもしれない。わかりやすい。ギャンブル心は本当に高いです。1位かビリでいい(内野はいかなる時でも最高難度のトリックに挑戦する。技の成功率が30%であろうが、失敗して最下位になろうが関係ない。とにかく世界最高の技を決めたい。それが内野のクレイジーだ)
 
内野>だから、今年もそうだったんですけど、世界大会で失敗しまくって、1回だけ決めて、その1回だけ決めたんです。
僕はもちろん優勝はしなかったんです。9位とかだったんですけど、優勝した選手よりもニュースになるっていう。ワケわからないんですが、すごい僕は最高だなって思いましたけどね。優勝した選手の技なんて全く出てこないんですよ。そのSNSとかでも。僕が失敗しまくって、1回だけ最後に決めて会場が最後にドカーンってなりました。優勝したとSNSだけで勝手に勘違いされてたんですね。「ウッチーおめでとう」みたいのが、外国人とかからすごいきました。世界で1回頂点とかとってる人間は、やっぱりそんなに「3位でヨッシャ!」っていうのもないし、ただ3位でも自分がやりたいことを決めて、3位になれば表彰台で笑顔だったりもするんですよ。自分との戦いですね。やりたいことができたか、できなかったか。自分に打ち勝てたか。守ってしまって4位くらいにいるのとは全然違いますね。だから僕は大会で負けて泣いたことは1回もないですね。泣いてるやつとかいるんですよ。全然気持ちがわからない。挑戦して失敗したってことは練習量が足りなかったっていうことです。でも挑戦したことに結果がどうであれ、自分を褒めますけどね。

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内野洋平の言葉はアクションスポーツ界のみならず、プロアマ問わず全てのアスリートたちに伝えていきたいメッセージだ。有言実行のファンタジスタは2020年に向けて、休む間も無く一途にBMXという競技を愛し、鍛錬を続けているはずだ。

東京2020大会は、全55競技(オリンピック33競技・パラリンピック22競技)の開催が予定され、誰もがその雄姿に思いを馳せ、熱狂していくシナリオは揃っている。 体操や競泳、柔道、レスリングなど日本のお家芸だけで なく、追加種目の野球、ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンにも注目だ。『スポーツブル』が願うことは、東京から世界へとスポーツを通して感動の瞬間とドラマ、そして選手の内なる声を、より早く、より深く、伝え、見る者の 心を揺さぶる熱狂を届けること。新しい令和という新時代と共に迎える東京2020大会。最高の舞台で、満開に耀く歓喜の瞬間を共有したいと願っている。 

取材・文/スポーツブル編集部