8月1日(日本時間2日)は、メジャーではウエーバー手続きを経ずにできるトレードの期限日だった。手続きが締め切られる米国東部時間の午後4時を前に、今年は大きなトレードが駆け込みで成立した。■ダルビッシュ、前田健太はプレーオフ進出目指す補強トレ…

8月1日(日本時間2日)は、メジャーではウエーバー手続きを経ずにできるトレードの期限日だった。手続きが締め切られる米国東部時間の午後4時を前に、今年は大きなトレードが駆け込みで成立した。

■ダルビッシュ、前田健太はプレーオフ進出目指す補強トレード

 8月1日(日本時間2日)は、メジャーではウエーバー手続きを経ずにできるトレードの期限日だった。手続きが締め切られる米国東部時間の午後4時を前に、今年は大きなトレードが駆け込みで成立した。その中には、日本人選手が所属するチームによる大型トレードもある。一体どんなトレードが成立したのか見てみよう。

【レンジャーズ】
 2年連続でのプレーオフ進出、そしてワールドシリーズ優勝を狙うレンジャーズは、噂されていた先発投手ではなく、野手の獲得に動いた。最大の目玉は、ヤンキースから獲得した外野手カルロス・ベルトラン外野手だろう。現在、強打者プリンス・フィルダーを欠いているが、その穴を埋められるのがベルトランだ。主にDHの役目を果たすことになりそう。39歳とはいえ、今季は打率.304、22本塁打64打点を記録。両打ちという事実も魅力だろう。3人の若手マイナーリーガーを放出したが、それだけの価値はありそうだ。
 さらに、ブルワーズから捕手ジョナサン・ルクロイと中継ぎジェレミー・ジェフレスを獲得。こちらもマイナー3選手との交換トレードだ。球宴出場経験もあるルクロイは、捕手としてだけではなく、打者としても定評もある選手。なかなか捕手が定着しないレンジャーズには貴重な存在だ。ダルビッシュとバッテリーを組む可能性も大。さらに、中継ぎジェフレスは、今季22セーブを挙げており、セットアッパーとして期待されている。

【ドジャース】
 投手陣の補強が急務だったドジャースは、アスレチックスから先発左腕リッチ・ヒルを獲得。さらに、リリーバーとして、ブルージェイズからジェシー・チャベス、アストロズからジョシュ・フィールズを獲得している。昨年レッドソックスでブレイクしたヒルは、今季アスレチックスで14試合に先発し、9勝3敗、防御率2.25の成績を収めている。エース左腕クレイトン・カーショーを欠くドジャースに心強い補強となるか。
 ヒルと同時にアスレチックスから獲得したのが、外野手ジョシュ・レディック。気持ちを前面に押し出したプレースタイルのレディックは、昨季こそやや低調だったが、今季は打率.296と復調。トレードが噂されていた外野手ヤシエル・プイグと同じ右翼を守るが、今後の起用法は気になるところだ。
 ドジャースは、ブルージェイズに救援マイク・ボルシンガー、アストロズにキューバ人一塁手ヨルダン・アルバレス、アスレチックスに若手有望株3人を送っている。

■田中将大のヤンキースは再建モード? 先発ノバと外野手ベルトランを放出

【ヤンキース】
 これまでの2チームと違い、今季の補強というよりも来季に向けた再建の動きを見せたのが、田中将大のいるヤンキースだ。ベルトランをレンジャーズに送ったことで、昨季ドラフトの全体4位指名だった右腕ディロン・テイトと2人のマイナーリーガーを獲得。さらに、先発右腕イバン・ノバをパイレーツに送り、代わりに後日2人の選手を受け取ることになっている。
 トレード期限に向けた1週間で、ヤンキースはすでに守護神アロルディス・チャップマンをカブスに、セットアッパー左腕アンドリュー・ミラーをインディアンスに放出し、複数の若手有望株を手に入れている。7月を終えて勝率5割ちょうどだったが、早くも狙いを来季以降の強化に切り替えたようだ。