競った展開から、早大が内容の良い勝ち点2を獲得した。関東学生春季リーグは早くも第6節。前節時点で7位の早大は、5位の法大と相対した。序盤こそシュートが決まらなかったが、アグレッシブな動きで徐々に持ち直し、1点リードで折り返す。後半も流れは…

 競った展開から、早大が内容の良い勝ち点2を獲得した。関東学生春季リーグは早くも第6節。前節時点で7位の早大は、5位の法大と相対した。序盤こそシュートが決まらなかったが、アグレッシブな動きで徐々に持ち直し、1点リードで折り返す。後半も流れはどっちつかずであったが、辛抱強く機会を待ち、残り4分で初めて3点のリードを奪うことに成功した。終盤で一歩抜け出した早大は、その後敵陣の猛攻から逃げ切り31-29で粘り勝ち。第1節の日大以来、久しぶりの白星となった。

 スローオフ直後から、敵陣ディフェンスの枝をかいくぐり果敢にシュートを狙う。しかし、相手GKの好セーブもあり、なかなか得点に結びつかなかった。一方法大は、パッシブプレーを宣告されながらも着々と得点。11分に3点のリードを許すと、自陣は原遼太(スポ3=岡山・総社)が退場を受けた。もどかしい時間帯だったが、その流れを変えたのがGK中村匠(スポ2=千葉・市川)だ。フリーのシュートを何度もビックセーブで防ぎ、正キーパー・羽諸大雅(スポ4=千葉・市川)が不在の中気を吐いた。するとその中村匠を起点に、逆速攻が何本も決まる。加えてRB山本慶(スポ4=長野・屋代)の華麗なフェイントや、RW清原秀介(商4=東京・早実)のシュートからもゴールが生まれ、5連続得点で鮮やかに逆転した。19分には1年生の永橋優太朗(スポ1=千葉・市川)がうれしい自身初得点。少しずつ流れを引き寄せていった。その後法大も食らい付き、同点で迎えた前半終了間際。タイムアウト後、相手オフェンスを退け清原が残り10秒でゴールを決め勝ち越した。前半はそのまま終了しスコアは16-15。この上ないかたちでリード奪い、試合を折り返した。


シュートを決める清原

 良い雰囲気を保ったまま後半に入った早大。しかし、後半も取られては取り返すといった一進一退の攻防が20分すぎまで続いた。我慢比べの中、早大はLB村井達也(スポ2=富山・高岡向陵)の活躍が光る。前半早々と公式戦初得点を挙げると、後半も目の覚めるようなシュートを何本も突き刺した。後半も依然好調を維持する中村匠のキーピング、途中出場した佐藤法俊(スポ2=長野・屋代)のステップシュートなど、随所に好プレーが飛び出した早大。声援を送るベンチや応援団も含め、常にモチベーションは高く維持していた。迎えた後半25分。タイムアウト後、PV中村祐貴(スポ3=北海道・札幌西)が2点差をつけるゴールを挙げると、直後のディフェンスで中村匠がスーパーセーブで失点を防ぐ。そのボールを受け取ったCB阿南遼星(スポ2=大体大浪商)が難しい態勢からゴールを決め、試合を決定付ける30点目が生まれた。ファインプレーの連続にこの日一番の盛り上がりを見せるワセダセブン。粘り強い戦いぶりがついに花開いた。27分すぎにはLW前田理玖(スポ3=福井・高志)が退場を被り数的不利に陥るが、ここもしぶとく守り切る。最後は相手のオールコートマンツーマンを退けると、中村祐が31点目を挙げこの試合を見事ものにした。


早大の得点にベンチは大いに盛り上がった

 早大はこれで2勝3敗1分。これまでは接戦を勝ち切れなかったが、多くフレッシュなメンバーが根気よく戦い、勝ち星をもぎ取った意味は大きいだろう。連戦となる明日は、日体大に金星を挙げ勝率で並ぶ立大との対戦。波に乗る相手の勢いを食い止められるかが重要だ。春季リーグも終盤に差し掛かり、上位進出のためにはもう1つも落とすことはできない。きょうのような全員で戦う姿勢を貫き、さらなる躍進を期待したい。

(記事 小松純也、写真 稲葉侑也 白石智奈美)

関東学生春季リーグ
早大3116-15
15-14
29法大
GK 中村匠(スポ2=千葉・市川)
LW 前田理玖(スポ3=福井・高志)
LB 村井達也(スポ2=富山・高岡向陵)
PV 中村祐貴(スポ2=北海道・富岡)
CB 阿南遼星(スポ3=大阪・大体大浪商)
RB 山本慶(スポ3=長野・屋代)
RW 清原秀介(商4=東京・早実)
星取表(5月3日現在)
早大筑波大日体大国士舘大中大法大明大立大東海大日大
5位早大 21●32 26△26 22●23 31〇2927●29 30〇28
1位筑波大 32○21 33〇25 27△27 29○2336○2027〇17
2位日体大26△26 25〇24 40○24 30○2130●3428〇25
4位国士舘大 25●33 24●2538○23 24○1825○21 26〇21
3位中大 23○22 27△2724●40 30〇2325〇13 24〇22
9位法大29●3123●29 21●3023●38 23○22 28〇27
7位明大29○27 18●24 23●30 22●23 24●27 25〇23
6位立大20●3634〇30 21●25 27〇24 23●28 17△17
8位東海大17●2725●28 13●25 23●25 28〇23 26〇18
10位日大 28●3021●2622●2427●28 17△17 18●26
コメント

清原秀介(商4=東京・早実)

――2勝目を挙げた今の気持ちをお願いします

1点差で負けるとか、同点で勝ちきれないという試合が続いていたので、そういう意味で今回粘って2点差で勝てたのはすごく嬉しいなと思います。

――今回の試合全体のプレーを振り返ってみていかがでしょうか

キーパーの羽諸とか、メンバーが結構いない中でたくさんフレッシュなメンバーを入れたんですけど、新しいメンバーがそれぞれの役割を果たしてチームの勝利に貢献できていたのは大きいと思います。

――フレッシュなメンバーの中でも1年生がシュートを決める場面もありましたがいかがですか

素直によくやってくれたなという感じですね(笑)。

――法大戦に向けて何か対策はしてこられましたか

エースの松岡(寛尚、4年)という1人で10点以上取るようなキープレイヤーがいたので、そこにはまず高く出ようというふうに対策としてはしてきました。

――次戦への意気込みをお願いします

明日は立大戦でお互い2勝1分け同士の戦いで大切な試合になるので、きょうみたいに粘り勝ってみんなで盛り上げてやれれば良いなと思うので頑張りたいです。

村井達也(スポ2=富山・高岡向陵)

――まず勝利の感想をお願いします

先週は勝ちを逃したかたちで終わっていたので、きょうは勝てて良かったです。

――試合展開を振り返っていかがですか

前半はリードして後半につながるかたちで終えることができたのは良かったと思います。

――きょうはご自身も何本も得点挙げられたと思います

この前の筑波大戦で監督(荒木進監督、平5人卒=熊本市立商)に怒られたというか、喝を入れられて(笑)。自分自身出してはもらっていた中で点数を取れていなかったので、そこは強くいこうと思っていました。あとは昨日義志さん(宮國、社4=沖縄・浦添)にアドバイスをいただいて、1対1でガツガツいっていいと声掛けてもらっていたので、そこを体現できれば良いかなと思い取り組みました。

――フローター陣の離脱者が多い中で、何か意識することはありますか

穴を埋めようと意識ではなく自分の色を出していければと思っています。自分のプレーができればいいのかなと思います。

――昨年に比べ、控えのメンバーの出場機会も多くなっていると思います

去年よりもゲーム内での選手交代が多いので、そこでチームとしてより強固に戦えているのかなと思います。一人一人が異なる自分の持ち味を出していければ、的も絞りづらいですし、去年のように圧倒的なプレーヤーがいなくても、そういう意味ではチームのまとまりは良いのかなと思います。

――あしたは日体大に勝って勢いに乗る立大との対戦です。意気込みをお願いします

立大もうちと同じ勝率なので、ここで勝って勢いを付けていければと思います。

中村匠(スポ2=千葉・市川)

――勝利の感想をお願いします

きょうは、羽諸さんがインフルエンザになって、僕がフルで出場するっていうのを2日前くらいに知ったので、最初とても緊張していました。ですがだんだん当たり始めて緊張ほぐれて、シュートを止めて勝つことができたのでとても嬉しいです。

―2日前から羽諸選手がいないということで、きょうの試合前はどのようなことを意識されましたか

相手のチームの動画を見て、誰がどういうシュートを打つのかっていうことをしっかり分析して試合に臨みました。

――きょうの試合を振り返って、いかがでしたか

前半あんま取れなくてまずいなって思ったのですが、途中から止めることができました。自分たちのチームも、点がちゃんと取れ始めて、ほどよい緊張感で試合が進められたので良かったです。

――きょうは久しぶりの勝利だったと思いますが、いかがですか

僕が試合に出て勝ったことがなかったので、自分がフルで出て勝つことができてすごく嬉しいし、自信がつきました。

――初出場のときに、羽諸さんがけがとかでいなくなったら、ご自身に出番が回ってくるまで頑張りたいとおっしゃっていたと思います。きょうそういう機会になってフル出場した感想をお願いします

1人でキーパーをやるのはやはり辛くて、羽諸さんがだいたい1試合通してやっていて、集中力も持たないしきついなって思うので、僕がもう少し頑張りたいなと思います。

――最後に、次戦以降への意気込みをお願いします。

あした勝てば順位も結構上がってくると思うので、勝利を目指して頑張ります。