FIAアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)第2戦ラリー・オブ・ワンガレイ(グラベル)は5月3−5日、ニュージーランドの北島ワンガレイを拠点に開催される。このイベントでは、日本のクスコ・レーシングが今季のAPRC参戦活動の初戦を迎える。

チームは、マイケル・ヤング/マルコム・リード組のトヨタ・ヤリス4WD、川名賢/竹下紀子組のトヨタ・ヴィッツR1という2台をエントリーさせる。クスコ・レーシングは、昨年、炭山裕矢/保井隆宏組がシュコダ・ファビアR5で総合タイトルを獲得。今季のAPRCは、パシフィックとアジア、いずれかの地域で2戦の参戦をクリアすることで10月に中国で行われるタイトル決戦のファイナルへの進出権が獲得できるシステムに変更されているが、チームは年間を通しての経験やデータを蓄えながら、タイトル連覇を目指す構えだ。

ヤングは、今年2月に日本で開催されたラリーオブ嬬恋にこのヤリスで初めてのスノーラリーに挑戦している。
「自分たちは、信じられないようなマシンに乗っているのだと感じた。チームが一丸となって、努力を注いでくれた」とヤング。
「昨年のワンガレイではマシンにトラブルが起きたが、それはもう過去の話。シーズンオフの間に改良を進め、そのマシンでスノーラリーも走り切ったが、何もトラブルはなかった」

「今年のAPRCはシステムが大きく変わったが、これによって参戦者が増えることを期待している。自分としては、例年よりも参戦するイベントが減ることになるので、一戦一戦をしっかり戦い切っていかなくてはならない。ワンガレイでは目標を高く掲げ、必ずポディウムに上がりたい」

一方で、奴田原文雄選手が主宰するNUTAHARA RALLY SCHOOLジュニアチームの大竹直生、大谷皇就の2名を受け入れて、チームスタッフとして帯同させる。



4月からはNUTAHARA RALLY SCHOOLのサポートのもと各個人として活動するふたりに、海外ラリーの生の現場で今後の活動の糧となるような体験、経験を積ませることが目的。これまでの海外ラリー参戦で蓄えた豊富な経験を日本のラリー界発展のためにフィードバックもしていきたいというクスコ・レーシングと、現在TRDラリーカップや全日本ラリーに積極的に若手ドライバー、女性ドライバーを起用するなど次世代を担う選手を育成していきたいというNUTAHARA RALLY SCHOOLが互いの目標に共感し、両チームの垣根を越えた企画が実現した。

奴田原は、これまでドライバーとして日本国内の地方戦で参戦経験を積んできた大竹、大谷に、チームスタッフとして海外のイベントに参加することで、ラリー全体の流れをあらためて見つめ直し、今後の経験に活かしてほしいと語る。
「選手を育成し、その選手が活躍できる場とつなげて送り出していくことが自分の役目と考えているので、その意図を理解して受け入れてくれたクスコ・レーシングには、本当に感謝している」と奴田原。なお奴田原はワンガレイ会期中は、全日本ラリー選手権第4戦久万高原ラリーで自身も参戦に挑む。

その奴田原が手塩にかけて育てた大竹と大谷は、いち早く現地に入り修業を開始。テストにも参加し、レッキでは急遽パンクしたレッキ車への対応に当たるなど、次々と不測の事態が発生するラリー参戦で奮闘しているようだ。







ラリーオブワンガレイは、5月3日、ワンガレイ市街地のテ・マタウでセレモニアルスタートを行った後、隣接のポヘアイランドのスーパーSSを2回走行。今年は、高さ1mのジャンプも特設されるという。土曜日はワンガレイの北部、日曜日は南部に、それぞれ4SSを2ループする8SSが設定される。

このイベントには、昨年までWRCでワークスドライバーを務めていたヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20 AP4)が、優勝した開幕戦オタゴに続いてエントリー。また、米国の人気ドライバー、ケン・ブロックも、フォード・エスコート・コスワースで国内戦部門にエントリーし、注目を集めている。