桜もすっかり散ったこの日、新年度になってから初めての団体戦が行われた。2日にかけて行われる東京六大学春季リーグ戦は各7組ずつの対抗戦形式で、通常の大会とは異なるペアを見ることも多い。早大は新入生や関東学生リーグ戦(リーグ戦)での出場経験が…

 桜もすっかり散ったこの日、新年度になってから初めての団体戦が行われた。2日にかけて行われる東京六大学春季リーグ戦は各7組ずつの対抗戦形式で、通常の大会とは異なるペアを見ることも多い。早大は新入生や関東学生リーグ戦(リーグ戦)での出場経験がない選手も起用しながら、どの大学との試合も勝利を収め堂々の優勝を果たした。

 大会1日目は、4月下旬だというのに冷え込んでいた。小雨がちらつき、あまりコンディションがいいとはいえない。しかし天気に左右されることはなく、初戦の東大戦は7-0で圧倒的な力の差を見せつけた。続く慶大戦も7-0で勝利を収め、迎えた3戦目の相手は昨年のインカレ優勝校である明大だ。1番の水木瑠(スポ1=宮城・東北)・白井雅之(社4=鹿児島実業)組は本倉健太郎(3年)・齋藤大樹(3年)組と対戦。明大の中でも強いペアに1ゲーム目こそ取られてしまったものの、その後は主導権を握り続ける。水木のキレのあるサービスエースや、相手後衛の強烈なストロークに対する白井の反応の良さなどが相まって、ゲームカウント5-1で勝利をあげた。3番には因京将(スポ4=石川・能登)・内田理久(社3=三重)組が出場。東大戦では因のミスが目立ち、第5ゲームがジュースまでもつれ込んでいた。ゲームを取っては取られての接戦が続き、勝負はファイナルへ。どちらに転ぶかわからない展開であったが、段々と調子を上げた因と内田は最後をきっちりと決め、結果ゲームカウント5-4で白星をあげた。


全勝した新人・水木

 大会2日目は1日目とは異なり暖かい気候であった。この日は立大、法大と対戦。法大は関東学生1部リーグに所属しており、来たる春季リーグ戦でも当たる予定だ。1日目は就職活動で不参加だった松本倫旺(スポ4=熊本・済々黌)も参戦。長尾と共に抜群の安定感を誇るプレーを見せ、早大はさらに戦力を上げ、次々と相手を下していった。結果、立大戦、法大戦ともに6-1で快勝。東京六大学春季リーグ戦での優勝を果たした。


主将としてチームを引っ張る内本

 全試合を終え、水木・白井組は全勝賞を獲得。「いつも通り思い切ったプレーができました」(水木)。リーグ戦に向けて明るい結果となった本大会。「チームとして試合の時の選手と応援の温度差があったので、その辺をしっかり修正して、一つでも隙を無くし」たいと試合後に語った内本主将を中心に、全日本大学対抗選手権(インカレ)の賜杯奪還に向けて駆け抜けたい。

(記事 今山和々子、河合智史 写真 山浦奈緒)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

優勝

▽第1戦
〇早大 7-0 東大

〇水木・白井組 5-0 高瀬・平賀組
〇高倉・安谷組 5-0 河村・小久保組
〇内本・田嶋組 5-0 小倉・和田組
〇因・内田組 5-0 藤田・大竹組
〇後藤・新沼組 5-0 水谷・森脇組
〇山根・増田組 5-0 梶原・北岡組
〇長尾・奥村組 5-0 高瀬・小久保組

▽第2戦
〇早大 7-0 慶大

〇水木・白井組 5-4 青山・浜田組
〇福井・安谷組 5-0 村野・横田組
〇内本・田嶋組 5-3 栗原・野口組
〇因・内田組 5-1 今泉・小板橋組
〇後藤・新沼組 5-4 尾崎・中島組
〇山根・増田組 5-4 小田島・小杉組
〇長尾・奥村組 5-3 櫻井・須藤組

▽第3戦
〇早大 5-2 明大

〇水木・白井組 5-1 本倉・斎藤(大)組
〇山根・上松組 5-0 米澤(優)・斎藤(龍)組
〇因・内田組 5-4 根本・鈴木
●後藤・増田組 1-5 北本・丸山組
〇内本・田嶋組 5-1 黒龍・水崎組
●福井・安谷組 3-5 中平・米澤(要)組
〇長尾・奥村組 5-1 金子・田中組

▽第4戦
〇早大 6-1 立大

〇水木・白井組 5-2 松本・斎藤組
〇高橋・奥村組 5-4 小倉・山舘組
●因・内田組 4-5 田島・上西組
〇内本・上松組 5-0 永田・土井組
〇後藤・増田組 5-3 原・渡邊組
〇山根・岩本組 5-0 日下部・西組
〇長尾・松本組 5-1 高畑・大関組

▽第5戦
〇早大 6-1 法大

〇水木・白井組 5-4 根本・西組
〇高倉・奥村組 5-2 稲葉・福田組
〇因・内田組 5-4 下平・渡邊組
〇内本・上松組 5-4 近藤・洞谷組
●後藤・増田組 3-5 井上・藤本組
〇山根・岩本組 5-1 櫻井・道下組
〇長尾・松本組 5-3 前川・川嶋組

コメント

内本隆文主将(スポ4=大阪・上宮)

――今大会を振り返っていかがでしたか

なんとか優勝はできたんですけど、他のチームも新一年生が入って強くなっていますし、春リーグにむけてすこし不安の残る大会だったかなと思います。雰囲気としても、いつもここで練習しているからというのもあると思うんですけど、良くないといいますか、慣れた感じでやってしまっているので、春リーグまでには選手と応援の温度差を縮められるというか、選手と応援も一つとなって戦えるようなチームに春リーグまでにできたらいいなと思います。

――1年生への印象は

最初の大学での団体戦で、緊張するとは思うんですけど、しっかり元気出して一年生らしくやってくれていたので、こちらからしても心強かったですし、自分ももっと頑張らないといけないなという気持ちになりました。

――チームスローガンの「革新」に込められた思いは

昨年、強い先輩たちばかりで歴代最強と言われた早稲田が7連覇を阻止されて、もちろん自分たちのチームよりも昨年のチームの方が技術はあったと思うんですけど、その中でどうやって勝つかということを考えたときに、自分たちで新しい挑戦に取り組まなければならないという思いを込めて、革新にしました。

――春リーグに向けての目標

一年生が入ってきて、チームとして試合の時の選手と応援の温度差があったので、そこら辺をしっかり修正して、一つでも隙を無くして、春リーグは優勝できるように頑張りたいと思います。

水木瑠(スポ1=宮城・東北)

――初めての団体戦でしたがいかがでしたか

 先輩方が応援してくださったので、特に緊張しないでいつも通り思い切ったプレーをすることができました。

――東大戦の途中からカットサーブに変えましたが何故でしょうか

 朝は雨が降っていてボールとガットが濡れていたので、思うように回転がかからなかったのですが、途中から雨が止んで渇いてきたのでカットサーブに変えました。

――明大戦を振り返っていただけますか

 相手の後衛がとても強い選手だったので、早稲田の一番目ということもあって、いつも以上に向かって入りました。

――春季リーグ戦はシングルスで出場される予定ですか

 シングルスの方が可能性は高いです。ですが、ダブルスも準備しておけと監督(小野寺剛監督、平元教卒=東京・巣鴨学園)に言われています。

――早稲田での目標をお願いします

 去年インカレで負けているので、(優勝を)奪還できるように、1年生らしい元気あるプレーで部を盛り上げて勢いづけていければいいなと思っています。

――リーグ戦への意気込みをお願いします

 春リーグは初めてで緊張すると思うのですが、心強い先輩がいるので頑張りたいです。インカレに実力で出たいので、ダブルスでもシングルスでも、団体戦でも使ってもらって、自分の持っている力を出したいと思います。