黒鷲旗全日本男女選抜(黒鷲旗)が大阪で開幕した。本大会は高校・大学・V・プレミアリーグ・Vチャレンジリーグの各カテゴリーから選抜されたチームが出場する大会だ。開幕日のきょう早大が対戦した相手は堺ブレイザーズ。V1リーグに所属している強豪チ…

 黒鷲旗全日本男女選抜(黒鷲旗)が大阪で開幕した。本大会は高校・大学・V・プレミアリーグ・Vチャレンジリーグの各カテゴリーから選抜されたチームが出場する大会だ。開幕日のきょう早大が対戦した相手は堺ブレイザーズ。V1リーグに所属している強豪チームであり、昨年度の天皇杯でストレート負けを期した早大にとっては雪辱を果たしたい相手だ。序盤から白熱した展開となり、きっこうし続ける両チーム。フルセットの激闘となり粘り勝ちした早大がセットカウント3-2(28-26、17-25、23-25、25-21、22-20)で格上相手に大金星を上げた。 

 チャレンジャーとして早大が挑んだこの一戦は今大会で退団を発表しているニコラの強烈なスパイクから始まる。その後、武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)のフォーメーションを崩すサーブなどで応戦するも、第1セット序盤のペースは堺ブレイザーズがつかむ。しかし15-18の局面。早大は相手のドリブルを皮切りに春季関東大学リーグ戦(春リーグ)から絶好調の宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)のクロススパイクが2連続で決まり同点に。その後も得点を稼いでいく。両者譲らない攻防が続くも、28点目に3枚ブロックの合間を縫ったスパイクを大塚が決め第1セットを早大が先取した。


攻撃の要として活躍した大塚

 このまま流れに乗りたい早大だったが、第2セット序盤から相手の高さあるスパイクに苦汁を飲み連続失点を余儀なくされる。中村駿介(スポ3=大阪・大塚)の意表を突くトスフェイントで会場を沸かすも主導権は一向に変わらず。このセットは堺ブレイザーズが獲得する。3セット目も同様に堺ブレイザーズがペースをつかんだまま武藤副将のコンビなどで反撃するも及ばずこのセットも取られてしまう。後がない第4セット。前半から「自分の役割を果たせた」と振り返る村山豪(スポ3=東京・駿台学園)のブロックが功を奏す。また宮浦の相手のブロックアウトを誘うスパイクなども決まり、セットを構築していったのは早大。22-21の場面で相手のサーブミスやタッチネットなど相手のミスに助けられ、このままセットを奪取した。


チーム全員で喜ぶ選手たち

 

 絶対に取らなければいけない最終セット。序盤から一進一退の攻防が続く。1点差の場面でニコラのフェイントを含む3連続得点を決められると5-7に。その後も点差を広げられ、11-14と相手のマッチポイントになる。相手が一点を決めるまでに早大は3点獲得しなければいけないという苦しい状況だったが、大学王者は強かった。ここから村本涼平(法4=京都・洛南)、大塚のスパイクが相次いで決まりこのセット初めてのブレークが成功するとこのまま連続となる大塚のスパイク、武藤副将のブロックも決まり15-14。変わって早大がマッチポイントとなる。しかし堺ブレイザーズも粘る。結局19-20の場面で堺ブレイザーズが痛いサービスミス。直後、「1点で試合が決まるどっこいどっこいの場面でも自分らしく自分がしたいプレーが思い切りできた」と振り返る大塚のバックアタックが決まり21-20。会場の大観衆がこの試合を固唾を飲んで見守る。結末は堺ブレイザーズのスパイクがエンドラインを越えてアウトの判定。この瞬間試合終了の笛が鳴り、早大が格上に見事勝利した。

 

 昨年の天皇杯全日本選手権(天皇杯)ではストレート負けしてしまった相手にきょうは勝利した早大。昨年の天皇杯時のメンバーとは半分メンバーが変わって新体制として挑んだこの一戦だが今年の早大も強い。まだ全日本大学選手権(全日本インカレ)に向けて未完成ながら格上に金星を飾る早大は今年の黒鷲旗でダークホースとなるのか。あしたの相手は豊田合成トレフェルサ。きょうと同様に格上だが勝利して決勝トーナメント進出を決めてほしい。

(記事 萩原怜那、写真 友野開登)

セットカウント
早大28-26
17-25
23-25
25-21
22-20
堺ブレイザーズ
スタメン
レフト 村本涼平(法4=京都・洛南)
レフト 大塚達宣(スポ1=京都・洛南)
センター 武藤鉄也(スポ4=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ3=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 中村駿介(スポ3=大阪・大塚)
リベロ 堀江友裕(スポ4=和歌山・開智)
コメント

堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)

――見事フルセットの激闘を制しましたが今の気持ちはいかがですか

勝てて嬉しいです。それだけです。(笑)

―天皇杯ではストレート負けしたチームに勝てた勝因は何ですか

相手は全日本代表がいない中での勝負だったのでもちろん勝ちに行くという気持ちで勝てたのですが1番の要因はやはり守る部分はあったのですが最後の1セットで攻めれたことだと思います。

――2、3セット取られてからどのようなところを修正しましたか

レセプションもみんな悪くないのでセッターのことにはなりますが攻撃の幅が狭くなってしまったり上げ急いだ上に打ち急ぐという場面があったのでブロックが高いということは抜ければ決まるので相手をよく見てということとフェイントとかも多い中で落としてしまうこともあったのですがそこは相手をよく見ていればフェイントとかもわかるしそういうことを戦いながら考えていました。

――先日のインタビューで黒鷲旗の目標を伺った時に「勝ちたい」と仰っていましたがその目標が達成されました

きょう勝ってもあしたあさって勝たなければ決勝トーナメント進めないのでそこはしっかり切り替えてきょうの良いところは良ところでダメなところも多かったのでそこも見て明日良い状態で臨めればいいなと思います。

武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)

――今の率直な感想をお願いします

今日はまず企業チームに勝てたということで、相手はフルメンバーではなかったですけどすごいよかったなと思います。

――堺ブレイザーズとは昨年の天皇杯以来の対戦でしたが、何か対策はありましたか

天皇杯の時は自分たちの実力を過信していた部分がありました。結局外国人2人相手に全然ダメでした。でも今回はしっかり対策をして試合に臨めたので良かったです。

――具体的にどのような対策をしましたか

天皇杯で思った時よりは全然高かったり、ブロックに当ててこない選手だったんですけどブロックの間や脇の部分をしっかりディグをすることを徹底しました。

――以前、黒鷲旗への意気込みを伺った時「練習の成果を出したい」と語っていましたが、いかがてしたか

出せた部分もあるんですけど、レセプションアタックを課題にやっている中では今回あまり数字は良くないかなと思いました。今日もフルセットで勝ったんですけど、フルセットをしなくてもいいような展開でもあったので、明日は豊田合成さん(豊田合成トレフェルサ)とやらせてもらうんですけど企業相手でもレセプションアタックのフォローを徹底して頑張っていきたいです。

――最後に明日の豊田合成トレフェルサ戦への意気込みをお願いします

明日もまた企業さんとやらせてもらうのでしっかり向かっていって、サーブだったりスパイクを攻めて少しでも多くこの体育館で試合ができるようにしたいです。明日も練習でやってきたことをしっかり出せるようにします。

村本涼平(法4=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返って

ブレイザーズが相手ということもあって、自分達は思い切りやってきたことを、挑戦者の気持ちで臨みました。いつもは決まるスパイクが決まらなかったり、ラリーが多くなって粘り負けする部分も多くあったのですが、その中で5セットを通して勝ちきれたことは凄い自身になったと思います。

――ご自身の出来を振り返ってもらえますか

きょうは調子があまり良くなかったですが、要所要所で他の皆が頑張ってくれて、凄く助けられた部分が大きかったです。

――昨年の天皇杯全日本選手権ファイナルラウンドで敗れた堺ブレイザーズに勝ちましたが、振り返ってもらえますか

相手のメンバーは違っていて、自分達もメンバーが変わっていました。天皇杯で負けた意識はあまり無くて、新しいチームでどこまでできるかという気持ちで臨んだので、勝つことができたのは凄い良かったです。

――前回堺ブレイザーズに敗れたときはレギュラーリベロでしたが、今回の試合はレフトでの出場でした。変わった部分はありますか

リベロで入っていた時はブレイザーズのサーブに戦術的意味でやられ、自分達がそこにはまってしまいました。きょうもサービスエースを何本か取られましたが、我慢しないといけないとこで我慢をして、セットを取れたことは良かったです。

――きょうの対戦では天皇杯で敗れたV1の堺ブレイザーズに勝ちましたが、あした以降の意気込みをお願いします

2勝しないと次のトーナメントに上がれないので、あすとあさってもきょうと同じ気持ちで臨み、思いっきり頑張りたいと思います。

村山豪(スポ3=東京・駿台学園)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

きょうは格上の相手だったんですけど、しっかり自分たちのバレーをしようということを意識してやっていて、それが最後あのような展開だったんですけど、それができて良かったなと思います。

――きょうはブロックでの活躍が目立っていましたが、ご自身のブロックはいかがでしたか

きょうはスパイクが全然だめだったので、スパイクがだめな分ブロックでカバーしようと思っていたので、そこでしっかり少しは自分の役割を果たせたかなと思います。

――きょうのご自身の攻撃面はいかがでしたか

きょうは自分の調子が悪かったので、セッターにもすごい迷惑を掛けてしまって合わないという展開だったんですけど、4セット目からはうまく修正できたので、もっと1セット目からセンター線を機能すればもっといい試合展開になったのではないかなと反省しています。

――今のチームの状態はいかがですか

今はすごいいい雰囲気だと思うので、この流れをしっかり維持していきたいなと思います。

――あすの豊田合成トレフェルサ戦への意気込みをお願いします

あすもまた格上でさらに厳しい試合になると思いますが、さっき言ったように自分たちのバレーをしっかり展開していい結果になればいいなと思います。

宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)

――今の率直な気持ちを教えて下さい

とりあえず、緊迫した試合を勝ててほっとしています。

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

チームとしては最後の5セット目の点差で勝てたということは、自分たちにとってプラスにもなるし自信もつくのかなと思います。内容とかを見ると、まだまだ課題がいっぱい出てくるのでそこをこれからもっと修正していけたらいいかなと思います。

――クロスのスパイクが決まるなど活躍が見られましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

5セット目とかも最後ブロックされていたりしていて、まだまだオポジットとしての仕事ができていないと思うので、個人としてまだまだこの試合で悔いが残るというか、もっと練習しないといけないなと感じた試合でした。

――きょうの試合は両者譲らない戦いでしたが、チームの雰囲気は全体としていかがでしたか

チーム全体として勝ちたいという気持ちが表れて、最後の14-11の場面でも14点まで追いつくことができて、チーム全体として勝ちにこだわったのではないかなと思います。

――あしたは豊田合成トレフェルサとの対戦です。あしたに向けての意気込みをお願いします

あしたは切り替えて、また自分たちのプレーを100パーセント出すということを意識してやっていきたいなと思います。

中村駿介(スポ3=大阪・大塚)

――フルセットの激闘を制しましたが今の気持ちはいかがですか

vリーグのチームに勝てたので良かったです。チーム的にも自分的にも自信がつきました

―どのような気持ちで試合に臨みましたか

ワセダらしくプレーしようとvリーグの方相手にチャレンジャー精神を持って挑みました。

――天皇杯ではストレート負けしたチームに勝てた勝因は

自分たちのやりたいことができたのでそれもあるのかなと思います。

――チームの雰囲気が悪くなった際に声を掛けられている姿が印象的でした

それは自分は明るさで元気を持ってプレーするというスタイルなので雰囲気が悪くなった時は声を出すように心がけています。

――黒鷲旗の目標をお願いします

あまり先のことを見過ぎずに目の前の一戦一戦を大事にそれをまた春リーグに繋げていけるように頑張っていきたいです。

大塚達宣(スポ1=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

きょうは序盤、様子を伺いながらのプレーで、なかなか思い切ってプレーすることができなくて、それで雰囲気が悪くなったりズルズルいってしまうこともあってチームとしてもいい状態ではなかったです。後半は自分としてもチームとしてもすごい積極的にどんどん攻めのバレーができたということが、思い切ったプレーができたことがこういう結果につながったと思います。いいところも悪いところもいっぱい出た試合だったのではないかと思います。

――序盤サーブで狙われていた印象がありましたが、その点についてはいかがですか

自分が後衛のときに自分にサーブを取らせてバックアタックを封じるというのが相手チームの狙いだったと思っていて、序盤はその思うツボになっていたという印象があります。そこを狙ってバックアタックを潰すだろうなっていうのは分かっていたしチームとしてもそこは想定内でした。

――中盤からバックアタックが決まってきたと思いますが、きょうのご自身の攻撃面はいかがでしたか

さっきも言った通り序盤はあまり思い切ってプレーすることができなかったんですけど、1点で試合が決まるどっこいどっこいの場面でも自分らしく自分がしたいプレーが思い切りできたので、そこは良かったと思います。

――今のチームの序盤はいかがですか

黒鷲旗は大学も4つしか出ないですし、数少ないチームしか参加できないと思うので、この大会はすごい貴重な経験になると思うし、これを超えてあと残っているリーグにもいい方向につながると思うし、そういう意味ではリーグのためにすごい勉強になる大会だと思います。もっと上のチームのいいところを吸収しつつ、自分たちのいいところはもっと伸ばすっていうのを、あと2試合と勝てば決勝トーナメントも残っているので、いっぱいそういうチームとやらせてもらえる機会があるので、いっぱい吸収してどんどんチームとしても個人としても強くなりたいと思っています。

――明日の豊田合成トレフェルサ戦への意気込みをお願いします

豊田合成さんもすごい力があると思いますが、自分たちも思い切ってやったら通用すると思うので、自分たちらしく自分たちは自分たちのことをしっかりやるということと常に相手を倒しにいくという強い気持ちを持って明日も試合に臨みたいと思います。