平成最後の試合となった関東学生春季リーグ(春季リーグ)第5節。ついに早大は難敵、筑波大と対戦した。緊張感に包まれたまま試合が始まると、筑波大の強さを目の当たりにすることになる。前半戦、早大は慎重に攻撃のタイミングを狙っていたが、相手のフィジカルやテクニックに圧倒されてしまう。屈強なディフェンス陣をスピードやパワー面で打ち破ることができない早大はループシュートなどテクニック面で点を刻むが、6点ビハインドで試合を折り返すこととなった。続く後半戦も筑波大の攻撃の手は緩まることはなかったが、パスカットや味方のシュートミスのこぼれ球などを生かしたシュートが決まり、また好セーブも続いたことで早大も粘りを見せつける。しかし、その踏ん張りも虚しく21-32と11点差で試合を終えた。

 前半は筑波大の実力を見せつけられる展開となった。早大はオフェンスの支えともなっている青沼健太(社2=千葉・昭和学院)や宮國義志(社4=沖縄・浦添)がけがで出場できないということもあり、慎重に相手に攻めていくが、フィジカル面で有利な筑波大は屈強なディフェンスを敷いていた。何度も攻撃を試みるも堅いディフェンスにはじかれてしまう。相手のスピードとパワーを兼ね備えたシュートを防ぐことができないうえに、相手のオフェンスを体を張って止めに行ってもエラーを取られ7メートルスローを相手に与えてしまったり、2分退場とされてしまう場面も多くみられた。徐々に差が開き始めた10分、たまらずタイムアウトを取り筑波大の流れをいったん止め、残りの時間での着実な攻撃に備える。CB阿南遼星(スポ3=大阪・大体大浪商)は、頑丈なディフェンスを真っ向からパワーで打ち破るのではなく、ループシュートや相手GKの足元を狙ったワンバウンドのシュートなど相手の意表を突いた攻めで得点を重ねた。しかし、筑波大は早大の追随を許さず点差はなかなか埋まらないまま。20分を過ぎると早大のパスミスが多く見られうまく立て直しができず、11-18と7点ビハインドで前半戦を終えた。


シュートを決める阿南

 これ以上点差を開けたくないワセダセブン。後半戦開始後、攻撃のチャンスは幾度も訪れたがシュートがうまく決まらず、逆に相手側に攻めの機会を与えてしまい3失点となった。力強いロングシュートやスカイプレーを次々に決め、10点以上もの点差をつける筑波大。ダブルスコアのピンチを迎えた10分、すかさず早大がタイムアウトを取ったことをきっかけに、早大の攻撃が徐々に波に乗り始める。相手のミスを見過ごさなかったRW清原秀介(商4=東京・早実)やPV中村祐貴(スポ3=北海道・札幌西)が速攻を決め、それに続き21分、味方のはじかれたボールに必死に食らいついたLB山本慶(スポ3=長野・屋代)は倒れこみながらも着実に得点した。途中、早大のパスをカットした筑波大が速攻を決めようとする場面を幾度も迎えたが、「強烈なロングシュートを打ってくる選手が多かったのでしっかり当たって守ろうという対策はしてきた」と振り返ったように、途中出場のGK中村匠 (スポ2=千葉・市川)は次々とセーブした。中でも相手の7メートルスローを中村が防いだ瞬間は会場が大いに盛り上がった。攻守ともにギアを上げつつあったワセダセブンではあったが、点差を埋めるまでの時間は残されてはおらず、終了間際にだしたミスを相手に利用され1点を入れられたところで試合が終わってしまった。


後半、好セーブを見せた中村

 強豪、筑波大に圧倒されたワセダセブン。パワー、スピード、テクニックのどれもが早大を上回っていた。しかし、けがで抜けたメンバーを埋めるように新たにベンチ入りした選手が試合に出場し、攻めの姿勢を崩さずチームに貢献していた。その中でも山田和直(スポ1=群馬・富岡)は1年生ながら後半戦で1点を相手チームから奪っていた。阿南も「新しくベンチ入りしてきた人たちがフレッシュな状態で出てきてくるので、そういう人たちが力を出せるといいと思います。誰が出てきても変わらないプレーができるとチームは強いと思う」と振り返っているように、選手層の厚いチームになっていくことの重要性を感じることができた一戦であった。大差をつけられ敗北した早大だが、春季リーグも残り4試合。気持ちを切り替えて再び勝利をつかんでほしい。

(記事 栗林真子、写真 稲葉侑也、宅森咲子)

関東学生春季リーグ
早大2111−18
10−14
32筑波大
GK 羽諸大雅(スポ4=千葉・市川)
LW 前田理玖(スポ3=福井・高志)
LB 山本慶(スポ3=長野・屋代)
CB 阿南遼星(スポ3=大阪・大体大浪商)
PV 中村祐貴(スポ3=北海道・札幌西)
RB 佐藤法俊(スポ2=長野・屋代)
RW 清原秀介(商4=東京・早実)
星取表(4月30日現在)
早大筑波大日体大国士舘大中大法大明大立大東海大日大
7位早大 21●32 26△26 22●23 27●29 30〇28
1位筑波大 32○21 27△27 29○2336○2027〇17
2位日体大26△26 25〇24 40○24 30○2128〇25
3位国士舘大 24●2538○23 24○1825○21 26〇21
4位中大 23○22 27△2724●40 25〇13 24〇22
5位法大23●29 21●3023●38 23○22 28〇27
6位明大29○27 18●24 22●23 24●27 25〇23
8位立大20●36 21●25 27〇24 23●28 17△17
9位東海大17●2725●28 13●25 23●25 28〇23
10位日大 28●3021●2622●2427●28 17△17
コメント

阿南遼星(スポ3=大阪・大体大浪商)

――けが人が多い状況ですが、チームの状態や雰囲気などはいかがですか

バックプレーヤーがけがをしてしまったことによって負担は大きいんですけど、その分新しくベンチ入りしてきた人たちがフレッシュな状態で出てきてくるので、そういう人たちが力を出せるといいと思います。誰が出てきても変わらないプレーができるとチームは強いと思うので、これからはそっちの力にも期待しながら引っ張っていきたいです。

――試合前に話していたことはありましたか

やはり相手はフィジカルが強いので、ディフェンスに関しては受け身にならない、ポストの失点を減らそうという話をしていました。でもそこをうまく徹底しきれなくて、不用意に出てしまったりだとか、自分たちの思い描いていた通りにはいかなかったです。

――敗戦の要因は何でしょうか

ディフェンスからリズムをつくれずに、相手のリズムで試合を展開させてしまったというのが大きな敗因です。

――阿南選手からは多くの得点が生まれました。ご自身のプレーについてはいかがですか

筑波大相手に点を取れたのは大きな収穫なんですけど、何よりチームの勝利に影響するようなプレーヤーになりたいと思っているので、そういう意味ではまだまだ力不足を感じました。

――次の試合に向けて一言お願いします

愛知にいる伊舎堂選手(博武、平31卒部=現トヨタ車体)はこの記事を見て笑っていると思うので、それを見返してやれるように頑張ります(笑)。

中村匠 (スポ2=千葉・市川)

――試合を終えた今の気持ちをお願いします

大差で負けてしまって悔しいんですけど、僕は結構(ボールを)止めることができたので個人的には少し自信がついた気がします。

――今回の試合での全体のプレーについてはいかがですか

前半で結構点を離されて、ハーフタイムの時に後半をしっかり守って点差を縮めていこうという話だったんですけど、攻めでミスをしてしまって失点とか、戻らなくて失点というのが多かったのでそこはもう少し修正した方がよかったかなと思います。

――今回は筑波大戦ということでしたが、何か対策はしてきましたか

筑波大は強烈なロングシュートを打ってくる選手が多かったのでしっかり当たって守ろうという対策はしてきました。

――きょうの試合を終えて今後チームに活かせるポイントなどは見つかりましたか

僕は羽諸さんが途中で当たらなくなった時とかに交代で出ることが多かったんですけど、きょうは後半で結構止めることができていたので(今後は)僕が出て流れを変えることができればいいなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

次戦も出る機会があると思うのでしっかり準備して頑張ります。